唐池恒二 私の履歴書(14)船舶事業部 唐池恒二 私の履歴書 3月15日 九州はアジアに近い。まず隣の韓国と交流しよう。そう考えたJR九州の初代社長、石井幸孝さんは博多港と釜山港を船で結ぶと決めた。当時としてはとんでもない夢だ。大型フェリーでも欠航が多い玄界灘の荒海に小さな高速船を走らせたいという。 1989年の2月頃、本社の廊下で社長に呼び止められた。観光列車拡大のため海外視察から戻ったばかりの私は時差ボケ状態。「唐池君、今どんな仕事をしているの」。私の座右の銘は" 唐池恒二 私の履歴書(14)船舶事業部
唐池恒二 私の履歴書(10)武者修行 唐池恒二 私の履歴書 3月10日 JR九州が国鉄から引き継いだ車両は関東や関西からのお下がりばかり。ほとんどが赤字ローカル線で高速道路網やバスにも負け、鉄道収入1069億円に対し営業赤字は288億円と惨憺(さんたん)たる状況でのスタートだった。鉄道以外の事業収入もまだ低かった。国が用意した「経営安定基金」3877億円の運用益で補塡する枠組みだが、結果的にその運用益も急激な金利低下で年々減っていった。 都市部の運行ダイヤも福岡県な 唐池恒二 私の履歴書(10)武者修行
唐池恒二 私の履歴書(9)JR九州発足 唐池恒二 私の履歴書 3月9日 1987年4月1日、JR九州が発足した。直前数カ月間があまりにも過酷で感慨を覚える余裕はない。私は国鉄末期の人員整理や合理化といった生々しい人事の仕事から離れ、総務部の勤労課副長として福利厚生を担当することになった。一般の会社なら厚生課長にあたる職だ。 人員整理や異動といった労務担当に比べれば穏やかな仕事だ。福利厚生チームは約20人。おとなしく控えめな人が多い印象を受けた。 私は静かに過ごすつも 唐池恒二 私の履歴書(9)JR九州発足
唐池恒二 私の履歴書(8)民営化前夜 唐池恒二 私の履歴書 3月8日 大分鉄道管理局で人事課長を2年務めた後、福岡県門司の九州総局に移った。九州全体を管轄する組織で、まず営業部旅客課の課長に就いた。割引切符や広告宣伝、観光キャンペーンなどを手がける部署だ。ここでも現場主義と直接対面主義を貫いた。 お客様からクレームが届くと、すぐに足を運ぶ。平戸に住む方が何かの件で怒っていたときは、鉄道で4時間かけて会いに行き5分で打ち解けた。こういうときは電話では駄目。いつまでも 唐池恒二 私の履歴書(8)民営化前夜
鉄道150年、未来への課題 大学 コラム 11月21日 近代国家建設を後押しし戦後復興を支えた日本の鉄道は開業150周年を迎え、新幹線はさらに延伸を続けている。だが、人口減少による経営悪化やローカル線対策などの問題はより深刻化してきた。現代につながる鉄道の歴史と未来について考えてみよう。 人口減で採算悪化続く JR九州の初代社長として関連事業の拡大を進め、株式上場への道筋をつけた石井幸孝氏の『国鉄―「日本最大の企業」の栄光と崩壊』は、新幹線という最高 鉄道150年、未来への課題
JR7社体制、再構築の時期 石井幸孝氏 私見卓見 10月6日 我が国の鉄道が開業150周年を迎える今年は、国鉄改革でJRグループが誕生してから35年という節目でもある。当時の「分割民営化」は赤字に陥った国鉄の大手術としては正しかったが、その後JR北海道は窮地に陥り、JR貨物も有効活用されているとは言えない。JR7社がバラバラでいいのか、という議論も必要だろう。 あらゆる組織は変わっていかねばならない。国鉄が存続したのは38年間。JRも再構築の時期を迎えてい JR7社体制、再構築の時期 石井幸孝氏
JR九州社長に古宮氏「新しい会社に進化」 サービス・食品 福岡 九州・沖縄 3月1日 JR九州は1日、古宮洋二取締役専務執行役員(59)が4月1日付で社長に昇格する人事を正式発表した。青柳俊彦社長(68)は代表権のある会長、唐池恒二会長(68)は取締役相談役に就く。2代続けて鉄道畑出身の社長となる。新型コロナウイルス禍で揺らぐ経営の立て直しを急ぐ。 「コロナ禍で2年立ち止まったが、今こそ環境に合った、新しい会社に進化しないといけない。全社員で乗り切っていく」。古宮氏は同日、福岡市 JR九州社長に古宮氏「新しい会社に進化」
観光列車の歴史変えた 「ななつ星」のデザイナー The STYLE My Story 2月28日 鉄道ファンならこの名前を知らない人はいない。デザイナー、水戸岡鋭治さんはJR九州の「ななつ星in九州」などを手掛け、日本の観光列車の歴史を変えた。乗る人が喜び、笑い、感動する。根っこにあるのは幼少期、1枚の絵に感じた衝撃だった。 あだ名は「鈍治(どんじ)」だった。親からもらった「鋭治」という名とは裏腹に、のんびりしていて不器用な子どもだったそうだ。「ほとんど人前でしゃべれず、教科書を読まされると 観光列車の歴史変えた 「ななつ星」のデザイナー
国鉄民営化、再設計の時(時流地流) コラム(地域) 12月24日 ◆札幌支社から東京に出張する際、旅行サイトを検索していると、最初に推奨されたのはJR九州が運営するホテルだった。実際に宿泊すると快適で料金は相場より安く、また宿泊したいと思った。激戦区の東京に進出できるほど事業を磨いていることに感心した。 ◆多角化で株式上場を果たしたJR九州に対し、JR北海道は400億円の財政支援と引き換えに国土交通省から「監督命令」を受け、国の監視下に置かれている。いずれも鉄道事 国鉄民営化、再設計の時(時流地流)
JR路線見直し、議論動く 北海道・九州・四国と自治体 地域総合 2月12日 北海道・九州・四国を基盤とするJR3島会社で、鉄道事業の見直し議論が相次ぎ浮上している。JR北海道は一部沿線自治体と協議を開始。JR九州は今春、過去最大の減便を予定し、JR四国も路線を維持するための検証を始めた。人口減少や高速道の整備で鉄道の先行きは厳しい。JRの問題提起に、地元自治体は対応を迫られている。 ■国に支援要請、道が調整(JR北海道) 北海道の高橋はるみ知事らが昨年12月、国に対しJR JR路線見直し、議論動く 北海道・九州・四国と自治体