デジタル時代の地方分権論 国と自治体の役割再考を 斉藤 徹弥 中外時評 編集委員 1月6日 2021年はデジタル政府元年になるのか。焦点の一つが、国と自治体の業務をデジタルに適した形にどう変えるかだ。この改革は中央集権を促す面がある一方、地方自治の質を高める手段にもなる。デジタル時代の地方分権論議を深めたい。 20年前のきょう1月6日、官僚主導の裁量行政を見直す「平成の統治機構改革」の一環として中央省庁が再編された。政治改革、規制緩和、地方分権といった一連の統治機構改革は、いずれも霞が デジタル時代の地方分権論 国と自治体の役割再考を
消えた大阪都構想、今後は? 「特別自治市」に関心 斉藤 徹弥 大阪都構想 編集委員 ニッキィの大疑問 11月28日 今月初めの大阪都構想を巡る住民投票は全国的に注目されたわね。結果的には反対が多数を占めたけど、何が問題になったのかな。地方自治のあり方にも影響を与えるのかしら。 大阪都構想について番田晶子さんと丸山小百合さんに斉藤徹弥編集委員が解説した。 ――そもそも大阪都構想の内容と狙いは。 政令指定都市という大都市制度が抱える問題を解決しようとしました。政令市には構造的な問題が2つあります。一つは道府県と似た仕 消えた大阪都構想、今後は? 「特別自治市」に関心
菅氏が迫る地方の構造改革 一極集中是正は「英国流」 斉藤 徹弥 中外時評 編集委員 9月16日 退任する安倍晋三首相は、2018年の自民党総裁選の折、政界引退後について党の動画番組でこう語っていた。「人生二毛作。ずっと映画監督になりたいと思っていたがプロデューサーもいい」 このとき引き合いに出された作品が英米政界の人間模様を描いた「ハウス・オブ・カード 野望の階段」。トップを支えてきた側近が権謀術数をめぐらせ、頂点に立つ政治ドラマだ。今の菅義偉氏にはこれと重なる面がある。 英国版と米国版が 菅氏が迫る地方の構造改革 一極集中是正は「英国流」
マイナンバーカード普及する? 10万円給付で再び注目 斉藤 徹弥 編集委員 ニッキィの大疑問 7月4日 最近、マイナンバーに関するニュースをよく聞くわね。そもそもどういう制度なの。注目されているワケや、なかなか普及が進まない理由はどんなところにあるのかな。 マイナンバー制度について高倉まなみさんと田嶋理香さんに、斉藤徹弥編集委員が解説した。 ――そもそもマイナンバーとは何ですか。 国内に住む人に1つ強制的に付けられる12桁の個人番号のことです。個人を識別し、行政事務を効率的に処理するための番号で、今の マイナンバーカード普及する? 10万円給付で再び注目
デジタル化「10万円」の教訓 自治体も改善努力を 斉藤 徹弥 中外時評 編集委員 6月17日 サハリンの島影を望む北海道猿払村で16日、全国1741市区町村のしんがりとして10万円の特別定額給付金が振り込まれた。「早い者勝ちは不公平」という村の方針で、住民の9割が一斉に受け取った。天然ホタテの産地で平均所得は東京都世田谷区を上回る620万円。「早くほしいとの声はなかった」という、豊かな村ならではの対応だ。 スピード給付にこだわりのない猿払村だが、オンラインでも申請を受け付けたところ10件 デジタル化「10万円」の教訓 自治体も改善努力を
地方と国、増える司法決着 地方分権一括法20年 斉藤 徹弥 中外時評 編集委員 3月4日 自治体と国を対等の関係とした地方分権一括法の施行から4月で20年。地方分権は停滞が否めないが、対等になったかどうかでみると成果と言える事象もある。法の運用や関与を巡って自治体が国と裁判で争う行政訴訟が増えてきたことだ。 ふるさと納税復帰を求め、総務省を訴えた大阪府泉佐野市。高裁は「寄付という法的枠組みを逸脱した」と退けたが、市は上告し「寄付の法的枠組みに反すれば不利益を課すルールは事前になく、法 地方と国、増える司法決着 地方分権一括法20年
「国土縮小計画」の覚悟を 2050年へ新たな国造り 斉藤 徹弥 中外時評 編集委員 10月9日 兵庫県の淡路島から船で10分ほど。ハモ漁で知られる沼島(ぬしま)に渡ると、船着き場に戦後間もない島を空撮した写真がある。小高い山の頂近くまで段々畑が広がっているのが印象的だ。周囲10キロの島に当時、3000人が住み、食糧増産のため開墾が進んでいた。 山は今、かつて畑だったとは想像できないほど青々としている。島の人口は400人あまりになった。不動産問題に詳しいオラガ総研の牧野知弘代表は「人口減少で 「国土縮小計画」の覚悟を 2050年へ新たな国造り
水害の危険度、逃げれば安全? スグ効くニュース解説 6月18日 東京都の江戸川区が、大きな水害が予想されるとき、全区民70万人に区外に避難するよう呼びかける異例のハザードマップをつくりました。住民を守る自治体の責務を放棄したとも受け取られかねない思い切った手に出たのはなぜでしょうか。 水害の危険度、逃げれば安全?
ふるさと納税が映す国依存 中外時評 5月22日 ふるさと納税が6月から新しい制度になる。返礼品競争に歯止めをかけるルールづくりに自治体側は手を出せず、国が法律で定めるに至った。国依存を強める最近の地方自治を映しているといえる。 5月いっぱいでふるさと納税から退場させられるのは、大阪府泉佐野市など4市町。静岡県小山町はギフト券を始めた町長が4月の統一地方選で落選、新町長が総務省に頭を下げたが、一発退場は変わらなかった。 地方財政法は自治体の財政 ふるさと納税が映す国依存