ウイグル、米中の新たな火種に The Economist 1月26日 トランプ前米政権で国務長官を務めたポンペオ氏は退任間際の19日、中国政府による新疆ウイグル自治区における少数民族ウイグル族らへの弾圧を国際法上の犯罪となる「ジェノサイド(民族大量虐殺)」に認定すると発表した。バイデン新大統領が次期国務長官に指名したブリンケン氏もこれに同意すると明言している。 米国は大統領が交代する先行きを見通しづらい時期に、中国が内陸部で行っている残虐行為にどこの国よりも最も厳 ウイグル、米中の新たな火種に
中国人がコロナ統制受け入れる訳 The Economist 1月19日 中国北京市中心の西城区で1月10日、会社員の周さんは新型コロナウイルスに感染していると診断された。首都で感染者を出すなと命じられている当局者らにとっては、1人の感染者発覚といえども今後の出世にかかわりかねない一大事だった。そのため当局のその後の対応には、他国なら戦時に敵国に攻め入られた時かのような鬼気迫るものがあった。 中国では陽性と確認されると、過去10日間の行動が公表される。周さんも例外では 中国人がコロナ統制受け入れる訳
中国フィンテック 弊害多い統制強化 The Economist 1月12日 中国当局がアリババ集団傘下の金融会社アント・グループへの統制を強めている背景には、つまらない理由とれっきとした理由の両方がある。同社は昨年11月、世界最大規模の新規株式公開を計画していたが、公開まで48時間を切っていた段階で当局に待ったをかけられた。それ以降、成長著しい同社を統制しようとする動きが続いている。 つまらない理由というのは、歯にきぬ着せぬ物言いで知られる同社の創業者、馬雲(ジャック・ 中国フィンテック 弊害多い統制強化
中国でも#MeToo運動 The Economist 1月5日 中国の国営テレビ局でインターンをしていた弦子(シェンズ、インターネット上の仮名)さんがテレビ司会者、朱軍さんの楽屋を訪れたのは2014年のことだ。当時、大学の課題のために朱さんにインタビューして、情報を収集しようとした。だが、2人きりになると、弦子さんは朱さんに体を触られ、キスをされたと主張している。 弦子さんは後日、警察に届け出たが、共産党の威信にかかわるから訴えを起こすなと言われた。朱さんは 中国でも#MeToo運動
上院決選投票 バイデン政権を左右 The Economist 12月29日 新型コロナウイルスは多くのイノベーションを生んだ。米国のドライブイン方式の政治集会もその一つだ。12月5日、ジョージア州の民主党上院議員候補のジョン・オソフ氏とラファエル・ワーノック氏は成長著しいアトランタ郊外のロックデール郡で選挙集会を開いた。11月の大統領選でバイデン氏が約70%の票を得た郡だ。 ほとんどの参加者は車内で演説を聴き、拍手の代わりに熱狂的にクラクションを鳴らした。フロントガラス 上院決選投票 バイデン政権を左右
パンデミックが発した警告と希望 The Economist 12月22日 第29代米大統領ウォーレン・ハーディング氏は1920年の大統領選で「normalcy(常態)」という自身の造語を軸に選挙運動を展開した。当時は第1次世界大戦が18年に終わったばかりで、18~20年には「スペイン風邪」が大流行した。こうした悲惨な出来事を忘れ、将来に関して確実性があった黄金時代に戻りたいという米国民の思いに訴えかける戦略だった。 だが、狂騒の20年代はハーディング氏が唱えた「常態」 パンデミックが発した警告と希望
インフレ再燃、備え怠るな The Economist 12月15日 経済学者はとかく何事にも反論したがるものだが、「インフレはもう起きない」という点に関してはほぼ意見が一致しているようだ。低インフレは経済政策や金融市場に前提として織り込まれている。だからこそ世界各国の中央銀行は政策金利をゼロ近辺まで引き下げるとともに、国債を大量に購入できる。 各国政府が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な感染拡大)による大打撃から経済を救うために巨額の財政出動と借り入れに インフレ再燃、備え怠るな
デジタル通貨が問う銀行の存在意義 The Economist 12月8日 時は2035年、金融危機のさなかにあるとしよう。信用は干上がり、銀行の株価は下落の一途をたどっている。ニュースはどれも、額に汗したトレーダーたちがワイシャツの襟もとを緩めて売買する姿を報じている。 あなたは銀行のアプリにログインして、心配そうに自分の口座残高をのぞき込む。別の銀行に資金を移すこともできるが、どの銀行も安全には思えない。その時点で支店がまだ存在したとしても、人々が店舗に駆けつけて預 デジタル通貨が問う銀行の存在意義
後退する民主主義 挽回への希望 The Economist 12月1日 11月の米大統領選の投票日以降、トランプ米大統領は選挙結果を覆そうと様々な策をめぐらせてきたが、米国の民主主義がこれに屈服するような気配は全く感じられなかった。トランプ氏は同月23日「米国史上最も腐敗した選挙」との批判を再度繰り返しながらも、民主党のバイデン前副大統領への政権移行業務の開始を容認した。 トランプ氏や同氏を甘やかした共和党の指導部が米国の民主主義に打撃をもたらしたのは事実だ。共和党 後退する民主主義 挽回への希望
バイデン氏を待つ「双子」の難題 The Economist The Economist 11月24日 米国の有権者が大統領選で民主党候補のバイデン前副大統領を選んだのは、米国経済を託せる最高の人物と見込んだからではない。それでも、同氏の大統領としての成果は、経済運営の手腕によって決まるだろう。バイデン政権は来年1月、新型コロナウイルス感染拡大の猛威が収まらないなかで発足する。ワクチンが広く出回るまで、米国経済の損失はさらに著しく膨らむおそれがある。 さらに同氏は、1世代に1度の技術革新に伴う非常 バイデン氏を待つ「双子」の難題