巨大地震「切迫」 日本・千島海溝でM9、大津波も 久保田 啓介 コラム(テクノロジー) 科学&新技術 編集委員 5月21日 東北から北海道の太平洋沖に延びる日本海溝・千島海溝でマグニチュード(M)9級の巨大地震が起きるとの想定を、内閣府の検討会が公表した。過去の津波の痕跡から推定し、巨大地震は「切迫している」とも警告した。30メートル近い大津波が予想される地域もあり、住民の避難を促し被害を減らす対策が急務だ。 「過去の津波の証拠を踏まえ最大クラスの地震を想定した。現実に起こりうると考えて備えを強めてほしい」。東京大学 巨大地震「切迫」 日本・千島海溝でM9、大津波も
震災9年、なお高い東北のリスク 「平常心の防災」を 震災9年 久保田 啓介 Nikkei Views 編集委員 3月10日 11日で東日本大震災の発生から9年。東北日本の地震活動のレベルはなおも高く、研究者は「余震を含めてマグニチュード(M)7~8級の地震はいつ起きてもおかしくない」と警戒を呼びかけている。一方で、長引いた復旧・復興による疲れや被災体験の風化などが重なり、被災地では備えの意識を持続するのが難しくなっている。リスクと向き合い、たゆまず備えるため「平常心の防災」を育みたい。 ■余震は「ロングテール」 「余震 震災9年、なお高い東北のリスク 「平常心の防災」を
地震予知は見果てぬ夢か、予知連50歳の模索 コラム(テクノロジー) 科学&新技術 5月13日 地震学の有力研究者や機関の代表が集まる地震予知連絡会(予知連)の発足から、ちょうど50年たった。1970~80年代には市民の間で地震予知への期待が膨らみ、予知連も予知の実用化をめざした。しかし、阪神大震災、東日本大震災と不意打ちの大震災が続き、期待は打ち砕かれた。いまの地震学の実力では予知は「見果てぬ夢」のようにみえる。課題はどこにあり、いずれは実現できるのか。 ■千島沖の巨大地震は切迫? 201 地震予知は見果てぬ夢か、予知連50歳の模索
巨大な滑り なぜ浅い部分で 震災5年、プレート観測始動 3月7日 東日本大震災で東日本沿岸に未曽有の大津波をもたらした大きな要因は、巨大な岩板(プレート)が、海底直下の浅いところで大きく滑ったことだった。それまで海底の深いところで起きると考えられていたプレートの滑りが、予想外に浅いところで起きたのはどうしてか。震災5年の節目を控え、その要因を探る新たな観測が動き出した。 東北大学と海洋研究開発機構などの共同チームは昨年9月、宮城県沖約200キロメートル付近で、 巨大な滑り なぜ浅い部分で 震災5年、プレート観測始動
地球で起こりうる最大の地震はM10 東北大が試算 12月14日 地球で起こる地震の最大規模は理論上「マグニチュード(M)10程度」とする研究結果を東北大地震・噴火予知研究観測センターの松沢暢教授(地震学)がまとめ、14日までに地震予知連絡会に報告した。エネルギーは、M9.0だった東日本大震災の30倍超に相当する。 松沢教授は「M10の地震が必ず起こるということではない。もし起こるとしても、1万年に1回程度ではないか」としている。これまでにM10の観測例はなく 地球で起こりうる最大の地震はM10 東北大が試算
地震学100年の東北大、巨大地震解明に挑む 12月8日 東北大学の地震・噴火予知研究観測センターが11月中旬、開所から100年の節目を迎えた。これだけの伝統があっても東日本大震災までは「東北でマグニチュード(M)9はない」と思い込み、震災後は「地震学の敗北」と打ちひしがれた。信頼を取り戻す時間が次の歴史となる。東北大の再起への取り組みに、地震学の将来を探った。 7日、三陸沖を震源とするM7.3の地震が起きた。東北沖は東日本大震災後も、地殻がゆっくりと 地震学100年の東北大、巨大地震解明に挑む
地震予知連会長に平原氏 会の方向性議論を表明 11月22日 地震予知に関する情報交換や学術的な検討を行う地震予知連絡会(予知連)は21日、島崎邦彦前会長(東京大名誉教授)の任期途中での辞任に伴い、副会長を務めていた平原和朗京都大教授を新会長に選出した。任期は残りの期間である来年3月まで。副会長には現在の松沢暢・東北大教授に加え、山岡耕春・名古屋大教授を新たに選んだ。 平原氏は「地震の予測予知が難しいのは確かだが、我々はプロとして日本で何が起きているのかを 地震予知連会長に平原氏 会の方向性議論を表明
M7以上の余震発生の確率15% 気象庁、今後1カ月間で 11月18日 気象庁は18日、地震予知連絡会後の記者会見で、東日本大震災の余震域で今後1カ月以内にマグニチュード(M)7.0以上の余震が起きる確率は15.1%との試算を公表した。余震の数は減っているがM7以上が発生する恐れはなお続く。 政府の地震調査委員会が地震の確率予測に使う数式を使用。M5以上の余震の発生数 M7以上の余震発生の確率15% 気象庁、今後1カ月間で
大震災「想定できず反省」 日本地震学会出直し宣言 10月15日 日本の地震学者2000人以上が参加する日本地震学会は15日、東日本大震災後に初めて開いた全国大会(静岡市)で、東北での巨大地震を想定できず反省するとの異例の見解を表明した。会長を務める平原和朗京都大教授は「きょうが始まり」と述べ、出直しを宣言。同学会震災対応責任者の鷺谷威名古屋大教授は「想定外の震災に負い目を感じる。地震学や学者の姿勢に問題がなかったか問い直す」と語った。 今後、海溝付近の地殻変 大震災「想定できず反省」 日本地震学会出直し宣言