王子HD、NZの製紙会社買収 革新機構と923億円で

王子ホールディングス(HD)は25日、産業革新機構と共同でニュージーランド(NZ)の製材・紙パルプ会社カーターホルトハーベイ(CHH)から紙パルプ・段ボール事業を買収すると発表した。高品質の段ボール用製品に強みがあり、アジアで伸びる工業製品の輸送向け需要を取り込む。買収額は923億円で王子HDのM&A(合併・買収)では最大となる。

25日付でNZとオーストラリアで紙パルプ・段ボール事業を展開するCHH子会社の全株式取得の契約を結んだ。取得額923億円のうち産業革新機構は323億円を上限に出資する。株式取得後の出資比率は王子HDが議決権ベースで60%、機構が40%となる。

王子HDは産業革新機構と組むことでリスクを抑える。将来的には機構が持つ株式の買い取りも検討する。

買収するCHH子会社は紙パルプや段ボール、紙コップの生産拠点を12カ所持ち、売上高は1021億円。NZ産で繊維の強度に優れた針葉樹を原料とした紙パルプが特徴で、段ボール原紙は強度が求められる商品の輸送などに使われている。

王子HDは東南アジアやインドで段ボールの原紙と組み立て工場を建設中も含め21拠点持つ。だが、原料は強度に劣る古紙や広葉樹だった。日本やアジアで調達が難しい高品質の針葉樹を原料とした紙パルプや段ボール原紙を、自社工場やアジアの製紙会社などに提供していく。

王子HDの売上高約1兆3400億円に占める海外比率は20%。国内の紙需要が減少傾向にある中、早期に海外比率を26%に高める方針だ。

アジアでは経済発展に伴い、工業製品輸送などに使う段ボールの需要が特に高まっている。王子HDは2011年にマレーシアの段ボール加工事業を買収、今年7月にはインドで段ボールの組み立て工場を稼働させる計画だ。高品質の原料と原紙を確保し事業の拡大を加速する。

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