教育現場、丹念に歩くと 中沢孝夫氏が選ぶ3冊 読書 12月17日 「教育改革」は20年以上進められてきたが、結果、小中高の教育現場は荒廃が深化しているようだ。もちろん評者は多数の教員は熱心に生徒と向かい合っていると見ている。 しかし約99万人の教員のうち、精神疾患の病休者が5千人を超えるとの指摘を読むと、明らかによい職場ではない。 教育に関する理想は誰でも自分の経験から「傍ら」で語れる。だが、本書が紹介する各自治体の「求める教員像」を読むと、どこにこんな聖人君 教育現場、丹念に歩くと 中沢孝夫氏が選ぶ3冊
HISTORY(6)星野佳路氏 星野家、絶えぬ革新 日経MJ 長野 信越 コラム(ビジネス) サービス・食品 9月18日 私は星野家では5代目、旅館経営者としては4代目にあたります。幼い頃、祖父が私を知り合いに紹介する時には「孫」や「佳路」ではなく「うちの4代目です」と言っていたのを覚えています。子供の頃から自分は跡継ぎなのだと意識して生きてきました。 星野家の初代である星野嘉助は軽井沢に近い長野県佐久市岩村田で、生糸業を起こして輸出で財をなしました。一時は米国にも支店を構えたそうです。 その息子の星野国次は190 HISTORY(6)星野佳路氏 星野家、絶えぬ革新
霧の彼方 須賀敦子 若松英輔著 読書 8月29日 須賀敦子をめぐっては、これまで松山巖による評伝、湯川豊による担当編集者としての読解、大竹昭子による須賀の足跡をたどる旅の記録と、深い交流のあった人びとによる哀惜と追悼の言葉が紡がれてきた。 齡(よわい)60を越えてから纏(まと)めた第一作品集『ミラノ 霧の風景』で一躍注目をあつめ、69年の生涯を終えるまでの歳月7年をどう受けとめるか。短いが稠密(ちゅうみつ)な「作家」活動期間との見方が大勢を占め 霧の彼方 須賀敦子 若松英輔著
日本人にとってエルサレムとは何か 臼杵陽著 読書 12月7日 エルサレムは三宗教の聖地であり、パレスチナ問題の核心の一つだ。在イスラエル米国大使館のエルサレム移転が世界的波紋を呼ぶ所以(ゆえん)である。とはいえキリスト者や中東に関心のある者でなければ、大方の日本人には、自分に関係のない、遠い中東の都市に過ぎないかもしれない。 だが、日本の近現代史を紐解(ひもと)けば、この街に熱い関心を寄せた知識人たちがいる。本書は、100年前に聖地を訪れた徳冨蘆花(ろか) 日本人にとってエルサレムとは何か 臼杵陽著
パナマ運河に注いだ大志 カバーストーリー 4月26日 カリブ海と太平洋を結ぶパナマ運河は、1914年に開通した世界の海運の要衝である。全長80キロメートルに及ぶこの大運河の建設に、日本人としてただ一人携わった土木技師がいた。青山士(あきら)という。 私がその名を知ったのは7年ほど前だろうか、荒川知水資料館(東京・北)に何気なく立ち寄ったときだった。そこに青山を紹介する資料が展示されていた。 過酷な難事業に挑んだその姿に感銘を受けた。旅行会社を定年退 パナマ運河に注いだ大志
よそ者が見る群馬の良さ 3月25日 今年2月、初めて赤城大沼のワカサギ釣りに行った。厚くはった氷にドリルで穴を開けて釣り糸を垂らすなど、北極でも行かないとできないと思っていたが、前橋市内でこんな体験を楽しめるのだ。もっとも「赤城のワカサギは手ごわい」といわれる通り、釣果はほとんどなかったが。 驚いたのは、はとバスに乗って大勢の団体客が来ていたことだ。ワカサギ釣りの拠点になっている大沼湖畔の青木旅館によると、はとバスのツアーは数年前 よそ者が見る群馬の良さ
偏差値38から「新女子御三家」 鴎友の変身術 10月8日 「新女子御三家」とも呼ばれる中高一貫の女子校、鴎友学園女子中学高校(東京都世田谷区)。1980年代に偏差値38にまで低迷した女子校は、東京大学など難関大学に次々合格する進学校に変身した。詰め込み型の受験教育を否定し、とにかく活発なアクティブラーニング(能動的な学習)を推進、「自己肯定」型の女性を育成する鴎友を訪ねた。 ■中1の理科は生物だけ 「わあ~グロテスク!」。小田急線の経堂駅から徒歩10分、 偏差値38から「新女子御三家」 鴎友学園の変身術
起業家が果たすべき5つの役割 コラム(ビジネス) 8月30日 「後輩起業家に何をメッセージとして贈ろうか」と考えた。時期は7月下旬、場所は世界的な起業家組織であるアントレプレナーズ・オーガニゼーション(EO)の東京支部の年次総会だった。僕は創設者として約250人の起業家を前にスピーチすることになっていた。 年齢層は20代から50代と広く、社歴も創業間近から創業30年まで様々で、企業規模も未上場から時価総額1000億円超とバラバラだ。この多様な参加者が「起業 起業家が果たすべき5つの役割
「徳」は小善の積み重ね 行いに加え気持ちが重要 コラム(ビジネス) 7月26日 「徳」って何だろうか。僕は、分からない言葉に出会うと、考えてしまう。徳とは何か、徳がある人とはどのような人なのか、それはなぜ必要なのか、どうやったら身に付くのか――。こんなことを考え始めたきっかけは、ヤマ 「徳」は小善の積み重ね 行いに加え気持ちが重要
リーダー論に通ずる陽明学、心の陶冶を学ぶ コラム(ビジネス) 1月18日 僕が最も影響を受けた思想が、陽明学と密教である。僕が密教に興味を持ったきっかけは、尊敬する起業家である斑目力昿氏(ネミック・ラムダ=現TDKラムダ=の創業者)との出会いだ。 リーダー論に通ずる陽明学、心の陶冶を学ぶ