カタール、LNGの3兆円増産に勝算はあるか 松尾 博文 Think! 編集委員 中東・アフリカ Nikkei Views 環境エネ・素材 3月2日 中東産油国のカタールが液化天然ガス(LNG)の生産量を4割引き上げることを正式に決めた。287億ドル(約3兆円)を投じる増産には、圧倒的な競争力をテコにLNG大国の地位を盤石なものにする戦略がある。脱炭素が加速する中での巨額投資は世界的な需給の構図を変える可能性も秘める。 斬新な高層ビルが林立する首都ドーハでも、カタール国営石油会社(QP)の本社はひときわ目を引く。2月8日、その上層階で開かれた カタール、LNGの3兆円増産に勝算はあるか
「LNGパニック」、寒波以外に4つの理由 志田 富雄 編集委員 Nikkei Views 商品 1月20日 記録的な寒波が電力需要を急拡大させた。火力発電の燃料に使う液化天然ガス(LNG)が不足する事態となり、スポット(当用買い)取引価格は過去最高値まで高騰した。長期契約が中心の日本でなぜ必要なLNGの確保が難しくなり、価格がここまで高騰したのか。厳冬以外に4つの要因が複合的に影響している。 日本のLNG調達は長期契約が多く、スポット市場で買い付ける量は2019年で全体の1割強にすぎない。LNG輸入国 「LNGパニック」、寒波以外に4つの理由
LNG不足のなぜ 生産・物流混乱が壁 電力需給逼迫で 日経産業新聞 コラム 環境エネ・素材 1月13日 日本列島を襲った寒波の影響で全国で暖房の利用が増え、電力需給が逼迫している。要因のひとつとなっているのは、発電燃料となる液化天然ガス(LNG)の在庫不足だ。想定外の寒波に加え、パナマ運河の渋滞問題などLNGの国際的な物流網に遅れが出ている。複合的な要因が重なり、LNGの不足につながった。発電電力量の約4割をLNG火力に頼る日本に及ぼす影響の大きさが顕在化した。 日本を含め、中韓や台湾などでも厳冬 LNG不足のなぜ 生産・物流混乱が壁 電力需給逼迫で
バイデン政権誕生は米シェール革命の終わりか 米大統領選 松尾 博文 環境エネ・素材 北米 Nikkei Views 編集委員 11月13日 米大統領選挙で環境・エネルギー政策のグリーン化を掲げるバイデン前副大統領の当選が確実になった。米国は石油・天然ガスの最大の生産・消費国だが、バイデン政権の誕生で関連産業に向かい風は強まるだろう。米国を起点に世界のエネルギー秩序を一変させたシェール革命もこれで終わるのだろうか。 バイデン氏は選挙で2035年までに発電部門の温暖化ガス排出を、50年までにすべての排出を実質ゼロにする公約を掲げた。その バイデン政権誕生は米シェール革命の終わりか
LNG1億トン超え、増産急ぐカタールの勝算 松尾 博文 新型コロナ 環境エネ・素材 中東・アフリカ Nikkei Views 6月29日 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、液化天然ガス(LNG)プロジェクトの先送りが相次ぐなか、カタールが大増産への姿勢を崩さない。サウジアラビアなどとの断交から3年、関係改善の糸口も見えない逆境下で、生産能力を1億トン超へ引き上げる強気に勝算はあるのか。 カタール国営石油会社、カタール・ペトロリアム(QP)は1日、韓国の造船会社3社に総額2兆円規模のLNG輸送船を発注する初期契約を交わした。最大 LNG1億トン超え、増産急ぐカタールの勝算
エネルギー価格低迷の複合危機 LNGや太陽光も 松尾 博文 新型コロナ 環境エネ・素材 Nikkei Views 編集委員 5月28日 新型コロナウイルスの感染拡大がもたらしたエネルギー市場の変調は、原油価格の暴落にとどまらない。液化天然ガス(LNG)や国内の電力取引にも急落の波が及んできた。長引く供給過剰が招く価格安の連鎖は、エネルギーの供給構造を複合的に揺さぶる。 米原油市場で4月に事実上、買い手がつかないマイナス価格に陥った原油先物は、経済活動再開の動きを受けて落ち着きを取り戻しつつある。しかし、世界需要の2~3割にあたる エネルギー価格低迷の複合危機 LNGや太陽光も
船も「脱石油」そろり始動 LNG燃料に商機 環境エネ・素材 サービス・食品 2月15日 船の燃料が「脱石油」に動き始めた。国際海事機関(IMO)は2030年に1隻あたりの船の二酸化炭素(CO2)排出量を4割削減する目標を掲げる。海運会社や石油会社などがCO2排出量の少ない液化天然ガス(LNG)を燃料とする船を投入し、金融機関もこの流れを後押しする。一方、50年には一段の削減が必要で、欧州連合(EU)の規制も波乱要因だ。 九州電力は石炭運搬船では世界初のLNGを燃料とする船を23年か 船も「脱石油」そろり始動 LNG燃料に商機