神々は真っ先に逃げ帰った アンドリュー・バーシェイ著 読書 6月27日 大岡昇平は、デフォー「ロビンソン・クルーソー」から「或(あ)る監禁状態を別の監禁状態で表わしてもいいわけだ」を引用して、「俘(ふ)虜記(りょき)」のエピグラフに添えた。米軍の日本人捕虜収容所の生態は、戦後GHQ占領期日本のありように重ねあわせて表象されたといわれている。 だがこれに対して、シベリア抑留という監禁状態については、どうしてもこれを「別の監禁状態」では表すことができそうにない。なぜソ連 神々は真っ先に逃げ帰った アンドリュー・バーシェイ著
自由詩が織り成す声 回顧2019 詩 読書 12月29日 自由詩の領域は、短歌や俳句など音数に一応の決まりがある定型詩とは違い、一行の長さにも一篇(ぺん)全体の長さにも規則はない。それは作者が決めるというより、多くの場合、いままさに生まれようとするその一篇から内発的に決定されるものだ。現在、詩の状況を眺めると、じつにさまざまな書き方を目にすることができて面白い。 (1)鏡の上を走りながら 佐々木幹郎著(思潮社・3200円)(2)純粋な幸福 辺見庸著(毎日 自由詩が織り成す声 回顧2019 詩
クイーンのロック「オペラ」野田秀樹が現代のカブキに カバーストーリー アートレビュー 11月2日 ロックと演劇を融合させ、現代のカブキを生みだす。演劇界を牽引(けんいん)する劇作家・演出家の野田秀樹がそんな話題作を放った。異なるものを結びつける遊びの精神、そこには日本の演劇的伝統があった。 英国のロックグループ、クイーンに「オペラ座の夜」(1975年)という名盤がある。ビートルズの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」同様、交響楽的な世界像をもつ。その舞台化依頼が野田秀 クイーンのロック「オペラ」野田秀樹が現代のカブキに
100キロ連戦で味わった人生最長の走行時間 ランナー集まれ 7月10日 頑張っていないわけではないけれど、その頑張りが中途半端で、結局、頑張っていないのと同じようなものではないかという反省もあって、私はこの夏、100キロマラソンの連戦を自分に課した。 6月11日のいわて銀河100kmチャレンジマラソン(岩手)は冷雨の中の闘いになり、11時間31分26秒を要してゴールした。下り坂で膝を痛め、連戦を断念する理由ができたと一時はホッとしたが、あっさり膝の痛みは消え、もう一 100キロ連戦で味わった人生最長の走行時間