福川伸次(14)新日鉄設立構想 福川伸次 私の履歴書 12月15日 大平正芳通産大臣がもう一つ努力した案件が、大型合併による新日本製鉄(現・日本製鉄)の誕生である。八幡製鉄の稲山嘉寛社長、富士製鉄の永野重雄社長のこの計画に、内田忠夫氏ら当時の著名な経済学者が大反対のキャンペーンを展開した。 事務当局は「国際競争力の観点から合併を急ぐべきだ」との立場だった。大平大臣は説明を聞いて「これはぜひ推進すべきだ」と考え、公正取引委員会の山田精一委員長と直接交渉に臨むことに 福川伸次(14)新日鉄設立構想
官房長官、首相と二人三脚の「内閣の要」 菅内閣発足 政治 9月16日 「内閣の要」「首相の女房役」などと呼ばれるのが官房長官である。首相と毎日顔を合わせて二人三脚で政権運営に臨む。国会や連立与党などとの調整役を担いつつ、1日2回の記者会見もこなすため、実務能力の高さが問われるポジションだ。 歴代最長政権となった第2次政権以降の安倍内閣は菅義偉氏が一貫して官房長官を務めた。菅氏の在任日数は2016年7月、歴代1位となった。2位は森、小泉内閣の福田康夫氏、3位は吉田、 官房長官、首相と二人三脚の「内閣の要」
7奉行がいない令和 Political Num. コラム(政治) 政治 10月16日 平成のはじめ、自民党には「竹下派七奉行」と呼ばれた面々がいた。小沢一郎氏や梶山静六氏ら最大派閥・竹下派を支え、次代をうかがう幹部の総称だった。 政界では当選回数や年齢の近い議員を、七奉行のようにひとまとめにすることが多かった。「七」は黒沢明監督、三船敏郎主演の映画「七人の侍」や、これをもとにしたユル・ブリンナー主演「荒野の七人」のように、群像を表すのに適した数でもある。 「竹下派七奉行」と同じ時 7奉行がいない令和
財務相・官房長官の安定が鍵 歴代長期政権を分析 政治 9月4日 安倍晋三首相は3日、内閣改造・自民党役員人事を11日に実施すると表明した。2012年12月の第2次内閣の発足時から政権を支える麻生太郎副総理・財務相、菅義偉官房長官は留任する見通しだ。歴代の長期政権を分析すると、官房長官と財務相は在任期間が長い。2つのポストの安定が長期政権の秘訣であることがうかがえる。 首相は3日の党役員会で「安定と挑戦の強力な布陣を敷きたい」と表明した。これまで「継続性や安定 財務相・官房長官の安定が鍵 歴代長期政権を分析
官房副長官、若手有望株や「仕事師」起用 8月22日 官房副長官は首相と官房長官を補佐する役割だ。政権の中枢である首相官邸に席を置き、政治と官僚機構の手綱さばきを学ぶ。国会議員を衆参1人ずつ、官僚1人の計3人を任命する。衆院出身の政務副長官には若手の有望株を登用することが多く、戦後の歴代首相のうち、同ポストを経て首相になった人物は竹下登、森喜朗、安倍晋三各氏ら5人に上る。 官房副長官は内閣を強化する目的で、1998年に議員ポストが1枠増えた。官僚出 官房副長官、若手有望株や「仕事師」起用
総務会長、改憲でもカギ握る 8月15日 自民党総務会長は幹事長に次ぎ党三役のナンバー2に位置付けられている。総務会は最高意思決定機関で、国会に提出するすべての法案や条約、党の人事、運営方針は最終的に総務会の承認を得なければならない。 安倍晋三首相が意欲を示す憲法改正の議論でも総務会は自民党案を国会の憲法審査会へ提示するうえで重要な役割を果たす。総務会長はカギを握る存在だ。 結党時の自民党には様々な出身基盤、主張の議員がいた。意見が鋭く 総務会長、改憲でもカギ握る
伊吹文明・元衆院議長「緩みの原因は『豊かさ』にあり」 4月10日 ――自民党内での「緩み」が目立ちます。巨大与党のおごりが背景にあるのでしょうか。 「おごりというよりも、日本社会全体の豊かさの中での安心感が底辺にある。豊かさが当たり前になった結果、我慢ができない社会、緊張感がない社会になっている。政治家は国民を映す鏡だ。面白くないけど、本質的なことを理解しなくても生きていけるような時代になっていることが政治家の質にあらわれているんじゃないか」 「憲法には『国民 伊吹文明・元衆院議長「緩みの原因は『豊かさ』にあり」
危機感みなぎるトルーマン特別教書 11月1日 吉田茂首相が参院予算委員会で自衛戦力をめぐる答弁をしたほぼ半日後、ワシントンから大きなニュースが来た。トルーマン米大統領が1952年3月6日午後0時15分(日本時間7日午前2時15分)、議会に相互安全保障計画に関する特別教書を送った。 ■アジアの熱戦を強調 トルーマンはここでアジアに10億ドルの援助を表明した。同時に「新生日本がアジアにおける経済のためになしうる寄与については一言する必要がある」と 危機感みなぎるトルーマン特別教書
法制局慌てさせた「自衛戦力」答弁 10月25日 1952年3月5日、オーストラリア上院はサンフランシスコ講和条約の批准を承認した。7日に政府による公式宣言がなされることになった。時差があるので4日となるが、ワシントンではトルーマン米大統領がマックファーランド民主党上院議員に書簡を送り、上院の早期承認を要請した。 4日は火曜日であり、マックファーランド議員は「今週末か来週早々に取り上げる」と述べた。米議会での条約承認の出口が見えつつあった。 ■ 法制局慌てさせた「自衛戦力」答弁
改進党結党が招く吉田・重光対決 8月9日 安倍晋三首相の父で、1980年代に外相をつとめた安倍晋太郎氏は、宰相の座をつかみかけた場にいながら、病気のために涙をのんだ悲劇の政治家である。 外相時代、安倍は「外交は即内政、内政は即外交」としばしば語っていた。いまこの物語が扱っている1952年2月の日本を安倍は毎日新聞政治部記者として見ていた。ちなみにこの時、次男晋三はまだ生まれていない。 ■4カ月遅れた「重光総裁」 「外交は即内政、内政は即外 改進党結党が招く吉田・重光対決