尖閣への安保条約適用 米に根回し 同盟強化の契機に 中国・台湾 北米 政治 9月4日 沖縄県尖閣諸島沖で2010年に起きた中国漁船と海上保安庁巡視船の衝突事件は、米国が尖閣防衛への日米安全保障条約の適用を明言する契機となった。軍備拡大を続ける中国に対抗するには米国からより明確な言質を取る必要がある。 10年9月22日、当時の前原誠司外相は米ニューヨークでキャンベル米国務次官補と話し込んだ。一部は通訳のみが立ち会う事実上の一対一の会談だった。翌日のクリントン国務長官との会談で、米側 尖閣への安保条約適用 米に根回し 同盟強化の契機に
領海警備、逮捕後の方針なく 対応後手の要因に 中国・台湾 北米 政治 9月3日 沖縄県尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突した2010年の事件で、日本は漁船船長の扱いに苦慮した。司法手続きの方針を固めないまま逮捕し、対応が後手に回った。再発防止のための海保の態勢強化も不十分なままだ。 「通常なら即逮捕の案件です」。10年9月7日、海保を所管する国土交通省に船長を「逮捕相当」とする報告が届いた。 漁船は違法操業して巡視船に体当たりしており、海保の内規に基づけば即逮捕 領海警備、逮捕後の方針なく 対応後手の要因に
中国が拒んだ早期解決案 司法管轄巡り決裂、直後に邦人拘束 中国・台湾 北米 政治 9月2日 沖縄県・尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁の船に体当たりした2010年の事件から7日で10年になる。ぶつけた側の中国が強硬な姿勢を続け、邦人の拘束までしたのはなぜか。内部資料や証言で浮かび上がる経緯は中国と付き合うための心構えを日本に示唆する。 10年9月20日午後9時、北京の釣魚台迎賓館。「極秘裏にメッセージを伝える」。当時の仙谷由人官房長官の命を受けて訪中した政府高官が中国の外交トップ、戴秉国 中国が拒んだ早期解決案 司法管轄巡り決裂、直後に邦人拘束
遠心力が迫る野党再編 政権奪取失敗の宿命 政治 7月31日 衆院議員の任期満了を1年3カ月後に控え、立憲民主党と国民民主党の合流構想が再燃した。権力への固執を求心力に変える与党と違い、遠心力が働きやすい野党は選挙のたびに離合集散を繰り返す。この四半世紀に起きた50回を超える政党の分裂・合併や党名変更の大半は野党である。 ■立民と国民、再び 立民と国民民主の合流構想はこれまで何度も協議を重ねながら決着に至っていない。今回も党名や憲法改正への路線を巡る両党の溝 遠心力が迫る野党再編 政権奪取失敗の宿命
「日本は20世紀で足踏み」 国際協力銀行総裁 西村 博之 コラム(社会・くらし) 編集委員 5月17日 1991年、ワシントン事務所へ。米国が冷戦と湾岸戦争に勝ち、1強と呼ばれたブッシュ(父)政権の時代だ。 着任すると「一休みだと思ってゆっくりしたらいい」と言われ、あぜんとしました。 皆の仕事をみると、国際通貨基金(IMF)や世銀のリポートを要約して東京にファクスするばかりで、誰も政府や議会と接触していない。昼には皆で食事に出かけます。もう誘わないでほしいと告げ、貴重な時間は人脈づくりに充てました 「日本は20世紀で足踏み」 国際協力銀行総裁
「出すぎる杭」世界を駆ける 国際協力銀行総裁 西村 博之 コラム(社会・くらし) 編集委員 5月16日 ホワイトハウスに現れたと思ったら中国政府の中枢、中南海で要人と会う。国際協力銀行(JBIC)で初の生え抜きのトップ、前田匡史総裁は神出鬼没だ。民主党政権に仕えながら安倍晋三政権でも世界に広がる人脈を頼りにされ、重要な外交行事で存在がちらつくことも多い。「出すぎる杭(くい)」と言われた異能の国際金融マンを駆り立てるのは何か――。 昨年度の海外出張は15カ国へ計116日。年の3分の1は海外にいます。 「出すぎる杭」世界を駆ける 国際協力銀行総裁
「悲運の総裁」谷垣氏の懺悔 平成危機の与野党協調 政治アカデメイア 震災9年 清水 真人 阪神大震災25年 新型コロナ 編集委員 コラム(政治) 政治 4月7日 趣味の自転車の事故で重傷を負い、首相の座に届かぬまま悲運の政界引退を余儀なくされた前自民党総裁の谷垣禎一。車椅子生活でリハビリを続ける75歳が、ご意見番の顧問として意欲的に臨む集まりがある。超党派議員有志らでつくる近現代史研究会だ。新型コロナウイルス危機のただ中、戦前の非常事態を巡って議論した3月25日。締めくくりに谷垣が語り始めたのは、平成の数々の危機に直面しての与野党協調の苦衷だった。 ■3. 「悲運の総裁」谷垣氏の懺悔 平成危機の与野党協調
密室外交、禍根残す 中国漁船衝突(平成22年) 平成Politics30 コラム(経済・金融) コラム(政治) 12月31日 菅直人首相と小沢一郎氏が民主党代表選で争っていた2010年9月上旬、危機は突然訪れた。 「おい、止まれー」。沖縄県尖閣諸島沖、7日午前10時15分ごろ。海上保安庁の巡視船が領海で中国漁船を発見した。停船させようとしたところ、漁船は巡視船の右舷に激しくぶつかってきた。 「極めて悪質だ」。海保が提供した映像をみた仙谷由人官房長官はうなった。前原誠司国土交通相は船長の逮捕を進言し、岡田克也外相も厳格な 密室外交、禍根残す 中国漁船衝突(平成22年)
仙谷氏のお別れの会開催 政治 11月30日 10月11日に死去した仙谷由人元官房長官をしのぶお別れの会が30日、都内のホテルで営まれた。立憲民主党の枝野幸男代表は「仙谷先生の弁護士として政治家として、知性あふれる力は全ての人がご存じだ。多くの人の輪の中心にいた」と語った 仙谷氏のお別れの会開催
自民、憲法審開会へ打開めざす 下村氏、幹事を辞退 憲法改正 政治 11月14日 自民党は臨時国会中の衆院憲法審査会で、憲法9条など4項目の条文案の提示をめざすが見通しは立っていない。憲法審開会にこぎつけようと野党への歩み寄りに懸命だ。野党6党派は13日、自民党憲法改正推進本部長の下村博文氏が憲法審に応じない野党を「職場放棄」と批判したことに反発。下村氏は内定していた憲法審幹事を辞退し、事態の打開を急ぐ。 野党第1党の立憲民主党はもともと憲法審の開会自体に消極姿勢だ。下村氏が 自民、憲法審開会へ打開めざす 下村氏、幹事を辞退