カーボンゼロ特集ページ

欧州委員会が4月に公表した、分類を意味する「タクソノミー」と呼ぶ数百ページの資料。企業が手がける事業がどういう基準を満たせば「持続可能」と判別されるかを示す。「まるで『閻魔(えんま)大王』みたいに企業が選別される」。こんな受け止め方が広がる。 電池製造や発電などが対象で、欧州連合(EU)の温暖化ガス排出の8割をカバーする。企業は基準外の製品を作れなくなるわけではないが、ESG(環境・社会・企業統
欧州が主導する取捨選択、ルールが決する競争力
「依然としてパリ協定と整合していない」。6月に開かれた住友商事の株主総会。温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」に沿った事業計画をつくるよう、ある株主が詰め寄った。定款変更まで求める株主提案をした環境系非政府組織(NGO)、豪マーケット・フォースの代理人だ。 このNGOは住商が東南アジアで石炭火力発電所の拡大に関与し続けている点を問題視。2040年代後半には石炭火力発電事業から撤退することを盛り
気候対策問う株主総会 「緑のマネー」世界動かす
大量生産、大量消費によって生み出される豊かさへの疑問が世界で広がりつつある。価格だけで選ばず、少しでも環境負荷の軽い商品を好む。そんな「緑の消費者」が生む新市場が企業の商品・マーケティング戦略に変化をもたらしている。 若者向けのカフェやアパレル店が立ち並ぶニューヨーク、マンハッタンのソーホー地区。スニーカー店「オールバーズ」の旗艦店には20~30代の男女が集まる。飲食店勤務のヘンリー・アベリーさ
靴にも脱炭素の波 「緑の消費者」が生む新市場
米テスラの元幹部だったピーター・カールソン氏が2016年に創業した北欧の新興電池メーカー、ノースボルト。様々な候補地の中からスウェーデン北部の北極圏にほど近い田舎町、シェレフテオを電気自動車(EV)用電池の大規模工場用地に選んだ。電池製造に必要な大量の電力を全て、再生可能エネルギーでまかなうためだ。 スウェーデンは水資源が豊富な北部を中心に水力発電が盛んで、全体の発電量の約4割を占める。水力発電
産業立地、脱炭素で再編 再生エネ不足なら空洞化
▼炭素価格 企業などが排出する二酸化炭素(CO2)に付ける値段のこと。企業は排出量に応じて税金などのコストを負担する必要があるため、排出削減を促す効果がある。政府が税率を設定して企業や家庭に税金を課す「炭素税」や、CO2を多く出す企業が減らした企業からお金を払って排出枠を買い取る「排出量取引」が代表例だ。 世界銀行によると、炭素に価格を付ける「カーボンプライシング」の導入を決めたのは64カ国・地
炭素価格とは 排出量取引市場、欧州で先行
温暖化ガス排出を実質的になくすカーボンゼロの取り組みで世界の企業が選別され始めた。動きが鈍い企業は退場を迫られる。脱炭素を軸に経営を刷新できるか。グリーントランスフォーメーション(GX=緑転)が企業価値を決する。 ドイツ西部ルートヴィヒスハーフェン。ライン川に沿って独BASFが運営する、世界最大規模の石油化学コンビナートが広がる。ガスや石油を燃やし、高温で製品をつくる石油化学にとって二酸化炭素(
炭素負債4700兆円、迫る経営転換 電力や製造まで選別
脱炭素に不可欠な燃料となってきた水素(元素記号H)。最大の課題は膨らむ需要に対応する量をどうつくるかだ。 水素の生産手法は主に2つある。天然ガスから分離するか、電力で水を分解して得る。二酸化炭素(CO2)が出ないよう再生可能エネルギーの電力で水素をつくるには、2050年まで毎年8億キロワットの太陽光・風力発電の導入が必要と英エネルギー大手BPはみる。 国際再生可能エネルギー機関(IRENA)によ