欧州軍、侮れぬ対中圧力 「砲艦外交」で揺さぶり 秋田 浩之 Deep Insight ヨーロッパ 本社コメンテーター コラム 3月4日更新 国際ルールを乱すような行動を続ける国に対し、主要な国々がとりうる対抗策にはいくつかの段階がある。 まず記者会見や声明で非難する。効き目がなければ経済制裁を科す。さらに必要なら、軍艦派遣などで軍事的な圧力をかける。このうち3つ目の選択肢を欧州の主要国が中国に取り始めた。 中国による香港やウイグル族の人権弾圧や南シナ海などでの強硬な行動に、欧州内でも反発が広がっている。2020年10月に公表された世 欧州軍、侮れぬ対中圧力 「砲艦外交」で揺さぶり
強権国家、親中にあらず 対ミャンマーの視点 秋田 浩之 東南アジア Deep Insight 本社コメンテーター コラム 2月16日 軍事クーデターが起きたミャンマーで、抗議デモが燃え広がっている。西側諸国はこの問題をめぐって一見、矛盾する2つの目標を追求しなければならない。 まずはミャンマー国軍に圧力を強め、軍政への逆戻りを認めない姿勢を示すこと。もう一つは同国を過度に孤立させ、中国側に追いやらないことだ。 相反するようにみえるが、両立は必ずしも無理ではない。今のところ、バイデン米政権も2つの目標を同時に追求している。2月1 強権国家、親中にあらず 対ミャンマーの視点
冷える米中、試される同盟 日本「受け身」は愚策 秋田 浩之 北米 中国・台湾 Deep Insight 本社コメンテーター コラム 2月4日 中国に弱腰になってしまうのではないか。約2週間前にバイデン米政権が生まれたとき、米国内外にはこんな観測があった。 だが、米国が厳しい対中政策を緩めることはなく、米中はさらに寒い冬を迎えるだろう。 バイデン大統領や閣僚らは、すでに中国に強硬な言動を重ねている。特に目立つのが、中国が最も敏感になる台湾と人権問題だ。 まずバイデン氏は1月20日、駐米代表に相当する台湾高官を大統領就任式に招いた。197 冷える米中、試される同盟 日本「受け身」は愚策
国際協調、遠い復活 強権大国の厚い壁 バイデン政権 秋田 浩之 北米 本社コメンテーター コラム 1月23日 「バイデン政権は多国間協力を重視し、世界への関与を深めたいと思っている。だが、その通りに実行できるとは期待しないでほしい。国内の格差や分断を癒やすのに忙殺されてしまう」。米国でバイデン政権が発足する直前、同氏の側近は欧州の一部有識者らにひそかにこう伝え、理解を求めた。 世界を束ねる余力は米国にはない。そんな政権の内情を映すバイデン外交の指針が、「米国の中流層のための外交」だ。 大統領補佐官(国家 国際協調、遠い復活 強権大国の厚い壁
米国の「準内戦」、世界脅かす 極右グループ連携も 秋田 浩之 北米 Deep Insight 本社コメンテーター コラム 1月21日 バイデン新大統領の門出を迎えた米社会は、きな臭い空気に覆われている。 全米50州で武装した反政府デモが計画され、州議会や州政府が標的になりかねない。米報道によると、米連邦捜査局(FBI)は内部文書でこう警告している。 各国政府はバイデン氏がどんな外交政策を打ち出すか、情報集めに走っている。だが、その前に米社会の治安がどうなるかを分析するのが先だろう。国内の暴力が爆発したら、外交どころではなくなっ 米国の「準内戦」、世界脅かす 極右グループ連携も
