組織ができない決断を 私のリーダー論 5月25日 観光業のようなサービス産業は接客の瞬間に消費が完結する。出会った人材の印象が積み重なりブランドとなる。そこにリーダーが関与する余地はない。星野リゾート代表の星野佳路氏(63)はトップダウンでなく、スタッフ自ら動く組織を作り上げてきた。 ――コロナ危機からいち早く回復し、攻めに転じています。不安が大きい中、組織をどう動かしましたか。 「組織が決断できないことを決断するのがリーダーの仕事です。組織が 組織ができない決断を
欧米駐在で経営哲学養う 私のリーダー論 5月18日 オリンパスの竹内康雄会長は長い欧米駐在で経営哲学を養い、グローバル化やガバナンス改革を実行してきた。現在は外国人の執行役の登用なども進み、竹内氏は2023年4月に会長兼ESG(環境・社会・企業統治)オフィサーに就任した。「ESGを経営の主題としてとらえていく」と語る。 ――米国、ドイツ、英国をはじめ駐在経験は約15年に及びます。海外勤務を志望していたのでしょうか。 「全くそんなことはありません。 欧米駐在で経営哲学養う
やる気高めて企業価値向上 私のリーダー論 5月11日 約10年前に不正会計で揺れたオリンパスで、経営の立て直しを担ってきたのが竹内康雄会長(66)だ。世界に通用する医療機器メーカーを目指す「グローバル・メドテックカンパニー」という戦略を掲げ業績は好調だ。「社員のやる気を高めることが企業価値を高めることにつながる」と話し、4月からはESG(環境・社会・企業統治)担当役員も兼務する。 ――オリンパスは2023年3月期に過去最高益を更新したようです。不正 やる気高めて企業価値向上
「人」が信頼の決め手 私のリーダー論 4月27日 創業家出身でセイコーグループを引っ張る服部真二会長は新卒で入社した三菱商事時代、鉄鋼取引に携わった。行き着いたリーダーとしての信念は「人柄の大切さ」。現場に足を運び部下と顔を合わせる姿勢には、商社マン時代の経験が生きている。 ――創業家の一員としてリーダーの意識は昔からあったのでしょうか。 「子どもの頃はスポーツが好きで、例えばスキーのインストラクターになりたいなどと考えていました。しかし現実的 「人」が信頼の決め手
時代の一歩先 社員とゆく 私のリーダー論 4月20日 時計大手セイコーグループの創業家出身でグループを率いる服部真二会長。「常に時代の一歩先を行くことを大切にしている」と語る。かつて世界の先端を走った日本の時計メーカーがスイスなどの海外ブランドから後れを取って久しい。会社を時代の先端へ導くには、時機を読みつつ強い決断力で部下を引っ張る力が必要だと説く。 ――リーダーに必要な要素を教えてください。 「変化を恐れないこと、そして変革をやり抜く力によって 時代の一歩先 社員とゆく
言葉で説明できる力を 私のリーダー論 4月13日 日本に芸術監督という職業が定着し始めたのは1990年代で、まだ歴史は浅い。しかも日本の場合、欧州の芸術監督ほどの権限を持たないままコーチ、プロデューサーなど多様な役割を求められることが多い。そんな時代に新国立劇場舞踊芸術監督という特殊なリーダーになった吉田都氏は、幅広い人脈を生かし、バレリーナ時代は苦手だった、説明する力をつけてきた。 ――英国ロイヤルバレエ時代のダンサー仲間も、今や各地で芸術監 言葉で説明できる力を
周囲の支援を力に改革 私のリーダー論 4月6日 英国を中心に長くバレリーナとして活躍した吉田都氏は、新型コロナウイルス禍まっただ中の2020年9月、新国立劇場(東京・渋谷)バレエ団を率いる舞踊芸術監督に就任した。度重なる公演中止など、想定外のことが何度も起きたが「おかげで、たくさんの方からサポートをいただいていることを実感できた2年半でもあった」と振り返る。観客の反応はよく、動員数をどんどん伸ばし、改革も進めている。 ――20年はコロナ禍でた 周囲の支援を力に改革
少し上の仕事で力引き出す 私のリーダー論 3月30日 宮大工の小川三夫氏は、鵤(いかるが)工舎設立から30年後の2007年、60歳で代表を弟子に譲った。いまでは鵤工舎で修業する若い弟子たちの育成に携わりつつ、講演などを通じて宮大工としての経験を世の中に伝えている。組織では上が退くことで若い人たちに活躍の場が生まれ、次の世代に技術を伝承していけるという。 ――60歳という年齢はトップを退くには早いように思います。 「私は西岡常一棟梁に弟子入りしてから 少し上の仕事で力引き出す
育てず、育つ環境つくる 私のリーダー論 3月23日 奈良の薬師寺など名だたる寺の再建工事に携わってきた宮大工の小川三夫氏(75)。1977年に寺社建築会社の鵤(いかるが)工舎(栃木県塩谷町)を立ち上げ、多くの弟子が宮大工として第一線で活躍している。自身も棟梁として現場を率いてきた。「弟子は育てるのではなく、育つ環境をつくることが肝要」と話す。 ――21歳の時に法隆寺の宮大工だった西岡常一棟梁に弟子入りしました。宮大工を志したきっかけは何でしたか。 育てず、育つ環境つくる
「今はまだ」は好機を逃す 私のリーダー論 3月16日 19歳で結婚し渡米した田代祐子会長。3人の娘を育てながら大学に通い、会計学を学んだ。キャリアのスタートは遅かったが、様々な企業を経て2016年に当時上場企業だったアコーディア・ゴルフ社長に就任。大変さを乗り越えた先に成長があるという。 ――小さい頃からキャリアを意識していましたか。 「女性にキャリアなどない時代に育ちました。周りで大学に進学した女性も皆、卒業すると見合いして23~24歳で結婚しま 「今はまだ」は好機を逃す