平成の天皇と皇后 人間的象徴、「保守」が否定 「令和」新時代 4月12日 「どこに、おれは神ではないと宣言せねばならぬほど蹂躙(じゅうりん)された個があっただろう」 1946年11月に日本国憲法が公布されて間もないころ、作家の中野重治は小説「五勺の酒」で、この国でもっとも人権を抑圧されているのは天皇だと論じた。同じ時期、帝国議会では東京帝国大学総長の南原繁が天皇の終身制は「不自然、不合理」であり、新憲法で保障された基本的人権に反するとの論を展開した。 天皇の人権は日本 平成の天皇と皇后 人間的象徴、「保守」が否定
司馬さんの手紙を初公開 「作家になった」と自信 10月17日 作家の司馬遼太郎さん(1923~96年)が担当編集者に送った書簡1通が、町田市民文学館ことばらんど(東京都町田市)で初公開されている。40歳の頃、出版されたばかりの自作短編集に手応えを得て「作家になった、という気持がしています」などとつづっており、後に国民的作家へと飛躍することを予感させる貴重な資料だ。 書簡は64年8月6日付。新潮社の編集者だった谷田昌平さん宛てで、原稿用紙1枚に記されていた。 司馬さんの手紙を初公開 「作家になった」と自信
春秋 10月31日 作家は好きな作家をたくみに表現する。山口瞳は、中野重治の文章は自分とリズムが合うと書いて続けた。「野球の投手が、調子がよくて快いテンポで投げているときは野手は守りやすいという。それと似たような快感があった」。快感は時として倍加することがある。 ▼古本に前の持ち主の書き込みや傍線が見つかると、たいがいは「汚れちまって」とがっかりする。が、たまには我が意を得たりという「汚れ」がある。同じ箇所に心を動か 春秋