寅さんの舞台、柴又の老舗料亭 コロナ影響で歴史に幕 新型コロナ 東京 1月31日 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、各地の飲食店が苦境にあえぐ中、東京都葛飾区柴又にある川魚料理の老舗料亭「川甚」が31日、営業を終え、230年余りの歴史に幕を下ろした。夏目漱石ら名だたる文豪の作品に登場し、映画「男はつらいよ」の舞台にもなった名店もコロナ禍で閉店を余儀なくされ、なじみの客らが惜しんだ。 同店のホームページによると、創業は江戸時代後期の寛政年間。コイやウナギなどの川魚料理が有名で 寅さんの舞台、柴又の老舗料亭 コロナ影響で歴史に幕
想像力で「ポスト真実」に対抗 カバーストーリー 12月8日 客観的な事実より都合のよい虚偽によって世論が形成されやすくなった近年は「ポスト真実」の時代とされる。新型コロナウイルスの感染拡大が社会の分断を進めた2020年は、その傾向がさらに強まった。作家たちは豊かな想像力を用いて「都合の悪い」物語を示すことで「ポスト真実」への抵抗を試みる。 磯﨑憲一郎「日本蒙昧(もうまい)前史」(谷崎潤一郎賞)は1970年の大阪万博や72年の日本兵帰還、76年の五つ子誕生 想像力で「ポスト真実」に対抗
熟成酒8本セット202万円に込めた思い 京都「月の桂」 11月26日 1675年創業の酒蔵「増田徳兵衛商店」(京都市伏見区)。「月の桂」の銘柄で、にごり酒と熟成酒を日本で最初に醸した蔵として知られる。そんな老舗蔵元が国内各地の有名蔵元と連携し、熟成酒の価値を高めるための団体を設立、メンバーの蔵の酒など8本をセットにした商品販売に向けてオンライン通販サイトで予約受付を開始した。価格はなんと202万円。高値で売る狙いは熟成酒の魅力を国内外に発信し、日本酒全般の価値向上に 熟成酒8本セット202万円に込めた思い 京都「月の桂」
中島浩一郎氏(2) 製材業者の家に生まれる 仕事人秘録 コラム(ビジネス) 10月17日 生家は岡山県北西部の山間部、真庭郡勝山町(現真庭市)。祖父が始めた製材業を父親が継いだ。 幕末の頃、曽祖父が近隣の農家から勝山藩の城下に出てきて長州征伐に従軍するなどして住み着き、製材業は祖父の儀一郎が1923年に中島材木店として開業しました。祖父は近隣の山を借金して買う一方で、大阪で銭湯がはやっていると聞くと家の前で銭湯を始め、米の販売店も兼業するという、ちょっと変わった発展家だったようです。 中島浩一郎氏(2) 製材業者の家に生まれる
「面白い大阪」は近年の加工 井上章一さん 関西タイムライン 京都 関西 8月12日 ■京都市には、日本文化の国際的な共同研究の場である国際日本文化研究センター(日文研)がある。4月に同センター所長に就いた風俗史家の井上章一氏(65)は日本文化研究を活性化させるには、外の視点を積極的に受け入れることが必要だと説く。 イタリアルネサンスの研究者の約5割がアメリカ人、3割がドイツ人、イタリア人は1割未満。イタリアルネサンスは国際研究の土俵にたつ。 一方、同時代の室町の東山文化の99% 「面白い大阪」は近年の加工 井上章一さん
石坂洋次郎と「強い女」 西洋史家 本村凌二 エッセー 6月27日 「必ず結婚しなさい。良い妻なら幸せになれるし、悪い妻なら哲学者になれる」とはソクラテスの名言。もっとも議論好きだったあまり、イライラした妻クサンチッペに水をぶっかけられたとか。彼女の強烈な印象のせいか、異例の女性と思われがちだが、はたして「強い女」とは例外であるのだろうか。ちなみに「戦後、強くなったのは靴下と女」とはひと頃よく耳にした文句であった。 コロナ禍で自粛ムードがただよっているから、この 石坂洋次郎と「強い女」 西洋史家 本村凌二
明治安田生命、関西の文芸・映画ゆかりの地を冊子で紹介 関西タイムライン 大阪 関西 6月19日 明治安田生命保険の社内組織「関西を考える会」が関西の文芸作品の舞台や映画のロケ地、作家ゆかりの場所などを紹介する冊子を発行した。毎年「関西」について様々なテーマで発行しており45年目。今回は「関西の物語」として有識者79人が谷崎潤一郎「細雪」などを取り上げた。 関西を考える会は明治安田生命が地域貢献活動の一環として立ち上げた。文芸作品では他に、織田作之助「夫婦善哉」や司馬 明治安田生命、関西の文芸・映画ゆかりの地を冊子で紹介
「演劇とは?」難局が生む問い 演出家 宮城聡氏 新型コロナ カバーストーリー 5月26日 静岡県舞台芸術センター(SPAC)の芸術総監督として、オンライン配信の「くものうえ せかい演劇祭」を実施した。4~5月の連休期間に開く「ふじのくに せかい演劇祭」を断念、海外演劇人との対話や舞台映像をネットで公開した。 「妙なたとえですが、本来の演劇祭がカニなら、オンライン演劇祭はカニカマボコ。カニがないなら、せめてカニカマボコを楽しんでくださいという気持ちでした」 世界中の演劇人が劇場を離れ、 「演劇とは?」難局が生む問い 演出家 宮城聡氏
マルーンの風、阪急電鉄(2) 女性や子どもに早く着目 サービス・食品 関西 5月3日 「……住宅街は……小豆色で統一された電車の姿や機能と相俟(ま)って、長い長い立体的で緑色の休息地――これまでの日本にはまだなかった、何と名付けてよいかわからない匂いのいい世界を、この地上にかたちづくって来たように思われる」。芥川賞作家で童謡「サッちゃん」などを作詞した阪田寛夫は著書「わが小林一三」で、阪急沿線をこう形容した。 東京・日本橋出身で関東大震災後に阪急神戸線の夙川や岡本周辺に移り住んだ マルーンの風、阪急電鉄(2) 女性や子どもに早く着目
たおやかな「上方舞」男性記者が悪戦苦闘 関西タイムライン 京都 大阪 地域総合 関西 4月14日 関西で発展してきた日本舞踊「上方舞」。花街の華やかな雰囲気を伝える京都の春の風物詩「都をどり」などでその魅力を目にすることができる。日舞といえば「ええとこのお嬢さん」のお稽古事といった印象も強いが、どんな世界なのだろうか。39歳男性記者が体験してみた。 今回、手ほどきをお願いしたのは上方舞を代表する流派の一つ山村流宗家山村友五郎さん。歌舞伎や宝塚歌劇団の振付や指導でも活躍中だ。山村流はかつて大阪 たおやかな「上方舞」男性記者が悪戦苦闘