ヤマハ、AIで名ピアニストの演奏再現 今月都内で 2月7日 ヤマハは20~24日、人工知能(AI)でピアニストの演奏表現を再現するイベントを都内で開く。カナダの著名なピアニスト、グレン・グールドさん(故人)の過去の演奏から学習した表現を使い、AIが自動でピアノを演奏する。 東京ミッドタウン(東京・港)で開かれるイベント「未来の学校祭」の中で、AIを使ったピアノの演奏を披露する。事前にグールドさんの演奏100時間分の中から抽出 ヤマハ、AIで名ピアニストの演奏再現 今月都内で
美しい村 前野健太 プロムナード エッセー 12月20日 ラジオ収録の帰りに、虎ノ門の喫茶店に行くのを楽しみにしている。 ラジオ局は東京タワーの麓にあり、そこから虎ノ門へ寄って新宿方面に帰るのは遠回りなのだが、店主が淹(い)れてくれるコーヒーで仕事の頭をリセットし、ぼーっとするのがとても大切な時間になっている。 私は詳しくないが、店主はグレン・グールドが好きなのか。グールドのピアノの音がスピーカーから静かに降ってくる。 その静かな時間を求めて過日、私は 美しい村 前野健太
高橋悠治のピアノ くぼたのぞみ プロムナード エッセー 10月19日 青春時代とは、どうにも青臭くて、暗くて、みっともない時期だ。でも、あのころ出会ってから半世紀近く聴きつづけている音楽がある。グレン・グールドと高橋悠治だ。 完璧主義者のグールドは、あるときからコンサートを一切やめて、スタジオ録音によるアルバム作りしかしなくなった。神に捧(ささ)げるような感じで弾くバッハには唸(うな)り声が入っていたりするが、フランス組曲にはそれがない。 第1番よりもちょっと華や 高橋悠治のピアノ くぼたのぞみ
巨匠ヒューイット 世界5都市でバッハ全曲ピアノ演奏 10月13日 カナダ出身の世界的ピアニスト、アンジェラ・ヒューイット氏が、バロック期ドイツ最大の作曲家J・S・バッハのすべての鍵盤曲を弾く連続演奏会を進めている。2016~20年に東京を含む世界5都市で各12回ずつ公演し、全作品をそれぞれ完全演奏する。バッハ演奏で現代最高の評価を受ける巨匠の集大成だ。同公演のため来日した彼女にバッハの音楽の魅力と全曲演奏の意義を聞いた。 バッハの鍵盤音楽のすべてを弾くヒューイ 巨匠ヒューイット 世界5都市でバッハ全曲ピアノ演奏
イケメンピアニスト大井健がビジュアル戦略 3月3日 ピアニストの大井健(たけし)氏が2月14日に初の映像作品を出した。自作の作曲過程や私生活のドキュメンタリーと、演奏シーンという内容。2015年のメジャーデビュー以来、テレビCMへの出演や「鍵盤の貴公子」のイメージで女性ファンを増やしてきた。演奏家にとって「ビジュアル」はどんな意味を持つか。バレンタインデーのリサイタル直前に話を聞いた。 ■バレンタインデーに押し寄せる女性ファン 2月14日のバレンタ イケメンピアニスト大井健がビジュアル戦略
チェンバロの高田泰治 バッハを年末恒例に 12月10日 J.S.バッハの鍵盤楽器のための大作「ゴルトベルク変奏曲」がベートーベンの「第九」のように年末の風物詩になる。チェンバロ奏者の高田泰治さん(39)は11月にこの曲のCDを出し、12月2日には東京で同曲の演奏会を開いた。来年以降も東京公演を年末恒例にする。ドイツでも活躍する高田さんが演奏を交えて「ゴルトベルク」の魅力を語る。 バッハの「ゴルトベルク変奏曲BWV988」は最初と最後のアリアと30の変 チェンバロの高田泰治 バッハを年末恒例に
小澤征爾(20)武満さんの傑作 小澤征爾 1月21日 武満徹さんの曲「蝕(エクリプス)」を1966年、日生劇場で初めて聴いた時は寒気がするほど感動した。琵琶と尺八が語り合い、叫び合う。日本の「間」や東洋の静けさがあった。その後、アメリカに戻った僕はレニー(レナード)・バーンスタインにいかにそれが素晴らしかったかを説いた。 レニーはその頃ニューヨーク・フィルハーモニックの創立125周年を記念し、黛敏郎さんに曲を委嘱しようとしていたらしい。だが、僕の話 小澤征爾(20)武満さんの傑作
ピアノの歴史 スチュアート・アイサコフ著 7月10日 ――ピアノというのは、越境する楽器なのだな。 この本を読みながら、思った。 楽器には、使われる音楽のジャンルがある程度まで、固定したイメージになっている。パイプオルガンといえばクラシックだろうし、サックスといえばジャズ、エレキギターといえばロックだ。 しかしピアノは、およそなんでもありなのである。さまざまなジャンルで用いられるし、この楽器が生れる以前のバロック期から現代まで、ほとんどの時代の作品 ピアノの歴史 スチュアート・アイサコフ著
あらゆる分野を統合する知の体系をつくる読書 文化庁長官 近藤誠一氏 12月23日 外務省広報文化交流部長、ユネスコ日本政府代表部特命全権大使、駐デンマーク特命全権大使などを歴任し、外務省出身としては初めて文化庁長官に就任した近藤誠一さん。外務省時代から様々な書物に触れ、海外生活を体験しながら、文化芸術の重要性を痛感していたという。 文化庁では「アーティスト・イン・レジデンス」政策を推進しています。外国の芸術家を招き、日本に滞在しながら創作活動をしてもらう制度です。日本文化の特 あらゆる分野を統合する知の体系をつくる読書 文化庁長官 近藤誠一氏
グレン・グールド 青柳いづみこ著 7月27日 私事にわたるが、私はこれまでグレン・グールドというピアニストを、きらってきた。たまさか耳にしたモーツァルトのCDで嫌気がさし、その後は聴かずぎらいをとおしている。青柳いづみこがとりあげなければ、グールド論の本など、読むこともなかったろう。 グールドは、バッハのフーガを理知的にとらえた録音で、脚光をあびた。しかし、艶のある音でショパンをうっとりひびかせる腕も、なかったわけではない。初期の音源に耳を グレン・グールド 青柳いづみこ著