便潜血検査「痔で陽性」わずか がん社会を診る 1月13日 がん検診では、一次検査でがんがありそうな人を選別し、精密検査で本当にがんがあるかどうか判定します。一次検査で異常がない場合は、次回の検診を受診することになりますが、陽性と判断された場合には、精密検査を受診することが必要です。 検診で見つかるような早期のがんでは、多くの場合、9割以上の治癒率が得られますから、過度の心配は不要です。むしろ、がんを早期に発見するチャンスだととらえてもらうべきでしょう。 便潜血検査「痔で陽性」わずか
進行がんは医療費がアップ がん社会を診る 1月6日 東京都八王子市が、大腸がん検診と精密検査の受診率向上をめざし、民間のシンクタンクとの間に、「成果連動型」の委託契約を結んだ上で、オーダーメード型の受診勧奨を行い、大きな成果を上げたことをお伝えしたことがあります。 このたび、八王子市がこの事業について3年間の成果をまとめ、公開しました。この報告で注目すべきは、成果連動型契約の核心となる成果指標を再検証した点です。 当初、市の分析では、大腸がん検診 進行がんは医療費がアップ
大腸がん検査受診少なく問題 がん社会を診る 12月23日 かつて、日本人のがんの代表は胃がんでした。たとえば日本でも私が生まれた1960年の男性のがん死亡の半分以上が胃がんでした。しかし今、胃がんは減っています。年齢構成を考慮した胃がんによる10万人あたりの死亡数(年齢調整がん死亡率)はこの10年で3割も減りました。 胃がんの原因の98%が子供のころのヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)の感染です。冷蔵庫の普及など、衛生状態がよくなり、ピロリ菌の感染が 大腸がん検査受診少なく問題
菜食主義よりバランスを がん社会を診る 12月16日 完全菜食主義者「ビーガン」が世界的に増えています。米国では2017年に1960万人となり、3年で5~6倍に増えたといいます。 日本でも、ビーガンに似た「マクロビオティック」が若い女性を中心に支持されています。自然農法でとれた玄米や雑穀などに限る極端な菜食主義ですが、市場も拡大しているようです。 私の経験でも、がんと診断された途端、一切肉を口にしなくなる患者さんは珍しくありません。「野菜は体に良く 菜食主義よりバランスを
がん検診を受けよう がん社会を診る 12月9日 新型コロナウイルス感染症が病院経営に与えた影響を調べた調査があります。全国の約550の大病院が調査対象です。患者数は全体としては回復基調にあるものの、がん患者の入院件数の減少が目立ちました。とくに、胃がん、肺がん、大腸がんでは、4月、5月、6月と入院患者の減少幅が拡大しています。 なかでも、入院患者の減少は胃がんがもっとも顕著で、3月、4月、5月の前年同月比は、それぞれ、マイナス1.2%、マイナ がん検診を受けよう
早めの胃がん検診を がん社会を診る 12月2日 胃がんは長い間、日本人のがんの代表でした。胃がんの原因の98%とされるピロリ菌の感染率が高かったことが主な原因です。 冷蔵庫の普及などで、ピロリ菌の感染率が低下し、胃がんの罹患(りかん)率、死亡率とも減少傾向にあります。それでも、罹患数では第2位、死亡数では第3位と、まだまだ、手ごわいがんの一つです。 バリウムによる胃がんの集団検診は、私が生まれた1960年に開始されました。2014年には、バリ 早めの胃がん検診を
医療広告、断定や曖昧さ要注意 がん社会を診る 11月25日 一般的に、価格が上がるほど、商品の価値も高くなります。しかし、日本の医療制度では、個人の支払額が高い医療行為には疑問を持つ必要があります。わが国が誇る国民皆保険制度では、科学的に有効性が示されている医療行為は保険の適用となるからです。 「最善・最良の治療」を意味する「標準治療」は基本的には健康保険が利きますから、保険の対象外の自由診療に手を出す必要はまずありません。 しかし、ほとんどの免疫細胞療 医療広告、断定や曖昧さ要注意
最善の治療、保険適用で がん社会を診る 11月18日 がんの治療では、「標準治療」を受けることが何より大切です。標準治療と聞くと、「ふつうの治療」、「並みの治療」と思えるかもしれませんが、現時点での「最善・最良の治療」のことです。 よく誤解されますが、「最先端の治療」が最も優れているとは限りません。新しい治療は、その効果や副作用などを調べる「臨床試験」で評価され、現時点での標準治療と比べて同等以上の効果が証明されれば、標準治療に組み込まれます。 日 最善の治療、保険適用で
歯周病でリスク高まる がん社会を診る 11月11日 1990年に公開され、大ヒットした映画「プリティー・ウーマン」のなかで、新米娼婦役のジュリア・ロバーツが、ハリウッドの超高級ホテルのペントハウスのバスルームでこっそりデンタルフロスを使うシーンがありました。 大富豪役のリチャード・ギアが麻薬と勘違いして怒鳴りますが、彼女が隠したのはフロスと分かり、彼はジュリアを見直します。米国では歯の手入れが、自己管理や将来への希望の象徴と考えられているようです 歯周病でリスク高まる
子宮頸がんワクチンの効果 がん社会を診る 11月4日 子宮頸(けい)がんは胃がんや肝臓がんとならぶ「感染型のがん」の代表で、発症原因のほぼ100%が性交渉に伴うヒトパピローマウイルス(HPV)です。 冷蔵庫の普及や上水道の整備などによって、ピロリ菌の感染が減り、胃がんの死亡率は10年で約3分の2となっています。さらに減っているのが肝臓がんで、輸血の血液から肝炎ウイルスを除去することなどで、死亡率は10年で半減しています。 一方、一時減少していた子宮 子宮頸がんワクチンの効果