日銀総裁、中部経済「急速に減速」 産業構造改革に期待

日銀の白川方明総裁は29日、名古屋市内で記者会見し、中部経済について「現状は急速に減速している」と述べた。エコカー補助金終了や円高などの影響を指摘。そのうえで新興国の経済成長などを背景に「2011年度には緩やかな回復経路に復していく」との見方を示した。中部企業の競争力向上へ「(産業構造などの)変革能力に期待したい」とした。

同日開いた地元経済界関係者らとの金融経済懇談会で、白川総裁は「成長力の低下が企業や家計の成長期待の低下を通じ、設備投資や個人消費の低迷をもたらし、デフレの根源的な要因になっている」と指摘。成長基盤強化に向けた新貸出制度や市場活性化などを目指す包括緩和など、最近の金融政策を説明した。

また中部経済の歴史を「繊維や窯業が中心の地域から、自動車や電機など新しい成長分野を開拓することで、日本のものづくりの一大拠点になった」と分析。「自らの事業構造を転換することで、環境の変化に対応してきた企業が多いのが当地の特徴であり、(今後も)成長分野に積極的にチャレンジしていただきたい」と話した。

懇談会の場で、中部経済連合会の川口文夫会長は「日銀は政府と緊密に連携・協調して金融政策を実施してほしい」と発言。名古屋銀行協会の古角保会長(三菱東京UFJ銀行副頭取)は企業の資金需要低迷などを説明したうえで日銀の新貸出制度は「(投資喚起などの)呼び水として一定の効果が期待できる」と評価した。名古屋商工会議所の木村操副会頭は中小零細企業が直面する厳しい経営状況を訴えた。

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