国民投票は「魔物」か 英国とイタリアの教訓 政治アカデメイア 憲法改正 コラム(経済・政治) 政治 12月5日 国民投票を政争や感情から切り離すのは至難の業――。衆院憲法審査会は11月30日、夏に派遣した欧州調査議員団の報告書を巡って討議した。2016年、英国で欧州連合(EU)残留を、イタリアで憲法改正を懸けた国民投票がともに否決。時の首相が退陣に追い込まれた。英伊の経験が浮き彫りにするのは、与野党が幅広い合意を探り、有権者に冷静な判断を訴えても、最後は制御しきれない国民投票の「魔物」のような厄介さだ。 ■ 国民投票は「魔物」か 英国とイタリアの教訓
ブレグジット秘録 クレイグ・オリヴァー著 批評 11月25日 ブレグジット(イギリスのEU離脱)が歴史の検証に晒(さら)される時、必ず参照される本となるだろう。首相官邸の広報官だった著者は、国民投票のあったその日から遡り、イギリスがいかにして離脱への道を歩んでいったのかの内幕を克明に綴(つづ)る。 驚くような事実が暴露されているわけではない。また、残留派である著者の記述も完全に公正とはいえないかもしれない。それでも、ゆっくりと、しかし確実に事態のコントロー ブレグジット秘録 クレイグ・オリヴァー著