ゆうちょが危険を冒す訳 地銀の明日も占う葛藤 上杉 素直 Deep Insight 本社コメンテーター 10月31日 口座は日本の人口並みの1億2千万を数え、家計の預貯金の2割を抱えるゆうちょ銀行。その幹部たちが肝を冷やす出来事があったと聞いた。新型コロナウイルスの感染拡大に世界のマーケットが揺れた3月のことだ。企業の信用度に基づく金融商品が取引されるクレジット市場の急落が、ゆうちょ銀を直撃したという。 関係者によると、ゆうちょ銀がそのときの相場の変調で瞬間的に失った含み益はおおむね5兆円規模に達したそうだ。含 ゆうちょが危険を冒す訳 地銀の明日も占う葛藤
大学改革の迷走 佐藤郁哉著 読書 1月18日 大学入試改革の目玉とされた英語の民間試験、国語・数学の記述式の導入が見送りになった。堤防に穴があくとそこから大量の水が出てくるように、大学現場では、仕方がないと受け入れ気味だった大学改革に対して、疑問の声が噴出しはじめている。 1990年代からはじまった大学改革は、大学人を既得権者とすることで、現場の意見を聴取し、くみ上げることをせず、上からの改革政策を次々と現場に降ろしてきた。そして、どの程度 大学改革の迷走 佐藤郁哉著
日本社会のしくみ 小熊英二著 批評 読書 9月28日 『ジャパン アズ ナンバーワン』が読まれた1970年代末から80年代初めは「日本的経営」と「会社主義」万歳の時代だった。長期雇用・企業別組合・年功制は三種の神器とまでいわれた。日本型雇用は、「職務の平等」(同一労働同一賃金)ではなく、「社員(職員と労働者)の平等」をひろげ、「総中流意識」にもとづく社会統合と「高い勤労意欲」や「競争」への動員という経済的合理性をもたらしたからだ。 しかし、こうした 日本社会のしくみ 小熊英二著
LIXIL総会、瀬戸CEOの賛成比率53.7% 薄氷の可決 株主総会 住建・不動産 6月26日更新 LIXILグループが25日に開いた株主総会で、取締役に再任され最高経営責任者(CEO)に復帰した瀬戸欣哉氏に対する賛成比率が53.7%だったことが分かった。取締役選任には投票した株主の過半数の賛成票を得ることが必要で、これをわずかに上回った。瀬戸氏ら株主側が提案していたほかの候補者の賛成比率も軒並み5割強と薄氷の可決だった。 【関連記事】経営の担い手は株主が選ぶ LIXIL総会、瀬戸氏が復帰 同社 LIXIL総会、瀬戸CEOの賛成比率53.7% 薄氷の可決
LIXIL、瀬戸氏がCEOに復帰 株主総会 住建・不動産 6月25日更新 LIXILグループは25日夜、都内で記者会見を開き、瀬戸欣哉氏の最高経営責任者(CEO)への復帰を発表した。同日の株主総会では株主側が提案した取締役候補8人全員の選任が可決され、全取締役14人の過半数を確保した。会社側が提案した候補のうち2人は否決される異例の事態となった。経営トップの混乱をめぐり約8カ月間続いた問題が収束する。 【関連記事】LIXIL総会、瀬戸CEOの賛成比率53.7% 薄氷の可 LIXIL、瀬戸氏がCEOに復帰
LIXILグ、ISS意見への見解公表「大勢として当社を支持」 6月13日 LIXILグループ(5938)は13日、25日に開催予定の定時株主総会の議案に関し、議決権行使助言会社の米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)が示した賛否の意見に対する見解を公表した。 会社提案の取締役8人を選任する議案では、ISSが6人について賛成を推奨したことから、LIXILグ側は「大勢としては会社提案を支持した」との認識を示した。ISSが独立性基準などの観点から LIXILグ、ISS意見への見解公表「大勢として当社を支持」
京都思想逍遥 小倉紀蔵著 批評 読書 4月6日 先年、『京都ぎらい』(井上章一著)が大ベストセラーになった。本書も京都本だけに、帯には"『京都ぎらい』に書かれなかった「奥深き京都」"とある。帯は編集者によるものだが、著者も井上本を横目で睨(にら)みながら執筆したであろう。 たしかにたとえば、こんなくだりにそれがあらわれている。本書の京都逍遥(しょうよう)が佳境に入り、京都市役所近辺にいたったあたりである。洛中文化(京都文化の粋)を杉本家(商家 京都思想逍遥 小倉紀蔵著
安田講堂事件50年 参加者70代に、大学紛争見つめ直す 1月18日 大学紛争の象徴となった東京大・安田講堂の学生占拠事件は18日、機動隊突入から50年の節目を迎えた。当時全共闘の一員などとして加わった人々はほとんどが70代以上となり、それぞれに仕事や活動の場を持つ。中には安田講堂を人生の「原点」と振り返る人も。一方で運動が暴力の形を取り、多くの犠牲を生んだことには厳しい視線も注がれ続けている。 「あの日の敗北がここにつながっている。自分にできることをしたい」。当 安田講堂事件50年 参加者70代に、大学紛争見つめ直す
活字離れ、本に反転攻勢の動き 平成の30年 12月22日 古代ローマの政治家にして哲人、キケロは言った。「書物なき部屋は、魂のない肉体」。本をめぐるさまざまな変化を追うことは「平成」から先にある私たちの未来を探ることにほかならない。 「街から探究心の支柱がなくなる」。 そんな危機感を背景に、公共事業として2年前から書店「八戸ブックセンター」を営むのが青森県八戸市だ。かつて書店が数軒あった中心商店街だが、ともしびは細るばかり。 自らが中高生のころ、専門書 活字離れ、本に反転攻勢の動き
評伝 小室直樹(上・下) 村上篤直著 批評 読書 11月10日 学者には奇人変人が少なくない。しかし、研究のほうは常識的で凡庸というただの奇人変人もいる。本書の小室直樹は、ノーベル賞に社会学や政治学があったら、受賞したかもしれないスーパー学者。奇人変人ぶりもなまなかではない。ロッキード事件公判で、検察側が田中角栄に論告求刑をした日の生放送中、小室は「検事を殺せッ!」と絶叫する。スタジオが大混乱になり、退場させられた。 若き小室はフルブライト留学生として渡米し 評伝 小室直樹(上・下) 村上篤直著