危機に行動した監督たち ミニシアター支援で連帯 カバーストーリー 12月10日 4月の緊急事態宣言で全国の映画館が休業に追い込まれた。新作の公開はほぼ2カ月間ストップした。戦時下にさえなかった映画の危機に、監督たちが行動を起こした。 諏訪敦彦、井上淳一らを中心に映画人が呼びかけた「SAVE the CINEMA」プロジェクトはミニシアターへの国の支援を求めて9万人を超す署名を集めた。ライブハウス、小劇場の代表と共に関係省庁に要請を重ね、文化庁の「文化芸術活動の継続支援事業」 危機に行動した監督たち ミニシアター支援で連帯
二重底、三重底のドラマ 映画「スパイの妻」 アートレビュー 10月16日 黒沢清監督初の歴史ものである。ベネチア国際映画祭で銀獅子賞に輝いた。 舞台は太平洋戦争直前の神戸。貿易会社を経営する福原優作(高橋一生)は、妻の聡子(蒼井優)をヒロインに趣味の素人映画を撮ることに興じている。満州へ物資の買いつけに行く際も撮影機材をもっていくほどの映画好きだった。 夫の留守中、聡子は、幼(おさな)馴染(なじみ)の憲兵隊長・津森(東出昌大)と旧交を温めようと家に招く。だが、津森は 二重底、三重底のドラマ 映画「スパイの妻」
社会の分断を鮮明に描く コロナ禍でのベネチア映画祭 9月17日 コロナ禍の中で開かれた第77回ベネチア国際映画祭は米国作品「ノマドランド」が金獅子賞、「スパイの妻」の黒沢清監督が監督賞に輝いた。映画ジャーナリストの林瑞絵氏が報告する。 ◇ ◇ ◇ 見渡す限りマスク人間。もはや映画以上の非日常かと思わされた第77回ベネチア映画祭。コロナ禍における初の大型映画祭の開催にあたり、賞レースのみならず映画祭本体の行方も注目された。だが、蓋を開ければ感染者は一人も 社会の分断を鮮明に描く コロナ禍でのベネチア映画祭
ベネチアで受賞の黒沢監督「ジャンル映画の道、確信」 文化往来 9月14日 「社会性をもちながらも、娯楽映画、ジャンル映画として仕上げた。そのことが評価されたのだとしたら、今まで信じてきた道は間違っていなかった。ジャンル映画の巨匠と呼ばれる人は映画の歴史の中に、山のようにいる。そういう人たちに一歩でも近づければいいなと思う」 「スパイの妻」でベネチア国際映画祭の監督賞に輝いた黒沢清監督は受賞翌日の13日、東京での記者会見でそう語った。ホラー、SF、メロドラマなど様々なジ ベネチアで受賞の黒沢監督「ジャンル映画の道、確信」
黒沢監督「行きたかった」 ベネチア映画祭で銀獅子賞 9月13日更新 第77回ベネチア国際映画祭に出品した「スパイの妻」で監督賞(銀獅子賞)を受賞した黒沢清監督が13日、東京都内でオンライン記者会見を開き、「賞まで頂けるなら(コロナ禍で渡航を断念した現地に)本当に行きたかった」と喜びの中に残念さをにじませた。 受賞の知らせが届き、顔を見合わせた妻は「行きたかったね」とぽつりと一言つぶやいたという。黒沢監督は「授賞式の興奮と熱気の中で、(審査員長の俳優)ケイト・ブラ 黒沢監督「行きたかった」 ベネチア映画祭で銀獅子賞
「スパイの妻」黒沢清監督に銀獅子賞 ベネチア映画祭 9月13日更新 【ベネチア=共同】イタリアで開催されていた世界三大映画祭の一つ、第77回ベネチア国際映画祭の授賞式が12日夜(日本時間13日未明)に開かれ、「スパイの妻」の黒沢清監督(65)が監督賞(銀獅子賞)に選ばれた。日本人の監督賞受賞は2003年の「座頭市」の北野武監督以来、17年ぶり。黒沢監督が三大映画祭のコンペティション部門で主要賞に輝くのは初めて。 銀獅子賞は現在、審査員大賞と監督賞があり、最高賞の 「スパイの妻」黒沢清監督に銀獅子賞 ベネチア映画祭
第一人者、歴史もので栄冠 社会と個人の対立描く カバーストーリー 文化往来 9月13日 黒沢清監督(65)がついに栄冠を手にした。ここ20年来、日本映画の第一人者であり続けてきたが、カンヌ、ベネチア、ベルリンの三大映画祭のメインコンペの賞には縁がなく、後進の河瀬直美監督や是枝裕和監督に先を越された。しかし映画作家としてのスケール、深い映画的教養に根ざした隙のない画面の強度はずぬけている。「スパイの妻」はその集大成と言え、北野武氏以来の監督賞はその実力に見あう。ようやく世界がクロサワ 第一人者、歴史もので栄冠 社会と個人の対立描く
ベネチア国際映画祭が開幕 黒沢清監督作、主要賞競う 9月3日 【ローマ=共同】世界三大映画祭の一つ、第77回ベネチア国際映画祭が2日、イタリア北部で開幕した。最高賞の「金獅子賞」など主要賞を競うコンペティション部門に黒沢清監督の「スパイの妻」が出品されている。新型コロナウイルスの感染収束が見通せない中、対策を徹底したとして開催に踏み切った。 コンペ部門の審査員長で俳優のケイト・ブランシェットさんは開幕に先立つ記者会見で「われわれは映画界を安全に再開させなけ ベネチア国際映画祭が開幕 黒沢清監督作、主要賞競う
8Kの美、難題越え豊かに 黒沢清監督「スパイの妻」 9月3日 黒沢清監督がNHKと組み、超高精細の8K映像で新作「スパイの妻」を撮り、2日開幕のベネチア国際映画祭のコンペ作に選ばれた。日本を代表する監督は最新技術にどう挑んだのか。 物語は1940年、太平洋戦争直前の神戸が舞台になる。満州(現中国東北部)で重大な国家機密を偶然知り、正義のために世に知らせようとする貿易会社社長(高橋一生)。その夫を信じ、時代に翻弄されながらも愛と信念を貫こうとする妻(蒼井優) 8Kの美、難題越え豊かに 黒沢清監督「スパイの妻」