英国が抱える2つの難関 ジブラルタルとスコットランド 大林 尚 ヨーロッパ Nikkei Views コラム 12月25日 年間の輸出入額6600億ポンド、円換算で100兆円に及ばんとする最大の自由貿易協定(FTA)が、ドーバー海峡間に発効する。英国は欧州連合(EU)の単一市場と関税同盟から名実ともに離脱するが、財とサービスの取引に関税が復活する事態は避けるという点で、英国とEUは同じ方を向いていた。 英国と欧州大陸で猛威をふるう新型コロナウイルスが、交渉当事者の背中を押した面もある。最後の最後まで難航したのが英近海 英国が抱える2つの難関 ジブラルタルとスコットランド
分断救えぬ英民主政治 グローバル化なお死なず (核心) 大林 尚 核心 4月8日 ロンドンの本社欧州総局でその瞬間に居合わせたのが、きのうのことのようだ。 2016年6月24日。現地時間の朝4時半を少し回ったとき、BBCテレビが開票速報を流した。「EU(欧州連合)離脱派、勝利確実!」 ブレグジットへの号砲だ。直前の世論調査は僅差での残留派勝利を予測していた。取材を進めるうちに、いやひょっとしたら、という思いがよぎることもあったが、それが現実だと知らせるキャスターの声は幻聴のよ 分断救えぬ英民主政治
若者が動かした英選挙 核心 7月10日 東京都議選に自民党が大負けし、次の国政選挙の行方は混沌としてきた。とはいえ反安倍政権の旗を揚げれば政権与党を打ち負かせるというほど単純な戦いでもなかろう。 政界に地殻変動を起こしうる要因は何か。6月8日に投開票された英議会下院の選挙結果に、ヒントを探る。 英総選挙は目まぐるしい展開をたどった。2011年、キャメロン政権は固定議会任期法を下院で成立させ、自ら首相の解散権を縛った。現勢力の任期が満了 若者が動かした英選挙