伊集院静「ミチクサ先生」(248) 伊集院静「ミチクサ先生」 2月10日 明治三十三年七月、出発の間際まで降り続いた雨が熊本市中に水害を与え、鉄道も不通となり、予定より十日遅れて金之助は鏡子と筆子をともなって東京へむかった。 伊集院静「ミチクサ先生」(248)
伊集院静「ミチクサ先生」(245) 伊集院静「ミチクサ先生」 2月7日 年の瀬が迫り、授業のない日の午後、金之助は筆子を膝の上に乗せ、半日ぼんやりと過ごす日が多くなった。 夏までは毎日のようにやって来ていた生徒の姿もなかった。 伊集院静「ミチクサ先生」(245)