コロナの感染防止策、経済にマイナスか? 前田 裕之 新型コロナ Global Economics Trends 9月20日 出口が見えない新型コロナウイルスの脅威が世界を覆うなかで、様々な分野の研究者がコロナ関連の論文を量産している。コロナと経済の関係をテーマにした論文でも様々な意見が飛び交い、例えばロックダウン(都市封鎖)といった政策の是非を巡ってもコンセンサス(合意)を得られていない。どの論文を参考にすればよいのだろうか。学習院大学の乾友彦教授に、今後の政策を考察する際に参考にする価値の高い1本を選んでもらい、コ コロナの感染防止策、経済にマイナスか?
EBPMの経済学 大橋弘編 読書 5月2日 新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための移動制限が与える経済的損失への対処を巡る議論が盛んである。未経験の規模、スピードで広がる感染に対して、やや感情的な議論が先行しがちである。このような時にこそ、冷静な、エビデンス(証拠)に基づく政策立案が求められる。 日本ではようやく「証拠に基づく政策立案」(EBPM)の重要性が認識されてきている。しかしながら、今回の経済対策の議論でみられるように、残念 EBPMの経済学 大橋弘編
生産性はなぜ上がらないのか 前田 裕之 Global Economics Trends 12月1日 先進国だけでなく、新興国でもこの10年間は労働生産性の停滞が続いている。IT(情報技術)や人工知能(AI)が急速に普及し、生産性の向上に貢献しているはずなのに、なぜだろうか。 「コンピューターの時代と(いう言葉を)いたるところで目にするが、生産性の統計では目にしない」。ノーベル賞経済学者のロバート・ソロー氏が1987年に発表した書評の中の一文は大きな反響を呼んだ。 この一文は「情報化が進んでも生 生産性はなぜ上がらないのか
「第四次産業革命」を生き抜く クラウス・シュワブ著 批評 読書 5月18日 「第四次産業革命」は過去の産業革命と同様か、それ以上に世界の経済・社会に大きなインパクトを与えると予想される。生産者の側はマーケティングや資源配分を大きく改善させ、近年世界で停滞している生産性を飛躍的に向上させる可能性があり、消費者の側は高度にカスタマイズされた高品質な製品・サービスを期待できる。 しかしながら、所得格差の拡大、環境破壊など産業革命のマイナス面も忘れてはならない。著者は新技術がも 「第四次産業革命」を生き抜く クラウス・シュワブ著
イノベーションの条件 高度人材の活用を(経済教室) 経済教室 コラム(経済・政治) 4月23日 日本経済が直面している労働人口減少問題を乗り越えて、持続的な成長基盤を作り上げるためには、生産性を上昇させることが不可欠である。生産性の上昇を実現させるためには、より付加価値の高い製品・サービスを生み出すプロダクト・イノベーションや、従来の製品・サービスをより効率的に生産するプロセス・イノベーションの創出が求められる。その前提条件として専門的な技術や知識を習得した高度専門人材の確保とその活用が必要である。 イノベーションの条件(上) 高度専門人材の活用カギ
日本経済の歴史(1~3) 深尾京司ほか編 批評 10月21日 11世紀から21世紀にいたる日本経済の歴史を、統一したフレームワークで数量的に分析する全6巻のうち、既刊の1~3巻は中世から第1次世界大戦前までの経済発展を扱っている。各巻とも序章は「成長とマクロ経済」「政府の役割」「所得と資産の分配」の3節で構成し、それぞれの巻で取り扱う時代のマクロ経済を総括する。続く5章は「労働と人口」「金融」「農業と土地用益」「鉱工業」「商業とサービス」からなり、該当する 日本経済の歴史(1~3) 深尾京司ほか編
市場主義3.0 山田久著 7月2日 最近の経済学の潮流の一つに、経済・社会システムが経済成長に与える効果についての関心の高まりがある。専門家の間では、経済活動の新陳代謝を可能にする経済制度が持続的な経済成長をもたらすことなどが論じられている。本書はこのような経済学の潮流と整合的な「経済成長を持続するには、時代環境の変化に合わせて産業構造を転換していくことが大前提となる」という論理に基づき、日本の産業構造の転換や社会保障制度の改革な 市場主義3.0 山田久著