苦難から新たな試み オリジナル・ミュージカルに力作 カバーストーリー 12月11日 表現の特性から密閉、密集、密接を避けられない舞台芸術は、コロナ禍に直撃された。劇場は3月下旬から6月までほぼ閉鎖され、再開後も苦境が続く。ぴあ総研の直近の試算で、今年のステージ市場は前年の2058億円から592億円へと3割弱まで落ち込む。 興行会社、劇場、劇団、制作会社が初めて手を結び、緊急事態舞台芸術ネットワークという組織をつくった。小劇場エイドなどさまざまな活動も生まれ、クラウドファンディン 苦難から新たな試み オリジナル・ミュージカルに力作
「劇的立場」貫いた明るい虚無の人 カバーストーリー 文化往来 8月24日 19日に亡くなった山崎正和さんは劇作、演劇プロデュース、哲学、文明批評、政策提言と幅広い領域で活躍する多面体の人であった。その「知」の本領は、演劇に最もよく表れただろう。 1963年に岸田戯曲賞を受賞した代表作のひとつ「世阿彌(ぜあみ)」に、こんなせりふがある。「私は影でございます」 室町時代に能を大成した世阿弥の告白だ。絶対権力者の足利義満という「光」によって「闇」の世界から浮かび上がる影、そ 「劇的立場」貫いた明るい虚無の人
山崎正和さん 近代文明への信頼貫く カバーストーリー 8月21日 「最近の若い研究者は優秀だが、ややニッチ(隙間)に偏っている。私たちは上の世代が戦争のために少なかったこともあり、幅広い仕事ができた」。自身が理事(後に副理事長)を務めたサントリー文化財団の集まりで、山崎正和さんはそう語ったことがある。 実際、知的な作風が評価された「世阿弥」に始まる戯曲、日本文学に見られる共通の感情を読み解いた「不機嫌の時代」などの文芸批評、新しい大衆社会の到来を予見した「柔ら 山崎正和さん 近代文明への信頼貫く
山崎正和さんが死去 劇作家・評論家、86歳 8月21日更新 戯曲「世阿弥」や評論「柔らかい個人主義の誕生」で知られる劇作家・評論家で文化勲章受章者の山崎正和(やまざき・まさかず)さんが8月19日午前3時2分、悪性中皮腫のため兵庫県内の病院で死去した。86歳だった。告別式は近親者で行った。 京都市生まれ、京都大大学院修了。後に米エール大に留学。1963年、能楽の大成者を主人公とする戯曲「世阿弥」で演劇界の登竜門である岸田国士戯曲賞を受賞、気鋭の劇作家として 山崎正和さんが死去 劇作家・評論家、86歳
経営者の冒険心が見たい ZOZO買収で感じたこと 村山 恵一 Deep Insight 本社コメンテーター 9月24日 笑いあり涙あり、カメラのフラッシュがたかれっぱなしの2時間だった。ヤフーが株式を公開買い付けし、ZOZOを傘下に収める計画についての記者会見。注目度を高めたのは、これを機にトップを退いたZOZOの創業者、前沢友作氏の存在だ。 自宅の6畳間で始めた会社は時価総額が一時1兆円に膨らんだ。現代アートの収集家で、2023年には宇宙の旅に出かける。 前沢氏がイーロン・マスク氏率いる米スペースXのロケットで 経営者の冒険心が見たい ZOZO買収で感じたこと
ウズラのずっちゃん 笹公人 プロムナード エッセー 3月20日 2年ほど前、ひょんなことからウズラを飼うことになった。卵から孵(かえ)ったヒナに「ずっちゃん」と名付け、ウサギ用の籠に住まわせた。 餌をやればなつくし、外から帰ればちょこちょことお出迎えしてくれる。ある時など、取材旅行で3日ほど実家に預けた後に引き取りに行くと、唸(うな)り声を上げて攻撃してくる。捨てられたのかと拗(す)ねていると思うと、逆に愛(いと)おしい。 人間とは勝手なもので、なつけばかわ ウズラのずっちゃん 笹公人
五百旗頭真(17)楠田研究会 五百旗頭真 私の履歴書 2月18日 「国が何をしてくれるかを問うな。むしろ君が国のために何をできるかを問え」。若いケネディ大統領の言葉に、ためらっていたライシャワー教授は覚悟を決め、大使としてハル夫人と共に東京に赴いた。 大統領は母校ハーバード大学をはじめ全米の知性を政権に集めた。政策水準と国民への発信力を高めるためである。 同じことが日本にも必要ではないか。そう考えた人がいた。サンケイ新聞記者だった楠田実氏である。 地味で特ダネ 五百旗頭真(17)楠田研究会
五百旗頭真(15)実りの時 五百旗頭真 私の履歴書 2月16日 石油危機はじめ波乱の1970年代であったが、日本は技術革新と国民の一致協力・勤勉な努力によって乗り越え、80年代の安定成長期を迎えた。 その頃、私の身にも変化が生じた。神戸大学法学部の政治学を率いる西川知一教授に、国際政治学会で旧知の初瀬龍平教授から引き合わされ、私は日本政治史の教授として迎えられた。20年ぶりに故郷の地に妻子を伴って戻れるのは嬉(うれ)しかった。37歳だった。 関西には多くの場 五百旗頭真(15)実りの時
皇居で文化勲章親授式 山崎正和さん「平成最後を実感」 11月3日 文化の日の3日、皇居・宮殿で文化勲章の親授式が開かれた。劇作家で評論家の山崎正和さん(84)、作曲家の一柳慧さん(85)、京大名誉教授で情報工学の長尾真さん(82)ら5人に天皇陛下から勲章が授与された。 受章者はほかに、陶芸家の今井政之さん(87)、東大名誉教授で租税法学の金子宏さん(87)。2019年4月の退位を控え、陛下にとっては最後の親授式となった。 金子さんが代表し 皇居で文化勲章親授式 山崎正和さん「平成最後を実感」
山崎正和氏らに文化勲章 功労者に茂木友三郎氏ら 10月26日 政府は26日、2018年度の文化勲章を、劇作・評論の山崎正和氏(84)、作曲の一柳慧氏(85)ら5人に贈ると発表した。文化功労者には文化振興(食文化)の茂木友三郎氏(83)、小説の高樹のぶ子氏(72)ら20人を選んだ。文化勲章の親授式は11月3日に皇居で、文化功労者の顕彰式は同5日に東京都内のホテルで開かれる。 ほかに文化勲章を受けるのは陶芸の今井政之氏(87)、租税法学の金子宏氏(87)、情報 山崎正和氏らに文化勲章 功労者に茂木友三郎氏ら