芸術はうまく「盗んで」成長する 劇作家・野田秀樹氏 10月22日 劇作家、演出家の野田秀樹さんは長年、演劇界最前線で活躍してきた。東京大学在学中に立ち上げた劇団で若手の旗手として注目され、海外公演や歌舞伎とのコラボレーションなど、活動の幅を広げてきた。野田さんは自身を「リーダーと言うより、方向を示すダイレクター」だと分析する。そして「人のやり方をまねしたり、盗んだりすることで学んできた」と、常に成長に結びつける姿勢の大切さを語る。 (下)言い出しっぺがリーダーに 僕は方向示すダイレクター うまく「盗んで」成長する
「劇的立場」貫いた明るい虚無の人 カバーストーリー 文化往来 8月24日 19日に亡くなった山崎正和さんは劇作、演劇プロデュース、哲学、文明批評、政策提言と幅広い領域で活躍する多面体の人であった。その「知」の本領は、演劇に最もよく表れただろう。 1963年に岸田戯曲賞を受賞した代表作のひとつ「世阿彌(ぜあみ)」に、こんなせりふがある。「私は影でございます」 室町時代に能を大成した世阿弥の告白だ。絶対権力者の足利義満という「光」によって「闇」の世界から浮かび上がる影、そ 「劇的立場」貫いた明るい虚無の人
山崎正和さん 近代文明への信頼貫く カバーストーリー 8月21日 「最近の若い研究者は優秀だが、ややニッチ(隙間)に偏っている。私たちは上の世代が戦争のために少なかったこともあり、幅広い仕事ができた」。自身が理事(後に副理事長)を務めたサントリー文化財団の集まりで、山崎正和さんはそう語ったことがある。 実際、知的な作風が評価された「世阿弥」に始まる戯曲、日本文学に見られる共通の感情を読み解いた「不機嫌の時代」などの文芸批評、新しい大衆社会の到来を予見した「柔ら 山崎正和さん 近代文明への信頼貫く
山崎正和さんが死去 劇作家・評論家、86歳 8月21日更新 戯曲「世阿弥」や評論「柔らかい個人主義の誕生」で知られる劇作家・評論家で文化勲章受章者の山崎正和(やまざき・まさかず)さんが8月19日午前3時2分、悪性中皮腫のため兵庫県内の病院で死去した。86歳だった。告別式は近親者で行った。 京都市生まれ、京都大大学院修了。後に米エール大に留学。1963年、能楽の大成者を主人公とする戯曲「世阿弥」で演劇界の登竜門である岸田国士戯曲賞を受賞、気鋭の劇作家として 山崎正和さんが死去 劇作家・評論家、86歳
奈良に能楽堂、良縁実る 大阪の料亭から舞台移設 関西タイムライン 大阪 奈良 関西 3月19日 奈良県きっての神さびた神社、三輪山のふもとの大神(おおみわ)神社(桜井市)に、2019年11月、能楽堂ができた。舞台を飾る松の絵は、日本画の大家・前田青邨(せいそん)の作という折り紙つきで、かつて大阪・ミナミの料亭「南地大和屋」にあったものを移設した。能楽にゆかり深い奉納先への"良縁"が静かな注目を集めている。 能舞台は、旧境内に新築された三輪山会館内に組み込まれている。舞台を囲むように350席 奈良に能楽堂、良縁実る 大阪の料亭から舞台移設
世阿弥元清「敦盛」 神戸市須磨区(写真で見る文学周遊) 1月4日 源氏と平家がぶつかった1184年の「一の谷の戦い」。世阿弥元清の「敦盛」は、その後日談を創作した作品だ。舞台 世阿弥元清「敦盛」 神戸市須磨区(写真で見る文学周遊)
能楽師の浅見真州、源氏物語題材の「浮舟」を上演 文化往来 10月30日 観世流能楽師の浅見真州(まさくに)が11月26日、国立能楽堂(東京・渋谷)で開く自主公演で、源氏物語を題材とした「浮舟」を上演する。浅見が同作を上演するのは18年ぶり。浅見は「頻繁に上演されない『秘曲』といえる作品。源氏物語が持つ王朝絵巻風の品格を失わずに演じたい」と語る。 光源氏の次男とされる薫と、冷泉院の皇子である匂宮という、2人の貴公子からの求愛で板挟みになった浮舟を描く。前半は宇治を訪れ 能楽師の浅見真州、源氏物語題材の「浮舟」を上演
京都随一、水辺の行楽地 「鴨川デルタ」の記憶 関西タイムライン 関西 7月25日 鴨川デルタ? 生粋の京都人の中には首をかしげる人もいるが、いまやその名を知らない京都好きはいないだろう。賀茂川は京都・出町柳で高野川と合流し、鴨川と名称を変える。その合流する三角地帯が通称「鴨川デルタ」。旅行口コミサイト大手のトリップアドバイザーにも登録されている京都随一の水辺の行楽スポットは、かつては「糺(ただす)河原」と呼ばれていた。古地図を手掛かりに〈場所の記憶〉を探った。 鴨川デルタの北 京都随一、水辺の行楽地 「鴨川デルタ」の記憶
関西能楽界、若手と中堅が競演 関西タイムライン 関西 7月5日 関西能楽界の若手と中堅のシテ方が28日、湊川神社神能殿(神戸市)で競演する。「時にベテランをしのぐこともある若さの勢い、エネルギーを世阿弥は『時分の花』と表現した。中堅以上の実力派が 関西能楽界、若手と中堅が競演