「日本一安い」銭湯、番台の笑顔に集う 佐賀・唐津 ひと・まち探訪 佐賀 九州・沖縄 コラム(社会・くらし) 生活 10月24日 唐津焼や呼子のイカで知られる佐賀県唐津市。JR唐津駅から約10分の住宅街に「恵びす湯」はひっそりとあった。外観は民家のよう。小さな看板を見逃せば通り過ぎてしまいそうだ。だが入浴料が日本一安く、佐賀県唯一の銭湯であることで知られ、愛好家が全国から足を運ぶ隠れた人気スポットでもある。 番台に座るのはオーナーの島崎羊子さん(72)。1960年に夫の両親が前のオーナーから引き継ぎ、島崎さんが嫁いだ70年 「日本一安い」銭湯、番台の笑顔に集う 佐賀・唐津
桜島(鹿児島市)「厄介者」の火山灰をアートに ひと・まち探訪 コラム(社会・くらし) 鹿児島 九州・沖縄 2月1日 2019年12月、桜島ビジターセンター(鹿児島市)で、火山灰アーティスト、植村恭子さん(36)の制作風景を見せてもらった。柔らかく握られた手のひらから、黒い灰が細い線のようにサラサラと流れ落ちる。上下に、左右に、そして円を描くように……。右手を素早く動かすこと約5分。白いキャンバスに噴煙を上げる桜島が浮かび上がった。 植村さんは同センターを運営するNPO法人桜島ミュージアムの元スタッフだ。16年 桜島(鹿児島市)「厄介者」の火山灰をアートに
池之端(東京・台東)「一銭五厘たちの横丁」 コラム(社会・くらし) 1月19日 東京大空襲で焼け残った質屋の蔵から99枚の写真のネガが見つかった。写っていたのは戦時中に撮影された出征軍人の「留守家族」たち。ルポライターの児玉隆也さんは1973年秋から氏名不詳の家族を1年かけて探し歩き、「一銭五厘たちの横丁」(岩波現代文庫)にまとめた。舞台の一つが東京都下谷区谷中清水町。現在の台東区池之端4丁目だ。 一銭五厘とは戦時中のはがきの郵便料金のこと。転じて召集令状(赤紙)1枚で戦場 池之端(東京・台東)「一銭五厘たちの横丁」
日比谷野外音楽堂 「伝説」生んだライブの聖地 コラム(社会) 9月22日 「今日は本当に最高じゃ。どうやら、この鉄の檻(おり)は人の心までも縛れんようじゃな。ざまあみろ!」。1987年7月4日夜。ザ・ブルーハーツのボーカル、甲本ヒロトさんの声が約3000人の観客で埋まるライブ会場に響き渡った。そして名曲「リンダリンダ」に。メンバーがステージを跳ね回り、夜空に観客の大歓声がこだました。 この日のライブはいつもと違っていた。約3カ月前、別のバンドのライブで観客がステージに 日比谷野外音楽堂 「伝説」生んだライブの聖地
あなたの会社の「社訓」知っていますか? 12月7日 自分が勤める会社の「社訓」や「経営理念」をご存じだろうか。創業者や過去のトップが残した会社のあり方や経営の大方針――。いわば企業の「憲法」といえる存在だが、多くの場合、額縁の中でホコリをかぶり、社員からも「古くさい」「自分には関係ない」と思われているかもしれない。最近では社員の過労自殺にからんで過重労働の元凶とされた電通の社訓が関心を集めた。もっとも各社の社訓には、思わずうなずくような名文句もあ あなたの会社の「社訓」知っていますか?
木造住宅から超高層タワーへ 地権者のヒルズ物語 (解を探しに) 8月30日 真夏の強い日差しが照りつける六本木ヒルズは、この日も大勢の人でにぎわっていた。観光に訪れた家族連れや外国人がクモのモニュメントに驚き、サラリーマンが大粒の汗を拭いながらオフィスタワーに吸い込まれていく――。開業から13年。年約4千万人が訪れる人工の「街」はトレンドから「ブランド」に変貌を遂げようとしていた。だが、その舞台となった六本木6丁目が「ロクロク」と呼ばれ、約400軒の木造住宅がたたずむ静 木造住宅から超高層タワーへ 地権者のヒルズ物語