自民執行部に権限集中 「無派閥首相」が象徴 政治 1月15日 「まさか無派閥で総裁になれるとは」。2020年9月、自民党総裁に選出直後の菅義偉首相の弁である。異例の無派閥の首相を選出した総裁選は小選挙区制で変わった党内力学を映す。派閥は力を失い、執行部優位は揺るぎない。 「外食産業の事情を聴きたい」。9日、首相は公邸ですしチェーン「すしざんまい」運営会社の木村清社長と会い、緊急事態宣言で営業時間短縮を求めた飲食店の様子を聞いた。連休明け、取引先に最大40万 自民執行部に権限集中 「無派閥首相」が象徴
ロッキード疑獄 春名幹男著 読書 1月9日 ロッキード事件とは何だったのか。今日、それに明快に答えられる人は少ないだろう。 その一因は、時間の経過にある。米ロッキード社製の旅客機購入をめぐり、同社が田中角栄ら日本の政治家に対して、航空会社への働きかけを行うよう商社経由で巨額の金を渡した贈収賄事件、というのが最も単純な説明である。だが、今やそれも忘れられつつある。贈収賄は1970年代前半、田中らの逮捕や起訴は70年代後半で、40年以上も前の ロッキード疑獄 春名幹男著
福川伸次(14)新日鉄設立構想 福川伸次 私の履歴書 12月15日 大平正芳通産大臣がもう一つ努力した案件が、大型合併による新日本製鉄(現・日本製鉄)の誕生である。八幡製鉄の稲山嘉寛社長、富士製鉄の永野重雄社長のこの計画に、内田忠夫氏ら当時の著名な経済学者が大反対のキャンペーンを展開した。 事務当局は「国際競争力の観点から合併を急ぐべきだ」との立場だった。大平大臣は説明を聞いて「これはぜひ推進すべきだ」と考え、公正取引委員会の山田精一委員長と直接交渉に臨むことに 福川伸次(14)新日鉄設立構想
福川伸次(13)日米繊維交渉 福川伸次 私の履歴書 12月13日 大きな問題が起こった。日米繊維紛争である。1969年1月に米大統領に就任したニクソン氏は、南部の繊維関係者に支持を広げるため「日本からの繊維輸入を抑制する」と公約していた。 同年5月にモーリス・スタンズ商務長官が来日し、日本の合成繊維と毛製品の輸出自主規制を要請してきた。 大平大臣は「この問題は関税貿易一般協定(GATT)の体制で処理すべきだ。米市場でどれだけの被害が生じているか論証してほしい」 福川伸次(13)日米繊維交渉
政界は群雄割拠の戦国時代へ 日本の論点2021 菅内閣発足 大石 格 12月12日 新型コロナウイルスの感染拡大で2021年は非常に不透明感が強い。日本の経済・政治はどう変化するのか。世界情勢の行方は。日本経済新聞の編集委員、コメンテーターらの見通しを、このほど出版した『これからの日本の論点2021 日経大予測』(日本経済新聞出版)から紹介する。 7年8カ月続いた安倍政権が終わり、日本の政治は新局面を迎えた。長期政権のもとで、政界の顔ぶれは与野党とも長らく入れ替わりが少なかったが 政界は群雄割拠の戦国時代へ 日本の論点2021
医療費、遠い世代格差解消 75歳以上負担増も効果薄く Think! 経済 医療・健康 12月11日更新 政府・与党は75歳以上の医療費窓口負担を1割から2割に上げる対象を年収200万円以上にする方針を決めた。2022年度後半から導入する。01年に1割負担の仕組みを設けて以来の改革で現役世代の負担軽減へ一歩踏み出す。ただ20年度で7兆円に迫る現役世代の負担額の抑制効果は880億円にとどまる。世代間の給付と負担のバランスの見直しはなお途上だ。 近く政府の全世代型社会保障検討会議がまとめる最終報告に盛り 医療費、遠い世代格差解消 75歳以上負担増も効果薄く
菅首相の秋田弁が聞きたい 語りの味はリーダーの条件 12月9日 菅義偉首相は記者会見や演説が好きではないようだ。苦手意識があるのだろう。安倍晋三前首相に比べて、格段に「自前の言葉」が少ない。しかし、菅首相には前任者とは異なる「強み」がある。秋田県出身だという点だ。 菅首相は秋田県出身者としては初の首相となった。東北生まれは全体でも5人目だという。つまり、レア感が高い。前政権からの「継承」というイメージが強いだけに、違いを際立たせるには、うってつけのテーマだろ 菅首相の秋田弁が聞きたい 語りの味はリーダーの条件
人との縁つなぐ田中角栄の凄み 元秘書官小長氏の証言 11月12日 田中角栄の通産大臣、首相時代(1971~74年)に秘書官を務めたことで知られる通産官僚、小長啓一氏。「官僚とはパブリック・サーバント(国への奉仕者)」を自負、角栄氏とともに過ごした小長さんの半生をまとめた『小長啓一の「フロンティアに挑戦」』(村田博文著、財界研究所)が刊行された。角栄氏とのふれ合いを通して送ろうとしたメッセージは何だったのか。小長氏に聞いた。 ◇ ◇ ◇ ■亡くなった後もつな 人との縁つなぐ田中角栄の凄み 元秘書官小長氏の証言
トランプ流しゃべりはどこがすごい 巻き込み力の秘密 11月11日 米大統領選がようやくジョー・バイデン氏の勝利で決着しそうだが、ドナルド・トランプ米大統領とバイデン氏は政策だけではなく、演説のしゃべり方も好対照だ。そもそもどうしてトランプ氏が大統領になれたのかを振り返って考えると、彼の「しゃべり」の効果は小さくなかった気がする。トランプ氏の退場が現実となりそうなことを受けて、トランプ流のしゃべりテクニックを振り返ってみたい。 トランプ流をつかむには、オバマ前大 トランプ流しゃべりはどこがすごい 巻き込み力の秘密
ねじれぬ国会、参院の岐路 薄れる与野党調整の役割 政治 11月6日 衆参両院の多数派が異なる「ねじれ国会」が2013年に解消されて7年がたつ。参院の法案審議で与野党が調整する役割が薄れ、衆院との違いが分かりにくくなった。かつて「ドン」と呼ばれた衆目が一致する実力者も今は見当たらない。転換期を迎える参院の歴史と行方を展望する。 9月、埼玉県の病院で村上正邦氏が88歳で亡くなった。1990年代後半に自民党の参院幹事長や議員会長を務め「法皇」の異名を持った。自民党が過 ねじれぬ国会、参院の岐路 薄れる与野党調整の役割