エコノミストが選ぶ 経済図書ベスト10 読書 12月26日 2020年の「エコノミストが選ぶ経済図書ベスト10」の結果がまとまった。新型コロナウイルスの感染が世界中で拡大するなかで、経済格差、環境破壊や移民問題などにどう向き合うのか。経済学者が専門知を生かして制度改革や政策の優先順位を論じた著作が上位に並んだ。ポピュリズム(大衆迎合主義)の台頭を警戒するメッセージを打ち出す著作も入選した。 1位に輝いた『絶望を希望に変える経済学』の著者の2人は19年にノー エコノミストが選ぶ 経済図書ベスト10
現代経済学の形成過程描く 日経読書面今週の5冊 3月24日 毎週土曜日付の日本経済新聞の読書面で、評者の署名入り書評を掲載した本を紹介します。書評は日経電子版で読むことができます。 ◇ ◇ ◇ ポール・ローマーと経済成長の謎 デヴィッド・ウォルシュ著 >>日経電子版で書評を読む 「著名学者たちの苦闘を活写」 友だち シーグリッド・ヌーネス著 >>日経電子版で書評を読む 「 現代経済学の形成過程描く 日経読書面今週の5冊
ポール・ローマーと経済成長の謎 デヴィッド・ウォルシュ著 読書 3月21日 本書は現代経済学の形成過程をドキュメント風に見事に描いた読み物だ。原書のタイトルは「知識と諸国民の富――経済学的発見のストーリー」で、ノーベル経済学者のポール・ローマーだけを扱った著作ではない。世界的に有名な経済学者(ロバート・ルーカス、グレゴリー・マンキュー、ポール・クルーグマンら)がほとんど登場し、日本での知名度は低いものの重要な仕事をしている若手の経済学者があちこちに顔を出す。にもかかわら ポール・ローマーと経済成長の謎 デヴィッド・ウォルシュ著
ノーベル経済学賞選考は妥当か ある有力候補の悲劇 ノーベル賞 前田 裕之 前田 裕之 コラム(経済・金融) 編集委員 10月14日 2019年のノーベル経済学賞はアビジット・バナジー氏、エステール・デュフロ氏、マイケル・クレマー氏に決まった。過去の受賞者をみると、他を圧倒する研究業績を残している学者がほとんどだが、学界での前評判とは異なる結果となった年もある。18年の選定にも当初から異議を唱える声があり、長く尾を引いている。多様な学説が並び立ち、専門分化が進む中で、経済学賞の選考は一段と難しくなっているといえる。 8月27日 ノーベル経済学賞選考は妥当か ある有力候補の悲劇
最低賃金から金融危機まで ノーベル賞で学ぶ経済学 ノーベル賞 Global Economics Trends 10月13日 スウェーデン王立アカデミーは14日、ノーベル経済学賞を発表する。経済学の理論は数式が並んだ難しいものと思われがちだが、私たちの生活に身近な内容も少なくない。2019年は最低賃金や働き方改革など旬な話題への経済学の応用も有望な受賞分野とみられる。発表を前に、仕事や暮らしに結びつく経済学を紹介する。 ■環境問題にも応用進む まず近年の受賞をおさらいしてみよう。18年はポール・ローマー氏とウィリアム・ノ 最低賃金から金融危機まで ノーベル賞で学ぶ経済学
日本人がとれないノーベル経済学賞 先駆者が残した宿題 経済 6月10日 ノーベル経済学賞の有力候補とされた故宇沢弘文・東京大学名誉教授が受賞を逃し、2018年の同賞の受賞対象は宇沢氏が開拓した分野にもかかわらず、選考委員会が同氏の業績に言及しなかったのはなぜか――。こう問いかける論文が話題になっている。論文では宇沢氏の業績を改めて点検するとともに、世界に十分、情報を発信できていない日本の経済学界に「より組織的に、より戦略的にふるまう」よう求めている。 「なぜ宇沢先生 日本人がとれないノーベル経済学賞 先駆者が残した宿題
企業の国際分業網 取引先多様なほど頑強(経済教室) 経済教室 コラム(経済・金融) 2月27日 トヨタ自動車は米配車大手ウーバーテクノロジーズと自動運転技術の開発で連携している。また多くの米企業がフィリピンにコールセンターを配置する。企業は素材や部品のサプライチェーン(供給網)を通じてつながっているだけではない。設計・開発やデザイン、マーケティング、アフターサービスなど様々な業務の協働やアウトソース(外部委託)を通じても、先進国、新興国、途上国をまたいでグローバルにつながっている。 企業の国際分業網 取引先多様なほど頑強に
見えざる資産、成長の源に 有形資産の1.5倍 Neo economy 経済 2月25日 経済が進化している。産業革命以来、人類は技術を磨き、モノを効率よく大量につくることで経済を成長させた。そんな常識をデジタル技術の進歩と地球規模での普及が覆す。富の源泉はモノではなく、データや知識など形のない資産に移った。これまでの延長線から離れ、経済は新たな未来を探る。豊かさとは何か。新しい経済「ネオエコノミー」の実像を追う。 「愛車の維持に月500ユーロ(約6万円)かかるのに、コストに見合うほ 見えざる資産、成長の源に 有形資産の1.5倍
知の恩恵、グローバル化で 混沌を読む(1) 北米 12月26日 2019年はトランプ政権誕生から3年目に入る。この2年間で自由貿易体制は大きく揺らぎ、世界は不透明な時代が続いた。2年間の混沌から何を学び、何を考えなければならないのか。1回目は18年のノーベル経済学賞を受賞したポール・ローマー教授に聞く。 ――ノーベル賞受賞後の会見でグローバリズムの重要性を唱えました。 「一番の理由は(グローバリズムによってこそ)世界のどこかで発見されたアイデアが世界のあらゆ 知の恩恵、グローバル化で 混沌を読む(1)
日本が欠くローマー氏の視点(大機小機) 10月31日 2018年のノーベル経済学賞はニューヨーク大学のポール・ローマー教授が受賞する。彼の大きな功績は、技術革新(イノベーション)が持続的な成長を生み出す源泉であると示したことだ。初期時点の条件がほぼ同じでも、技術革新が生み出すほんのわずかな知識やアイデアの違いによって、その後の経済成長が大きく異なる可能性があることを、ローマー氏は明快に描き出した。 技術革新につながる研究開発は、短期的には企業の利益 日本が欠くローマー氏の視点(大機小機)