疫病で深まる世界の傷口 米・中ロ、強まる緊張 秋田 浩之 北米 中国・台湾 Deep Insight 本社コメンテーター コラム 1月9日 中国の毛沢東主席は1966年、権力闘争で劣勢に立つと、大衆をあおり、政敵を攻撃させる政治運動に火をつけた。いわば大衆を巻き込んだクーデターだ。中国に未曽有の混乱をもたらした文化大革命の始まりである。 次元も国情も大きく異なるが、トランプ米大統領が米国内で引き起こしている騒動は、どこか毛沢東の手法を思い起こさせる。トランプ氏は1月6日、自分を信奉する人々をたきつけ、米議会への乱入騒ぎを引き起こした 疫病で深まる世界の傷口 米・中ロ、強まる緊張
「戦前」に向かわぬために きな臭さ増す米中対立 秋田 浩之 北米 中国・台湾 本社コメンテーター コラム 1月2日 人類はこれまで何度も戦争を繰り返してきた。多くの命を失っても十分に教訓を生かせなかったからだ。どうすれば大戦の危険を封じ込めていけるのか。いま、改めて熟考すべき局面にきている。 米国では1月20日の大統領就任式を経てバイデン政権が生まれる。側近らの言動からみて、レトリックは柔らかくなっても対中政策の強硬さは変わらないだろう。 一方の中国は7月、共産党創設100年を大々的に祝う。いや応なく大国の 「戦前」に向かわぬために きな臭さ増す米中対立
スパイ同盟、険しい道 まず「閣外協力」で 秋田 浩之 Deep Insight 本社コメンテーター コラム コラム 12月22日更新 米英などアングロサクソン系の英語圏5カ国が結束し、機密情報を共有する「ファイブ・アイズ」。日本も参加をめざすべきだという議論が起きている。 ファイブ・アイズは各国が傍受した通信やメール、電話などの情報を持ち寄り、外交や安全保障にいかす枠組みだ。スパイ同盟であり、盗聴クラブともいえる。 長年、5カ国はその存在すら認めていなかった。ところが、2020年夏以降、ジョンソン英首相、英議会のトゥーゲンハッ スパイ同盟、険しい道 まず「閣外協力」で
中国「戦狼貿易」が掘る墓穴 米英豪など対抗策も 秋田 浩之 中国・台湾 Deep Insight コラム 12月8日更新 経済の結びつきが深まれば、国と国の関係は安定し、紛争が起きづらくなる。大まかに言えば、リベラル系の国際関係論の識者は長年、こう説いてきた。 約20年前、世界貿易機関(WTO)に中国を入れたのは、そんな強い期待があってのことだ。 しかし、そうした仮説は裏切られつつある。習近平(シー・ジンピン)政権が近年、各国による対中依存を逆手にとり、外交の武器にしているためだ。 中国の立場に同調するよう求め、従 中国「戦狼貿易」が掘る墓穴 米英豪など対抗策も
菅外交、強さともろさ 問われる首相の世界観 秋田 浩之 Deep Insight 本社コメンテーター 政治 11月26日 大きな足跡を残したリーダーの後任は気の毒だ。何かと前任者と比べられ、ふつうの成果を上げても辛口の評価をされかねない。 外交において、菅義偉首相はそんな宿命にある。世界中の首脳と太い人脈を築き、国際政治を切り盛りした安倍晋三前首相を引き継ぐのは大変だ。 菅首相は今のところ、そつなく慣らし運転をしている。10月下旬にベトナムとインドネシアを歴訪し、「自由で開かれたインド太平洋」の実現を呼びかけた。 菅外交、強さともろさ 問われる首相の世界観
本社コメンテーター
外交・安全保障
外交・安全保障
長年、外交・安全保障を取材してきた。東京を拠点とし、北京とワシントンの駐在経験も。北京では鄧小平氏死去、ワシントンではイラク戦争などに遭遇した。著書に「暗流 米中日外交三国志」「乱流 米中日安全保障三国志」。
長年、外交・安全保障を取材してきた。東京を拠点とし、北京とワシントンの駐在経験も。北京では鄧小平氏死去、ワシントンではイラク戦争などに遭遇した。著書に「暗流 米中日外交三国志」「乱流 米中日安全保障三国志」。