日銀はラーメン代から何学ぶ? 苦渋の値上げ、絞る知恵 日経ヴェリタスセレクト 西村 博之 日経ヴェリタス 値上げラッシュ コラム 編集委員 6月25日 「メシの恨みは怖い」というが、メシの値段への恨みも同じだ。なじみの店のメニュー書き換えに人々は舌打ちする。だから気が利く店主は原材料高への対応に涙ぐましい工夫をこらす。 近所の人気ラーメン店もついに値上げに動いた。800円の塩ラーメンが1100円に!だが単純な値上げでなく、3枚のチャーシューを大きくし、煮卵も加えた。「高くはなったけどリッチでしょ」というわけだ。 一方、800円のメニューも残し、 日銀はラーメン代から何学ぶ? 苦渋の値上げ、絞る知恵
プーチン追い詰めれば核使用も 米中の衝突回避に教訓 西村 博之 西村 博之 編集委員 6月23日 ロシアによる侵攻で始まったウクライナの戦闘は東部でロシア軍が攻勢を強め、包囲網を築きつつある。南部でも戦いは激しさを増す。危機の行方をハーバード大学のグレアム・アリソン教授に聞いた。(聞き手は本社コメンテーター 西村博之) ウクライナでの戦況が分かりにくいのは、戦場で弾丸やミサイルが飛び交うのと並行して激しい情報戦が展開されているからだ。各国が戦争の目的や戦況、どこで妥協するかなどを対外発信し様々 プーチン追い詰めれば核使用も 米中の衝突回避に教訓
ダボスが問う「政高経低」の解 企業はしたたかに変身を 西村 博之 ダボス会議 米中衝突 ウクライナ侵攻 Think! Deep Insight 本社コメンテーター 6月15日 5月下旬、約2年ぶりの対面開催となった世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で参加者の表情を曇らせた言葉がある。「自由は自由貿易よりも貴い」。北大西洋条約機構(NATO)のイェンス・ストルテンベルグ事務総長の発言だ。 ウクライナでのロシアの蛮行を前にした危機感の表れだろう。自由や安全保障のため自由貿易を捨てよともとれる発言は、経済より政治や地政学が重みを増す「政高経低」の世界を浮き ダボスが問う「政高経低」の解 企業はしたたかに変身を
ESGに迫る「Vの悲劇」 価値観を掲げた競争直視を 西村 博之 米中衝突 ウクライナ侵攻 Deep Insight 編集委員 ESG 5月18日 「ロシアでの接続を遮断して!」。そう訴える書簡をみた楽天グループの三木谷浩史会長兼社長はすぐ役員らと対応を協議した。 書簡はロシアによる侵攻直後の2月26日付で、送り主はウクライナのフョードロフ副首相兼デジタル転換相だ。ロシアでも人気の楽天の通信アプリ「バイバー」の遮断を求めた。事業継続には世間の支持が必要とみた同社はこう強調した。「サービスの遮断は偽情報と戦う重要な通信手段を奪う」 同時にウク ESGに迫る「Vの悲劇」 価値観を掲げた競争直視を
円安・資源高には「知の輸出」 変わる貿易構造 西村 博之 西村 博之(記者紹介) Think! 為替・金利 Deep Insight 本社コメンテーター 4月20日 東京・品川に工場を構える従業員約40人の電子装置メーカー、山下システムズの購買担当者は思わず息をのんだ。供給が滞った汎用の半導体を非正規ルートで買おうとしたら、通常の100倍超の価格の見積書が届いたのだ。 主力製品は産業機器を制御するマザーボードで、要の電子部品なしには作れない。顧客の工作機械大手からも米英の半導体メーカーに供給を依頼したが、かなわなかった。半導体メーカーも新型コロナウイルス禍に 円安・資源高には「知の輸出」 変わる貿易構造
