本物の強さ、単独行にあり 逆風順風 1月14日 阪神の9年目、北條史也が、同じ内野手で高校の先輩でもある巨人・坂本勇人の自主トレに参加するという。伸び悩む現状を打開するための入門となったらしい。 広島・鈴木誠也とソフトバンク時代の内川聖一(現ヤクルト)、巨人・岡本和真と西武・中村剛也といった自主トレの「コラボ」にみられるように、他流に学ぶ意義は大きい。 だが打撃も守備も、技術は各自の資質と役割に応じた一身専属のもの。独自の技術を編み出すには独 本物の強さ、単独行にあり
脚力の相対性理論 逆風順風 12月31日 先月亡くなったサッカーのディエゴ・マラドーナさんの5人抜きのドリブルの映像がちょくちょく流れている。あれだけ人がいたのに、止められなかったのはやはり神業だ。 瞬間、瞬間のスピードもあっただろうが、脚力に任せて抜き去ったわけではない。おろおろする守備側の様子からうかがえるのは左右どちらに動くか、進むか止まるか、といった気配を完全に消し去っていたらしいこと。その時点ですでに、ピッチ上で無二のスピード 脚力の相対性理論
粋とやぼの境目は 逆風順風 12月17日 メジャーの暗黙のルールを巡る騒動があったのは8月。パドレスの新鋭、フェルナンド・タティス・ジュニアが7点リードの八回、3ボール0ストライクから打って満塁本塁打とした。 メジャーには大量リードの状況で盗塁をしてはいけないとか、相手へのこれみよがしのガッツポーズはダメ、といった不文律がある。やるかやられるかの戦いのなかにも、相手のメンツを保つなど、礼儀が必要ということだ。 タティスは有利なカウントに 粋とやぼの境目は
沢村栄治の手招き 逆風順風 12月3日 むやみに働く社員より、きちんと休める社員が重宝されるなど、世の中が変われば、人の評価も変わる。そんな価値観の変化の波に洗われているのが、プロ野球の沢村栄治賞。 ベーブ・ルースらを相手にしての好投など、現在のプロ野球の礎を築いた人の名を冠した投手最高の栄誉。当然ながら基準も高く、15勝以上、防御率2.50以下といった数字に加え、200投球回、150奪三振といったラインがある。1年間休まず、打者をね 沢村栄治の手招き
「ケツハラ」にご用心 逆風順風 11月19日 フランスや米国の研究で、血液型がO型だと、新型コロナウイルスに感染しにくい可能性がある、と報告されたとか。血液型そのものではなく、血液型を決定する遺伝子に関係がありそうだという。 詳しくは研究の進展を待たないといけないようだが、生まれ持った血液型で身の安全が左右されるのも、なんだかなあ……。と考えていて思い出したのが、血液型での性格判断の大家だった野村克也監督。 「B型は勝負強い」とか「A型の捕 「ケツハラ」にご用心
試合に出続ける勇気 逆風順風 11月5日 タイトル争いが大詰めとなるこの時期、気になるのが打率首位の打者が最後に欠場しがちなこと。パ・リーグの打率首位、オリックス・吉田正尚がチームの最下位決定後まもなく、先発をはずれるようになった。 故障を抱えているのかもしれず、無理に先発し続けてほしい、とはいえない。首位打者を狙う人のシーズン最後の欠場はほぼ慣行となり、掌中のタイトルを失うリスクを冒して出続ける方が珍しい。 これは仕方がないな、と思っ 試合に出続ける勇気