女性像へのまなざし 近代日本を映す表情 美の十選 5月9日 近代日本の画家たちは女性をどう描いてきたのでしょうか。女性像を描いた作品について、実践女子大学教授の児島薫氏が美術史の立場から読み解きます。 女性像へのまなざし(1) 黒田清輝「婦人像(厨房)」 女性像へのまなざし(2) 原田直次郎「少女(ドイツの少女)」 女性像へのまなざし(3) 岸田劉生「支那服を着た妹照子像」 女性像へのまなざし(4) 岡 女性像へのまなざし 近代日本を映す表情
女性像へのまなざし(2) 原田直次郎「少女(ドイツの少女)」 美の十選 4月22日 艶やかな栗色の髪、少し頬に赤みのさした若々しい女性が、振り向くような姿勢でこちらを見ている。きらりと光る瞳や前髪は精緻に描写されている一方、ふわりと肩にかけた布はすばやい筆で描かれている。暗褐色の下塗り、髪やドレスの質感描写からは、画家が留学中に正統な油彩画技法を身につけたことをよく示している。 原田直次郎は1884年に渡欧。ミュンヘンの美術学校で学び、この地で森鴎外と出会う。帰国後原田は大作「 女性像へのまなざし(2) 原田直次郎「少女(ドイツの少女)」