2児放置死、母親に懲役30年 大阪地裁判決

大阪市西区のマンションで幼児2人が置き去りにされ死亡した事件で、殺人罪に問われた母親の下村早苗被告(24)の裁判員裁判の判決で、大阪地裁(西田真基裁判長)は16日、懲役30年(求刑無期懲役)を言い渡した。

公判で下村被告は、育児放棄だったことは認めたが、殺意は否認。弁護側は「保護責任者遺棄致死罪にとどまる」と主張していた。

西田裁判長は「2人の衰弱を認識しており、放置すれば死ぬ可能性が高いことは分かっていた」として、被告の殺意を認定した。

量刑理由で西田裁判長は「現実から目を背け、男性と遊ぶなどしていたことは非難に値する」と指摘。2児を放置し餓死させたことについて「犯行態様はむごいの一言に尽きる」と述べた。

一方で「離婚後、人的援助や養育費などの経済的援助を得られず、一人での育児に負担を感じていたのは事実で、被告1人を責めるのはいささか酷だ」と述べた。

検察側は論告で「被告は自己の欲望、欲求を最優先し、元夫との離婚後、子供を置き去りにしたまま長期間外出や外泊をするようになった」と指摘。最後に外出する時点で2人の衰弱を認識しながら、わずかな食料しか与えず、部屋のドアにテープを貼ったことなどを挙げ、「2人が死んでも構わないという殺意があった」と強調した。

その上で「被告人の自己中心的かつ現実逃避的な性格が色濃く反映された犯行で、酌むべき点が乏しい」と主張。「唯一頼れる存在の母親に見放された子供の孤独感や絶望感、無念さは筆舌に尽くしがたい」として厳重な処罰を求めた。

弁護側は最終弁論で、ドアにテープを貼ったことなど事実関係を認めた上で「いたずら防止のためだった」などと、殺意を持って閉じ込めたとする検察側主張に反論。「幼少期からの生育環境が原因で、被告は恐怖や激しい不安を無意識に避ける特殊な心理状態にあった。2人が死ぬことに意識が働かなかった」と主張した。

下村被告は最終意見陳述で「事件は私の責任。一生、2人のことを背負って罪を償って生きていきたい」と述べていた。

下村被告は2010年6月9日ごろ、育児放棄により栄養状態が悪化していた長女の桜子ちゃん(当時3)と長男の楓ちゃん(同1)を自宅に閉じ込めて外出。食事を与えずに放置し、同月下旬ごろ餓死させたとして起訴された。

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