異次元債務に市場沈黙 カネ余りが促す大衆迎合 パクスなき世界 経済 10月27日 何を物差しに、政府の政策が適切かどうかを判断しますか――。 「小切手1枚では足りない」。米ニューヨークで9月、失業した若者らが所得保障を政府に求めた。米国は新型コロナウイルス対策で1人に最大1200ドル(約13万円)を配った。仮に同額を12カ月配ると、過去最大だった2020会計年度の財政赤字(330兆円)と同規模の財源が要る。 危機に救いを求める声が政府の借金を異次元の領域に押し上げる。国際通貨 異次元債務に市場沈黙 カネ余りが促す大衆迎合
自由のパラドックス 「パクスなき世界」を考える パクスなき世界 10月24日 「Pax(パクス)」――。古代ローマの人々は平和と秩序の女神をこう呼びました。20世紀は「パクス・アメリカーナ(米国による平和)」の時代だったといえます。米国が旧ソ連との冷戦に勝利し、民主主義と自由主義経済による繁栄が続くとの見方が世界に広がりました。 それから30年余り。大衆迎合主義(ポピュリズム)や強権主義が世界で勢いづき、民主主義の後退を指摘する声は珍しくなくなりました。冷戦下に自由を希求 自由のパラドックス 「パクスなき世界」を考える
民主主義脅かすポピュリズム ヤシャ・モンク氏 古川 英治 グローバルオピニオン 10月24日 欧米でポピュリズム(大衆迎合主義)が民主主義の脅威になっている。右派、左派ともにポピュリズム指導者は自らを国民の唯一の代表と見なす。反対する者を「国民の敵」「裏切り者」と切り捨てるなど、政治手法に独裁的な要素がある。民主主義体制を防衛するため、国民の危機への認識を広げ、価値観の違いを超えた幅広い層の結集を促さなければならない。 米国のトランプ大統領が就任した当初は、同国の民主主義の機関により大統 民主主義脅かすポピュリズム ヤシャ・モンク氏
「決断の欠如、ポピュリズム生む」 ヤシャ・モンク氏 パンゲアの扉 8月16日 戦後、グローバリゼーションの基盤となってきた民主主義は強権指導者の台頭などで試練に直面している。米ハーバード大講師のヤシャ・モンク氏に、その背景やグローバリゼーションの課題を聞いた。 ――世界で強権指導者が台頭している背景は。 「民主国家の市民には今の体制は機能していないとの不満が高まっていた。生活水準の伸び悩みや社会の高齢化、移民の流入などへの対策が一向に進まず、将来への悲観が広がった。交流サ 「決断の欠如、ポピュリズム生む」 ヤシャ・モンク氏
独裁vs.市場 強権が生むひずみ、逃げ出すマネー 日経ヴェリタスセレクト 7月11日 「国際通貨基金(IMF)の支援を受けるのではないか」。6月にエルドアン大統領が再選を決めたトルコ。大統領選の熱気さめやらぬなか、こんな噂が市場関係者の間を駆け巡っている。独公共放送ドイチェ・ヴェレのトルコ語電子版は6月21日、トルコへの金融支援要請に備え、IMFが危機対応グループを内々に立ち上げたと報じた。 今月9日に就任宣誓し、行政の権限を一手に握る実権型大統領制を始動させるエルドアン氏。強権 独裁vs.市場 強権が生むひずみ、逃げ出すマネー