今を生きる意味 資生堂社長兼CEO 魚谷雅彦 エッセー 12月21日 今年は新型コロナの伝染という想定外の事態に世界中が甚大な影響を受けている。まさに先が見えない不確実な時代と言えるが、この世の中で100%確実なことがある。どんな高名な人でも、どんなお金持ちでも、平等にいつかは人生を旅立ち、そして世代は必ず交代していくという絶対的な事実だ。 それは歴史が物語っている。秦の始皇帝は不老不死の薬を見つけることができなかったのは有名な話だ。またNHK大河ドラマのテーマと 今を生きる意味 資生堂社長兼CEO 魚谷雅彦
「戀童夢幻」木下昌輝さん 戦国武将の濃密な愛憎劇 読書 12月19日 けれん味あふれる歴史・時代小説で知られる作家が今作では衆道(武士の同性愛)に挑んだ。「衆道に正面から取り組んだ作品はあまりないので、自分で書いてみようと思った。戦場で命のやりとりをしていた武士にとって、男同士の間には強い絆が生まれ、それが『念友』という関係になったのではないでしょうか」 中編5編を収めており、前関白の近衛前久が「面白き童」と織田信長に紹介した踊り手、加賀邦ノ介が全章に登場する。最 「戀童夢幻」木下昌輝さん 戦国武将の濃密な愛憎劇
金剛組、「日本最古」を支えるのは古来の実力主義 日経ビジネス コラム 住建・不動産 奈良 静岡 12月14日 全国の長寿企業を調査する日本経済大学の後藤俊夫特任教授が「日本最古の企業だ」と認定しているのが大阪市で社寺建築を手がける金剛組だ。578年の創業で1400年以上の歴史を持つ。飛鳥時代に社寺建築に携わる集団が存在したことが日本書紀に記述されており、聖徳太子ゆかりの四天王寺にも口伝があることなどから、帝国データバンクや東京商工リサーチの調査でも日本で一番古い会社とされる。 聖徳太子が初代を招く 飛 金剛組、「日本最古」を支えるのは古来の実力主義
政界は群雄割拠の戦国時代へ 日本の論点2021 菅内閣発足 大石 格 12月12日 新型コロナウイルスの感染拡大で2021年は非常に不透明感が強い。日本の経済・政治はどう変化するのか。世界情勢の行方は。日本経済新聞の編集委員、コメンテーターらの見通しを、このほど出版した『これからの日本の論点2021 日経大予測』(日本経済新聞出版)から紹介する。 7年8カ月続いた安倍政権が終わり、日本の政治は新局面を迎えた。長期政権のもとで、政界の顔ぶれは与野党とも長らく入れ替わりが少なかったが 政界は群雄割拠の戦国時代へ 日本の論点2021
菅首相の秋田弁が聞きたい 語りの味はリーダーの条件 12月9日 菅義偉首相は記者会見や演説が好きではないようだ。苦手意識があるのだろう。安倍晋三前首相に比べて、格段に「自前の言葉」が少ない。しかし、菅首相には前任者とは異なる「強み」がある。秋田県出身だという点だ。 菅首相は秋田県出身者としては初の首相となった。東北生まれは全体でも5人目だという。つまり、レア感が高い。前政権からの「継承」というイメージが強いだけに、違いを際立たせるには、うってつけのテーマだろ 菅首相の秋田弁が聞きたい 語りの味はリーダーの条件
「唐津城」 海から直接そびえる石垣 佐賀 九州・沖縄 11月28日 唐津城の入り口や周囲で見かける猫の姿、全部野良猫だという。「ここは夜になると真っ暗になるから、猫を捨てていく人がいるんです」と、ある人が教えてくれたが、本当にひどい話だ。 普段の運動不足を感じながら登る石段。唐津城は豊臣秀吉の家臣だった寺沢志摩守広高が、1602年から7年かけて完成させたとされる。 その後、明治に入って廃藩置 「唐津城」 海から直接そびえる石垣
自民「代理職」、実力者を補佐 番頭・実務・ホープ 政治 11月27日 自民党は実力者を補佐する「代理・代行」ポストが時に耳目を集める。幹事長代理や政調会長代理らが政策決定と党内の主導権争いに影響力を及ぼす場合があるためだ。全権委任される「番頭型」や調整役を引き受ける「実務派」、次世代を起用する「ホープ」といった類型がある。 現執行部では林幹雄幹事長代理が実務派と評される。二階俊博幹事長と菅義偉首相の会談に同席し、二階氏の記者会見や各省庁幹部による政策の事前説明にも 自民「代理職」、実力者を補佐 番頭・実務・ホープ
文楽三味線の鶴澤寛太郎、素浄瑠璃を披露 関西タイムライン 大阪 関西 11月13日 文楽三味線の鶴澤寛太郎は24日、大阪倶楽部ホール(大阪市)で素浄瑠璃「日吉丸稚桜(ひよしまるわかきのさくら) 駒木山城中の段」を披露する。太夫は竹本錣太夫(しころだゆう)。大阪市の咲くやこの花賞受賞を記念した公演で、「文楽三味線に光をあてる機会としたい」(寛太郎)という。 「日吉丸稚桜」は豊臣秀吉の出世を描いた演目で、8月に国立文楽劇場で行われた「文楽素浄瑠璃の会」でも披露した。寛太郎は「出世物 文楽三味線の鶴澤寛太郎、素浄瑠璃を披露
旅ごころはリュートに乗って 星野博美著 読書 11月7日 リュートは、洋梨を縦に割ったような形をした撥(はつ)弦楽器で、棹(さお)がほぼ直角に折れ曲がっている。音色はやわらかく、繊細だ。 この古楽器はメソポタミア発祥だとされ、アラブやペルシャ世界では「ウード」、ヨーロッパに渡って「リュート」となり、また東へ向かい「琵琶」になったという。 著者の前作『みんな彗星(すいせい)を見ていた――私的キリシタン探訪記』は、欧州出身の宣教師と日本のキリシタンとの出会 旅ごころはリュートに乗って 星野博美著
わさびの日本史 山根京子著 読書 9月26日 2013年にユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」にかかせない香辛料といえば、やっぱりワサビだ。そのワサビと日本人との歴史的な「お付き合い」を、奈良時代から江戸時代の史料をもとに明らかにしたのが本書である。 著者の専門は栽培植物起源学。現地・文献調査、栽培実験、DNA分析など多岐にわたる手法を用いて、野生植物から栽培植物が生まれた経緯を解明する学問分野だ。 日本人にお馴染(なじ)みのワサビなの わさびの日本史 山根京子著