社会学者と作家が描く「大阪」の今と昔 文化往来 2月27日 社会学者で作家の岸政彦(53)は大学進学時に大阪に来て、以来大阪に住み続ける。一方、芥川賞作家の柴崎友香(47)は大阪で生まれ育ち、30歳を過ぎてから東京に移り住んだ。そんな2人が大阪という街との関わりをつづった共著エッセー「大阪」(河出書房新社)が刊行された。 「僕の大学時代はアルバイトのジャズミュージシャンとして週3回ぐらいお店でウッドベースを弾いたら十分な収入を得られた。そうしたお金が回り 社会学者と作家が描く「大阪」の今と昔
実力派落語、桂宮治が真打ちに昇進 文化往来 2月20日 落語家の桂宮治が真打ちに昇進した。披露興行は2月から4月はじめまで、浅草演芸ホール、池袋演芸場など東京都内の寄席で続く予定だ。 化粧品のセールスマンとしてトップクラスの成績を収めていたが、ユーチューブで見た桂枝雀の落語に衝撃を受け、自身の結婚式で「会社を辞めます」と宣言したという、ユニークな経歴を持つ。桂伸治に入門したのが30歳をすぎてからと遅いが、4年後にはNHK新人演芸大賞の落語部門で大賞を 実力派落語、桂宮治が真打ちに昇進
延期乗り越え、音楽祭NIPPON開催 文化往来 2月13日 新型コロナウイルスの影響で延期となっていた「国際音楽祭NIPPON2020」の一部公演が開催される。芸術監督を務めるバイオリニストの諏訪内晶子は「活動ができない状況は『自分には何ができるのか』と原点に返って考える機会になった。音楽祭ができることは、先へ進む土台になる」と話す。 パリ在住の諏訪内もコロナ下で「ステイホーム」を迫られた。その間、バッハらの無伴奏作品を集中的に練習したという。楽譜だけで 延期乗り越え、音楽祭NIPPON開催
室蘭の人々の記憶、5年かけ映画化 文化往来 2月10日 北海道室蘭市は「鉄のまち」として知られる一方、自然環境に恵まれた港湾都市でもある。2011年に東京から室蘭に移り住んだ坪川拓史監督は、地元の人たちから聞いたエピソードをもとに連作形式の脚本を書き、映画「モルエラニの霧の中」=写真=を5年がかりで完成させた。「室蘭の人たちと話をすると決まって『何もない街』と返ってくるが、手つかずのすてきな場所がたくさんある。ここに生きる人々とこの街を映画に残したい 室蘭の人々の記憶、5年かけ映画化
台風被害の収蔵品、救出の記録公開 文化往来 2月6日 2019年10月の台風19号で大きな被害を受けた川崎市市民ミュージアム(川崎市)が、1年間の収蔵品の救出活動を記録した映像ドキュメンタリーを公開した。被害は約22万9000点に及び、現在も休館を余儀なくされている。映像には収蔵品を救うため、懸命の努力を続ける関係者たちの姿が記録されている。 19年10月12日夜、地下駐車場から建物に水が入り、9つある地下の収蔵庫は最大で水深2.5メートルまで没し 台風被害の収蔵品、救出の記録公開
シニアの純愛 名優B・ダーンが熱演 文化往来 2月3日 年齢を重ねて出番が減ることを嘆くベテラン俳優が多い中、1960年に映画デビューした米国の名優ブルース・ダーンは、84歳にして活躍の場を広げる。「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」(2013年)でカンヌ国際映画祭の主演男優賞を最高齢で受賞し、公開中の新作「43年後のアイ・ラヴ・ユー」=写真=ではシニアの愛情物語に挑んだ。 「映画スターはトム・クルーズやクラーク・ゲーブルのような人のことで、僕はそう シニアの純愛 名優B・ダーンが熱演
羽毛田丈史、還暦記念ピアノアルバム 文化往来 1月30日 作編曲家の羽毛田丈史(60)が還暦を記念し、ピアニストとしてのソロアルバム「PIANO 60's」を発表した。「普段はドラマや映画などの音楽を注文に応じて作曲しているが、本作は何の制約もなく、ピアニストとしての自分を解き放って制作した」と語る。 ジャズピアノを振り出しにファンクバンドでデビューし、葉加瀬太郎やゴンチチら音楽家が多数出演するコンサート「live image」の音楽監督兼ピアニストを 羽毛田丈史、還暦記念ピアノアルバム
宝塚宙組、ロシア史の謎を題材に 文化往来 1月27日 ロシア革命で銃殺された皇帝一家の中で、一人生き延びた皇女がいたという伝説を題材にしたミュージカル「アナスタシア」を、宝塚歌劇宙組が東京宝塚劇場で上演している(2月21日まで)。 この皇女アナスタシアをヒロインにしたミュージカルは、まず1990年代にアニメ映画化され、これに着想を得て2017年に米国の名劇作家テレンス・マクナリーの脚本でブロードウェー上演が始まった。これを梅田芸術劇場主催による版と 宝塚宙組、ロシア史の謎を題材に
「アイドル推し」に普遍みとめた芥川賞 文化往来 1月23日 20日に選考会が開かれた第164回芥川賞は、宇佐見りんの小説「推し、燃ゆ」に決まった。ある男性アイドルを「推す」すなわち熱烈に応援することを生きがいに何とか毎日をやりくりしている少女を描く作品。「小説に集中している時間は自分を肯定することができる。主人公が『推し』を推しているときに感じていることと、ほとんど同じ」と宇佐見は言う。 21歳での受賞は2004年の綿矢りさ、金原ひとみに次ぐ史上3人目の 「アイドル推し」に普遍みとめた芥川賞
ミニシアターの名作、若手監督語る 文化往来 1月20日 観客の高齢化が進むミニシアターに若者を呼び込むことを狙った連続講座「現代アートハウス入門 ネオクラシックをめぐる七夜」が30日からユーロスペース(東京・渋谷)など全国18館で開かれる(名古屋シネマテークは2月6日から)。各館が日替わりで同じ映画を上映し、終映後にユーロスペースで開く若手監督のトークを全国の劇場に中継する。 1980年代以降に日本のミニシアターが紹介した名作7本を上映。2000年以 ミニシアターの名作、若手監督語る