「経済による平和」のジレンマ ロシア中銀制裁の賭け 西村 博之 西村 博之 ウクライナ侵攻 Think! Deep Insight 本社コメンテーター 編集委員 3月30日 人は古今東西、戦争を避けるため知恵を絞った。古くは政略結婚だ。勢力拡大の手段だが、これを平和裏に運ぶ策でもあった。ハプスブルク家の流儀を示す言葉は有名だ。「戦は他人に任せよ。幸いなるオーストリアよ、結婚せよ」 ロシアも西欧化を進めたピョートル大帝の時代から政略結婚に力を入れた。やがて深まった血縁関係は平和の維持に一役買った。 翻って「現代の皇帝」の異名をとるプーチン大統領は、嫁がせた親族を人質に 「経済による平和」のジレンマ ロシア中銀制裁の賭け
ウクライナ侵攻とプロパガンダ SNS時代の新たな情報戦 西村 博之 ウクライナ侵攻 Think! Global Economics Trends 編集委員 3月27日 戦争にプロパガンダはつきものだ。だが今回のロシアによるウクライナ侵攻では、ソーシャルメディア(SNS)を通じ従来にない世界規模の情報戦が展開されている。1991年の湾岸戦争はテレビゲームさながらの空爆から「ニンテンドー・ウォー」の異名をとったが、スマホ上で虚実の情報が乱れ飛ぶ今回の戦争は中国発の動画アプリの名をとって「TikTok(ティックトック)・ウォー」とも呼ばれる。偽情報をばらまき内外の世 ウクライナ侵攻とプロパガンダ SNS時代の新たな情報戦
デジタル金貨という新鉱脈 日経ヴェリタスセレクト 西村 博之 暗号資産(仮想通貨) 金 日経ヴェリタス コラム 編集委員 学ぶ 3月8日 世界的なインフレと地政学リスク。追い風が吹くなか、三井物産が金建ての暗号資産(仮想通貨)「ジパングコイン(ZPG)」を売り出した。国外でも同種の仮想通貨が人気だ。デジタルのゴールドラッシュは起きるのか。 ジパングコインは金1グラムを1ZPGで24時間取引できる。金の現物のリースで運用益を上げ、投資家の保有コストはゼロ。スマホ決済への利用も視野に入る。まさにデジタル版の金貨だ。 かつて金は通貨だっ デジタル金貨という新鉱脈
金融政策の「指針」転換点に インフレが中銀の手足縛る 西村 博之 Nikkei Views 編集委員 3月2日 金融政策の先行きを示すフォワードガイダンス(政策指針)が岐路に立っている。政策効果を高める手段として中央銀行の間で活用が広がったが、インフレが加速するなか政策の手足を縛る弊害も目立つ。指針は役割を終えたのか。 指針運用に悩む豪米中銀 2月1日に量的緩和の終了を決めたオーストラリア準備銀行(中央銀行)。物価、雇用が想定外の強さを見せるなか、ロウ総裁が緩和的な姿勢からの転換に苦労している。 翌2日 金融政策の「指針」転換点に インフレが中銀の手足縛る
経済制裁の効果どこまで ロシア抑止へ問われる「進化」 西村 博之 バイデン政権 ウクライナ情勢 Global Economics Trends 編集委員 2月20日 ロシア軍が隣国ウクライナとの国境付近に大規模な部隊を展開するなか、米国などが検討する経済制裁が注目されている。経済への打撃をちらつかせ、軍事行動を思いとどまらせる試みはこれまで失敗を繰り返してきた。今回、米国はロシアのプーチン大統領個人も対象に含め前例のない制裁を科すと言うが、どこまで抑止力を発揮するのか。中国なども目をこらしているだけに、その行方は米国の影響力を左右しかねない。 プーチン大統領 経済制裁の効果どこまで ロシア抑止へ問われる「進化」
本社コメンテーター
国際経済・金融・貿易
国際経済・金融・貿易
経済・金融政策、市場、銀行、貿易を取材。日銀キャップなどを経てニューヨーク駐在。トランプ政権の移民政策に関するルポが世界新聞・ニュース発行者協会の18年「アジア・メディア賞」特集部門で銅賞。経済部次長、英文統括エディター、編集委員兼論説委員を経て現職。近著に「リブラの野望」。
経済・金融政策、市場、銀行、貿易を取材。日銀キャップなどを経てニューヨーク駐在。トランプ政権の移民政策に関するルポが世界新聞・ニュース発行者協会の18年「アジア・メディア賞」特集部門で銅賞。経済部次長、英文統括エディター、編集委員兼論説委員を経て現職。近著に「リブラの野望」。