華やかな「道行」、清治が先導(文楽評) 関西タイムライン 関西 大阪 1月22日 1月の大阪・国立文楽劇場は「鶴澤清治文化功労者顕彰記念」を謳(うた)う初春文楽公演。昨年の錦秋公演に続き3部制で行われ、文楽の三味線弾きとして初の顕彰を受けた清治は2部に出演。「道行初音旅」で慶事にふさわしい華やかな一幕を、自らが中心となって繰り広げている。もう一本は「碁太平記白石噺(ごたいへいきしらいしばなし)」。 前後にも時代物の名作古典が並んだ。1部は「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてな 華やかな「道行」、清治が先導(文楽評)
大阪で9カ月ぶり文楽 コロナ乗り越え再開 新型コロナ 大阪 関西 10月31日 人形浄瑠璃文楽の秋公演が31日、本拠地の国立文楽劇場(大阪市)で始まった。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、同劇場は1月下旬を最後に文楽公演を中止しており、大阪での開催は約9カ月ぶり。待ちわびた観客は人形遣いの手さばきや三味線の音に酔いしれた。 今公演は「源平布引滝」など1日3部構成で、各部の上演時間はいずれも2時間台。これまでは1日2部構成、各部約4時間が通例だったが、観客や出演者の滞在時 大阪で9カ月ぶり文楽 コロナ乗り越え再開
文楽、人間国宝4人一堂に 9カ月ぶり国立劇場で本公演 関西タイムライン 大阪 関西 10月30日 人形浄瑠璃文楽の本公演がおよそ9カ月ぶりに本拠地、国立文楽劇場(大阪市)に戻ってくる。通常、昼夜2部制だが、今回は3部制で実施。人気の演目が並び、第2部「新版歌祭文 野崎村の段」では人間国宝4人がそろうなど見どころをコンパクトに凝縮した公演だ。 ■「野崎村」に厚み 「メインディッシュだけ並んでいて、誰にでも楽しんでもらえると思います」。太夫最高格「切場語り」の豊竹咲太夫は話す。武士の生きざまを描く 文楽、人間国宝4人一堂に 9カ月ぶり国立劇場で本公演
杉本博司(26)曽根崎心中 杉本博司 私の履歴書 7月27日 此(こ)の世のなごり。夜もなごり。死にに行く身をたとふれば あだしが原の道の霜。一足づつに消えて行く。夢の夢こそ哀れなれ。 この件(くだり)は「曽根崎心中」道行の冒頭。七五調の名文は日本人の耳に心地よく響き、一度聞くと忘れられない。近松門左衛門によるこの代表作は、世話物といわれ、今でいう週刊誌ネタのスキャンダル速報として、元禄16年(1703年)に初演された。京都にいた近松は、大阪でのお初、徳兵 杉本博司(26)曽根崎心中
杉本博司(20)佐賀町で展覧会 杉本博司 私の履歴書 7月21日 1988年、小池一子さんから、東京で展覧会を開かないかという打診があった。小池さんは27年に建った廻米(かいまい)問屋市場のビルを改装して、現代美術のオルターナティブ・スペースである展覧会場「佐賀町エキジビット・スペース」を運営していた。もともと米の競り場だったこの空間は、天井高5メートルの大きな空間で、半ば廃虚化したような建物は風情があり、夕暮れ時には中庭をコウモリが飛び交っていた。 私はここ 杉本博司(20)佐賀町で展覧会
世界に誇る文楽、3人一体で人形躍動 地域総合 関西 1月4日 大阪発祥の伝統芸能、人形浄瑠璃文楽。人形1体を3人で遣う世界に類を見ない様式を江戸時代から約300年間守り続けてきた。全体を主導する主(おも)遣い、左手を操る左遣い、足を動かす足遣いがぴたりと息を合わせ、舞台で躍動する。人形の顔は人間以上にリアルな表情を見せる。独特の技芸はどのように磨かれ、どのように継承されてきたのだろうか。 【関連記事】・文楽の夕べ 桐竹勘十郎放談「新時代を拓く」 2019年1 世界に誇る文楽、3人一体で人形躍動
忠臣蔵、艶やかに哀れに(文楽評) 関西タイムライン 関西 8月2日 大阪・国立文楽劇場は「夏休み文楽特別公演」。3部制で、2部は4月から始まった開場35周年を記念する「仮名手本忠臣蔵」連続上演の2回目。前回は事件の発端、次回は討入(うちい)り前後を描くが、最も重要な場面は今回の五段目から七段目まで。 登場するのは、不利な条件を克服して仇討(あだうち)に加わろうと苦闘する早野勘平と寺岡平右衛門。周囲の人たちを巻き込んでドラマは展開する。 「早野勘平腹切の段」は豊竹 忠臣蔵、艶やかに哀れに(文楽評)
父の名重みと力に(桐竹勘十郎) 5月4日 著名人が両親から学んだことや思い出などを語る「それでも親子」。今回は文楽人形遣いの桐竹勘十郎さんだ。 ――15年前に「勘十郎」を襲名した。継いだのは師匠ではなく、父親(人間国宝)の名跡。文楽では異例だった。 「ある日、(吉田)簔助師匠に突然呼ばれました。『おまえ勘十郎を継げ』。ええーっという感じです。中学3年の14歳の時から芸を仕込んでくれた師匠の言葉は絶対です。これには参りました。父が亡くなり 文楽人形遣い・桐竹勘十郎さん 父の名、重圧と力に
五代目玉助が襲名披露 4月文楽公演 4月7日 人形浄瑠璃文楽の人形遣い、吉田幸助改め五代目吉田玉助さん(52)の襲名披露公演が7日、国立文楽劇場(大阪市中央区)で始まった。江戸時代から続く玉助の名跡が復活するのは、五代目の祖父の三代目が亡くなって以来53年ぶり。四代目は五代目の父、吉田玉幸さん(2007年死去)に追贈した。 襲名披露の口上では人間国宝の吉田簑助さん、吉田和生さんら12人の人形遣いが並び、「スケールの大きい立派な立役になってほ 五代目玉助が襲名披露 4月文楽公演
文楽の吉田文雀さんが現役引退 人形遣い、人間国宝 3月10日 人形浄瑠璃文楽の人形遣いで人間国宝の吉田文雀(ぶんじゃく)さん(87)が10日、高齢を理由に現役を引退すると発表した。昨年1月の公演を最後に体調不良などを理由に舞台を休演していた。 文雀さんは1945年に入門。50年に三代目吉田文五郎の弟子となり、文雀に改名した。情のある女形として知られ、94年に人間国宝に認定 文楽の吉田文雀さんが現役引退 人形遣い、人間国宝