小沢信男氏が死去 作家 3月7日 小沢 信男氏(おざわ・のぶお=作家)3月3日、CO2ナルコーシスのため死去、93歳。告別式は近親者で行った。喪主は妻、三重子さん。 日本大芸術学部在学中に花田清輝に作品を認められ、戦後の民主主義文 小沢信男氏が死去 作家
「人間そのものを置き去りにするな」 茂木健一郎氏 10月28日 人工知能が変える社会その未来にヒューマニティーはあるか ――脳科学者の茂木健一郎さんの最新刊は『クオリアと人工意識』。急速に進化する人工知能の可能性と限界、科学技術の発展と人類の未来について、自身の研究テーマである人間の「意識」を中心に多様な観点から考察を重ねた大作です。 僕が人間の脳に興味を持ったのは、物理学を学んでいた大学院生時代、人工知能の限界を説いたロジャー・ペンローズという英国の数理物理 「人間そのものを置き去りにするな」 茂木健一郎氏
井波律子氏、人物通じて中国文学の魅力伝える 文化往来 6月3日 5月13日に76歳で亡くなった中国文学者の井波律子氏は、「中国の五大小説」など多数の著書を通じて、古典を中心に中国文学の面白さを紹介した。中でも「三国志演義」「西遊記」「水滸伝」「金瓶梅」「紅楼夢」という「五大小説」に登場するアンチヒーローを取り上げた「トリックスター群像」(桑原武夫学芸賞)や56人の波瀾(はらん)万丈の人生を紹介した「奇人と異才の中国史」に見られるように、多彩な人物の魅力を現代 井波律子氏、人物通じて中国文学の魅力伝える
後藤正治さん 日本ラグビー、戦術で世界を驚かそう 7月9日 アジア初のラグビーワールドカップ(W杯)が9月20日~11月2日に日本で開かれる。著名人に自分自身が思うラグビーの魅力を聞くインタビュー企画「W杯だ!ラグビーを語ろう」第10回では、『ラグビーロマン』などの著作があるノンフィクション作家、後藤正治(ごとう・まさはる)さん(72)に日本ラグビーが歩んだ道にふれてもらう。 後藤さんはファンとしてラグビーを長く愛してきた。『ラグビーロマン』は同志社大学や 日本ラグビー、戦術で世界驚かそう 観戦の余韻に喜び
加藤典洋さんが死去、文芸評論家 5月20日 「敗戦後論」や「戦後的思考」などの著作で戦後日本の本質を問い続けた文芸評論家の加藤典洋(かとう・のりひろ)さんが5月16日、肺炎のため東京都内の病院で死去した。71歳だった。告別式は近親者で行った。喪主は妻、厚子さん。 山形県出身。東京大文学部卒業後、1985年に評論集「アメリカの影」でデビューした。95年の論文「敗戦後論」で、日本の戦没者と向き合うことから 加藤典洋さんが死去、文芸評論家
蔵書のゆくえ その1 甲南大学教授 田中貴子 あすへの話題 9月18日 本棚を眺めていて、自分が死んだらこれらはどうなるのかと考えたことは一度や二度ではない。おそらく、大量の書籍や資料を所有する人なら誰でもその経験はあるだろう。稀覯書(きこうしょ)の類はないものの、私の血や肉を作り上げてきた材料が詰まっているからだ。フランス文学者である桑原武夫の蔵書が遺族に無断で寄贈先の図書館に廃棄されたという「事件」は、その意味で痛恨事だった(日経新聞2017年4月28日夕刊)。 蔵書のゆくえ その1 甲南大学教授 田中貴子
忘却された「国民融和日」 京都大学教授 佐藤卓己 あすへの話題 3月14日 ホワイトデーである。バレンタインデーの返礼日として東アジアにも広まっているが、昭和戦後期の日本で成立した風習だ。 だが、「明治150年」の今年、いまでは忘れられた昭和戦前期の「国民融和日」のことを思い出してみたい。明治元(1868)年3月14日(新暦4月6日)、五箇条の御誓文が示された。第四条「旧来ノ陋習(ろうしゅう)ヲ破リ天地ノ公道ニ基クヘシ」に、身分差別撤廃の理念を読み取ることは可能である。 忘却された「国民融和日」 京都大学教授 佐藤卓己
石毛直道(8)今西研究会 石毛直道 私の履歴書 11月8日 戦後間もなく「世界文化に関する総合研究機関」として設立された京都大人文科学研究所は分野をまたがる学際研究の場として知られていた。東洋史学の貝塚茂樹氏、フランス文学の桑原武夫氏らが所長を務め、歴史や哲学、人類学などでユニークな業績を上げた人材が集まっていた。 探検部顧問で生態学者の今西錦司さんは私の学生時代は人文研の社会人類学分野の教授だった。探検の相談でしばしば訪問していたが、35歳も年上で、当 石毛直道(8)今西研究会
もっと関西 サルの文化 オモロく研究 京大名誉教授 河合雅雄さん(私のかんさい) 7月6日 ■「関西はオモロいことを試したがる進取の気性がある」。そう語る河合雅雄さん(93)は、京都大学研究が誇る学術的系譜・霊長類学の草分けの一人だ。世界的な成果を挙げたユニークな調査は、サル集団のメンバー個々に名前を付けることから始まった。 「アカキンのやつ、失敗しよって」「カミナリも冷たいやっちゃ」 まずサル集団の顔つきを一つ一つ覚えて名前を付ける。すると個体が識別でき、個々の行動パターンが見えてく もっと関西 サルの文化 オモロく研究 京大名誉教授 河合雅雄さん(私のかんさい)
故桑原武夫氏の蔵書1万冊を誤廃棄 京都市の図書館 4月28日 京都市教育委員会は28日までに、文化勲章受章者で京都大名誉教授だった文学者の故桑原武夫氏の遺族が寄贈した蔵書約1万冊を2015年に誤って廃棄していたと発表した。蔵書の管理を担当していた元右京中央図書館副館長の女性職員(57)を減給10分の1(6カ月)の懲戒処分とした。 市教委によると、蔵書はフランスや中国、日本の文学・芸術に関する文献など約1万400冊。桑原氏が亡くなった1988年、市に寄贈され 故桑原武夫氏の蔵書1万冊を誤廃棄 京都市の図書館