米のアジア重視が続く・中国の不安定化を懸念(トークセッション)

――米国や欧州は中国にどう向き合うのか。

エドワード・ルース・FTチーフUSコラムニスト&コメンテーター オバマ大統領は2009年に初めて訪中した際、米中で地球規模の問題に取り組む「G2」の協調を持ちかけた。だが当時の胡錦濤主席はそれに応じず、オバマ氏は屈辱を味わった。それで米国は伝統的なタカ派のスタンスに回帰した。共和党であれ、民主党であれ、米大統領選で誰が勝ってもこの姿勢は続くし、むしろ強化されるだろう。

ジェームズ・キング・FTエマージングマーケッツエディター 中国は世界経済で存在感を増している。中国人観光客による世界での大量買いはインドネシアの国内総生産(GDP)に匹敵し、外国企業への投資額は5年後に世界首位になるだろう。だが、中国は政治体制に問題がある。習近平政権は思想統制を強めており、政治的にはむしろ世界との溝をより深める方向にある。

――世界にとってのリスクは何か。

キング氏 中国は経済の成長エンジンを、公共投資や重工業など従来型産業から、個人消費やサービスに切り替えようとしているが、うまくいっておらず不安定だ。株価や人民元が暴落すれば、中国政府はその責任を外国に押しつけ、さらに強硬な外交政策をとる恐れがある。

ルース氏 米大統領選の候補者はすべて過激派組織「イスラム国」(IS)への関与を強めるという。地上戦力を展開するという議論もある。アジアも台湾総統選で民進党が勝利すれば中台関係が悪化する可能性がある。南シナ海(での中国の台頭)など現実的なリスク要因があり、予断は許さない。

(聞き手は編集委員 秋田浩之)

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