高樹のぶ子さんらに毎日芸術賞 1月1日 第62回毎日芸術賞(毎日新聞社主催)は31日までに、「小説伊勢物語 業平」を執筆した作家の高樹のぶ子さんら6人に決まった。贈呈式は2月2日、東京都文京区のホテル椿山荘東京で。 他の受賞 高樹のぶ子さんらに毎日芸術賞
痛みや生、繊細に描く 回顧2020 短歌 読書 12月26日 (1)如何なる花束にも無き花を 水原紫苑著(本阿弥書店・2700円)(2)Lilith(リリス) 川野芽生著(書肆侃侃房・2000円)(3)玄牝(げんぴん) 高木佳子著(砂子屋書房・3000円) 戦後75年であった今年、戦後短歌を牽引(けんいん)してきた岡井隆が亡くなった。多様な方法を試み短歌の可能性を求め続けた岡井像は、様々な価値観や方法を生んできた戦後短歌そのものの歩みとも重なる。 今年、若手 痛みや生、繊細に描く 回顧2020 短歌
現実を挑発する文語 意味や立ち位置を問う 回顧2017 短歌 批評 12月30日 SNSによる短い言葉、断片的な呟(つぶや)きによって世界が揺れる今日。そのような言葉が満ちる世界で短詩型文学の意味はどこにあるだろう。 (1)えぴすとれー 水原紫苑著(本阿弥書店・3000円)(2)人魚 染野太朗著(KADOKAWA・2600円)(3)時祷集 三枝浩樹著(KADOKAWA・3000円) 今年も引き続き論点となった口語と文語を巡る問題には、スタイルの違い以上に、今日の短歌の意味や立ち 現実を挑発する文語 意味や立ち位置を問う 回顧2017 短歌
日本の恋の歌 馬場あき子著 5月21日 現代を代表する歌人が、平安朝から南北朝までの恋の歌を語り尽くす、この上ない魅惑に満ちた本である。歌と共に場面を描き出す巧みな語りは、時として、著者こそその場の歌人ではなかったのかとさえ思わせる。 「貴公子たちの恋」「恋する黒髪」と2巻に分かれて質量共にたっぷりだが、息つくひまもなく読んでしまった。 いにしえの高貴な男女が、恋を芸術にまで磨き上げた洗練のきわみに圧倒される。そこには必ず歌がなくては 日本の恋の歌 馬場あき子著
詩心二千年 高橋睦郎著 3月14日 日本の詩歌の心とは何か。 現代を代表する詩人が、それは〈恋情〉であると言う。 遠い昔、ユーラシア大陸から切り離された、日本列島と呼ばれる列島弧は、母胎の大陸を恋い慕い、列島の住人たちも同じ心を持った。 まず、この雄大かつチャーミングな発想が詩人にふさわしい。言われると、私たちひとりひとりの中にも、失われた母胎への〈恋情〉が深くひそんでいるようだ。 〈恋情〉は、大陸から詩歌を招き寄せる。すなわち、 詩心二千年 高橋睦郎著