カーボンゼロ特集ページ

環境省の実証事業を通じ「低炭素水素を利用した世界初のホテル」として2018年6月に営業を始めたのが、川崎キングスカイフロント東急REIホテル(川崎市)だ。水素を燃料とする燃料電池の発電で、使用する電力の3割をまかなう。記者が実際に宿泊し、活用状況を取材した。 このホテルは羽田空港を臨む、川崎市の研究開発拠点「キングスカイフロント」内にある。実証事業にはホテルの運営会社である東急ホテルズ(東京・渋
川崎市に世界初「低炭素水素ホテル」 昭和電工が供給
東京電力福島第1原子力発電所の事故で、2017年まで全町民が町外避難を余儀なくされた福島県浪江町。再生へ期待をかけるのが水素だ。20年には水素生成の巨大施設が完成し、世界最大級の製造装置も動き出した。「水素タウン」実現に向けて取り組む現場を訪ねた。 「さあ、福島から水素で未来を紡ごう」。福島第1原発から北へ約8キロメートル。町の中心部に位置する「道の駅なみえ」には、こんな言葉が記された装置が2基
水素の地産地消で震災復興描く 福島県浪江町
経済産業省は18日、脱炭素技術の普及などを支援する2兆円の基金のうち、水素関連の2事業について企業の公募を開始したと発表した。海外から水素を運ぶ供給網の構築をめざす事業に最大3000億円、水素を製造する装置の大型化をめざす事業で最大700億円を配分する。 2事業ともに、7月1日ま
脱炭素2兆円基金、支援先の公募開始 まず水素関連
再生可能エネルギーの電力で水を電気分解して生産する「グリーン水素」事業でわれわれの視線は、主要ユーザーである日本に向けられている。 2020年に化石燃料由来の「ブルー水素」を日本に輸出したが、グリーン水素も日本の複数の企業と話を進めており、日本へ輸出されるだろう。NEOM(サウジ北西部の未来都市建設構想、推進組織の名前でもある)と日本の協力の第1段階であり、今後も第2、第3段階が控えている。
「グリーン水素、日本へ輸出」サウジ未来都市CEO
水素に関する日本の現状で、懸念していることが2つある。1つ目は2050年の温暖化ガス排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」に向けて、日本は水素技術で世界を切り開けると勘違いをしているのではないかということ。重要なのはこれからの5~10年で本当にインパクトのあることをするかどうかにかかっているが、そうした議論ができていない。 2つ目は水素が二酸化炭素(CO2)をゼロにするための万能薬では決し
「水素含む総合的な政策必要」末吉竹二郎氏
日本は水素で先行している。燃料電池など関連技術の特許出願数は世界一だと胸を張る。水素時代にこの優位は保てるのか。懸念が拭えないのは、新技術の導入初期に優位にあった日本企業が、普及期に入ると失速する苦い前例を何度も見てきたからだ。 英東岸ハンバー川の河口域で、「カーボンゼロ」の産業クラスター整備が始まった。工場や発電所から出る二酸化炭素(CO2)を回収し、天然ガスや風力発電でつくる水素を燃料に切り
日本勢、水素の優位保てるか 技術失速の前例断ち切れ
水素は脱炭素を達成する決め手になるだろう。新日本石油(現ENEOSホールディングス)社長や石油連盟会長などを務めた渡文明さんは早くから水素の可能性に着目していた。2020年に亡くなる前は名誉顧問として経営から離れており、会社で仕事の話はしなかった。だがゴルフや酒の席で私に「水素はやめるなよ」と熱く語っていた。 99年が石油需要のピークだった。それまでは一直線に伸びていたが、その後は需要が構造的に
「水素やめるな」渡氏に先見の明 ENEOS杉森会長
政府は燃料電池車(FCV)の検査を簡素化する検討に入った。車検と水素燃料タンクの検査を別個にした二重検査を2022年にもやめ、車検に一本化する。30年代半ばまでに販売する新車を全て電動車に切り替える目標に向け、FCV保有者の負担を減らす。 経済産業省の有識者会議が6月にまとめる中間答申に盛り込む。道路運送車両法の車検制度を所管する国土交通省と、水素タンクの扱いを規定する高圧ガス保安法を管轄する経
燃料電池車、二重検査を一本化へ 普及後押し
水素は脱炭素を進める上での手段だ。日本は「水素のための水素戦略」「燃料電池のための水素戦略」になっている恐れがある。政府は水素基本戦略の見直しを検討する方針で、2050年に温暖化ガスを実質ゼロにするという目標に整合した計画にすべきだ。 様々な選択肢の中で、一番安い方法は何かということを考える必要がある。 例えば電気自動車(EV)は2020年末までに累計約1000万台が販売され、蓄電池が安くなって
「水素が一番安い選択肢を」マルティン・テングレル氏
水と太陽光から水素を発生させる人工光合成にはいくつかの種類がある。光を当てると電気を発生させる電極を使う手法や、光に反応して酸素と水素を発生させる光触媒を使う方法などだ。米欧や中国、韓国、そして我々のチームを含む日本などがそれぞれの手法で工夫し、エネルギー変換効率を向上させてきた。 植物の光合成の変換効率が最も良い条件で1~2%といわれるなか、人工光合成の効率はかなり高いレベルに達している。太陽
「水素、人工光合成で50年に大量生産」堂免一成氏