[FT]香港で進む「再植民地化」 ジャミル・アンデリーニ FT FT commentators 11月18日 1997年7月1日未明、香港の中国への返還式典を終えたチャールズ英皇太子は、早期退役が決まっていた英国王室のヨット「ブリタニア号」で香港を後にしながら、同地の150年を超える植民地統治の後に迎えた英国の帝国としての象徴的な最期を嘆いた。「植民地化について現代においてどのような考えがあろうとも、香港はそれをどう良く行うべきかを示した顕著な模範例だった」と船上で日誌に記した。 ■英国の影響力低下鮮明に [FT]香港で進む「再植民地化」
[FT]中国利する米の中東撤退 ジャミル・アンデリーニ 中東・アフリカ 北米 FT FT commentators 9月16日 2003年の米軍イラク侵攻の米国の本当の動機は、世界第2位の確認埋蔵量を誇るイラクの石油を掌握することだったと、侵攻を批判する人たちは常に考えてきた。「イラクの自由」作戦をたくらんだ者でさえ、イラクは復興を石油収入で楽にまかない、米国に有利な形で中東情勢を書き換える従属国になると信じていた。 だが、イラク戦争の目的がもし石油と中東への影響力を得ることだったとすれば、その後の戦いに最終的に勝ったの [FT]中国利する米の中東撤退
[FT]自滅した中国コロナ外交 ジャミル・アンデリーニ FT FT commentators 4月24日 米ウィスコンシン州議会のロジャー・ロス上院議長のもとに、中国政府から一通の電子メールが届いた。中国の新型コロナウイルス感染拡大に対する取り組みを称賛する決議案を議会に提案してほしいという依頼だった。同議長は、これはいたずらに違いないと考えた。 メールには、決議の文案まで添付されていた。その内容は、中国共産党がいかに素晴らしく対応したかといった論点や信じがたい主張が羅列されており、決議にかけるには [FT]自滅した中国コロナ外交
[FT]新型肺炎「王朝」の危機 新型コロナ ジャミル・アンデリーニ 中国・台湾 FT FT commentators 2月14日 中国では古来、歴代王朝は「朝代循環」を繰り返すと考えられてきた。強力な指導者が天下を統一し、帝国として興隆し繁栄するが、やがて衰退し「天命」を失って、次の王朝に打ち倒されるというものだ。 中国の天命の概念は、王としての権利は神から授けられ、王は神のみに対して責任を負うとする欧州の「王権神授説」に似ている。しかし、天朝(中華帝国)の支配権が皇帝に無条件に与えられるわけではない点で異なる。 「天子」 [FT]新型肺炎「王朝」の危機
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アジア・エディター
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Jamil Andelini 米国人父とニュージーランド人母を持つ。ニュージーランドのビクトリア大学ウェリントン卒業。香港紙サウスチャイナ・モーニングポストの北京支局などを経て、2007年にFT北京支局特派員として入社、11年同支局長、15年にアジア地域の支局を統括するアジア・エディター就任。
Jamil Andelini 米国人父とニュージーランド人母を持つ。ニュージーランドのビクトリア大学ウェリントン卒業。香港紙サウスチャイナ・モーニングポストの北京支局などを経て、2007年にFT北京支局特派員として入社、11年同支局長、15年にアジア地域の支局を統括するアジア・エディター就任。