名医を育むオンライン診療 霞が関エックス線 大林 尚 コラム(経済・金融) 編集委員 11月18日 名医や良医と聞いて、あなたはどんな医師を思い浮かべるだろうか。 山本周五郎『赤ひげ診療譚(しんりょうたん)』の主人公のモデルとされる江戸・小石川養生所の小川笙船(しょうせん)のように、貧しい人びとを献身的に治そうとする町医者を想像するかもしれない。あるいは、手塚治虫の漫画『ブラック・ジャック』のようなゴッドハンド(神の手)をもつスーパー外科医をイメージする人もいよう。 誰だって自らが病を得たとき 名医を育むオンライン診療
若き秀吉、爽快な青春描く 縄田一男氏が選ぶ3冊 読書 4月16日 稲は宝だ――本書は木下藤吉郎が稲の海に身を横たえ乍(なが)ら、そう心で述懐するところからはじまる。この一巻は藤吉郎が秀吉と名を変え小谷城を得るまでを描いた太閤記の一席である。 が、前述の述懐に反して本書には、従来の太閤記に見られる泥臭さはなく、むしろそこにあるのは、己の居場所を求めて彷徨(ほうこう)する彼の青春の爽やかさだ。藤吉郎が他者と壁を持たぬが故に集まってくる人々――弟の小一郎をはじめとす 若き秀吉、爽快な青春描く 縄田一男氏が選ぶ3冊
「2時間ドラマの帝王」船越英一郎さんの「戦友」 カバーストーリー 12月14日 ふなこし・えいいちろう 1960年神奈川県生まれ。82年に俳優デビュー。「火災調査官・紅蓮次郎」「刑事吉永誠一」シリーズなど2時間ドラマや連続ドラマで活躍。現在はNHK「ごごナマ」やBS時代劇「赤ひげ2」に出演中。 ■毎日身につける両親の形見の宝石 両親ともに宝石が好きだった。父がもともと貴石に造詣が深く、母が影響されたようだ。それほど高価なものを集めていたわけではないが、例えば海外旅行に出るたび 「2時間ドラマの帝王」船越英一郎さんの「戦友」
人の裏表や襞を浮き彫り 縄田一男氏が選ぶ3冊 読書 11月28日 今年の伊東潤の活躍には驚かされた。B、C級戦犯の裁判を扱った『真実の航跡』、戦国ものの傑作短篇(たんぺん)集『家康謀殺』を放ったかと思えば、本書は初の人情ものである。 だが、そこは伊東潤、並の人情ものに収まっているわけがない。物語は、口減らしのため、備中の港町笠岡の「真なべ屋」に奉公に出された志鶴(しづる)がおかみの伊都(いと)らに支えられて成長していく姿を描いてゆく。但(ただ)し、時は幕末から 人の裏表や襞を浮き彫り 縄田一男氏が選ぶ3冊
第1回松喬三昧 「盗人松喬」余情豊かに(演芸評) 関西タイムライン 関西 11月1日 人には持って生まれた容貌や性分がある。それを強みにできるのも芸の内だ。剽軽(ひょうきん)なクマさんのような風貌の笑福亭松喬は盗人ネタを得意にし誰よりはまる。2年前の襲名後初の独演会「松喬三昧」(10月26日・大阪松竹座)はその盗人噺(ばなし)をあえて3席披露。ひきこんだのは悪みたいで悪じゃない男らのかわいさや優しさだった。 落語の盗人は必ず失敗する。「転宅」ではしのんだ家で女の口車にのり夫婦約束 第1回松喬三昧 「盗人松喬」余情豊かに(演芸評)
山本周五郎の未発表作発見 戦中に命惜しむ武士描く 7月4日 武士の苦衷や庶民の哀歓を描いた歴史小説作家、山本周五郎(1903~67年)が戦時中に書いた未発表短編が、4日までに見つかった。タイトルは「死處」で、命を惜しむことの大切さを武士が説く内容。識者は国民の命を顧みない風潮が強まる戦時下での、山本の違和感を示す一作だと指摘。13日刊行の講談社文庫「戦国武士道物語 死處」に収録される。 講談社によると、山本の名前の入った200字詰め原稿用紙40枚に書かれ 山本周五郎の未発表作発見 戦中に命惜しむ武士描く
阿刀田高(26)朗読 阿刀田高 私の履歴書 6月27日 妻の慶子は子育てを終えた五十代に自分にできる好みの仕事を見つけて、 ──本気でやってみたい── と考え、試行錯誤のすえ朗読をさぐり当てた。 阿刀田高(26)朗読
だめをだす 東多江子 プロムナード 1月25日 「占いで、今年は趣味をはじめた方がいい、って出たんです」 わたしの髪を切りながら、ヘアスタイリストの青年が言った。目下、何をやろうか模索中だと言う。 「あたしは、今年から朗読を始めたの」 それは、いつか自分の書いた小説や脚本を自分で読めたらいいな、という軽い動機からだ。 今月は、パンデイロのワークショップもある。パンデイロとは、一見タンバリンのような形をした、ブラジルの打楽器である。 「ヒガシさん、ど だめをだす 東多江子
エネルギーの噴出する若者が欲しい(鈴木幸一氏) 経営者ブログ コラム(ビジネス) 1月9日 年が変わり、あっという間に、仕事始めである。いまさらの話だが、インターネットの爆発的な普及が続き、いまや、ビジネスから個人の暮らしに至るまで、なくてはならないライフラインとなっている。遠隔地の音声の交換にすぎなかった通信サービスが、物理的には、ほぼ同じインフラを使いながら、実に多様なサービスを受けられるようになっている。長年、この世界にいる私には、ようやく助走段階が終わったところで、今後の展開を エネルギーの噴出する若者が欲しい