相次ぐATM不正引き出し、日本のカードの安全対策に穴 金融最前線 コラム(経済・政治) 12月7日 ATMで偽造クレジットカードを使った大規模な犯罪が後を絶たない。5月に約18億円の不正引き出しがあったほか、最近でも中国の「銀聯(ぎんれん)カード」を偽造し、ATMから巨額の現金を不正に引き出す事件があった。「セキュリティーの穴がある日本が狙い撃ちされている」。経済産業省の担当者はこう懸念している。 「銀聯」の件ではメガバンクのATMから偽造カードを使って中国の銀行口座からお金を引き出した。引き 相次ぐATM不正引き出し、日本のカードの安全対策に穴
トランプ相場で目減りするメガ銀の「隠れ資産」 金融最前線 コラム(経済・政治) 11月23日 トランプ米次期大統領が打ち出す政策への期待感から、メガバンク株が買われている。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の株価は米大統領選前の533円から22日の680円超まで3割近くも上昇した。景気刺激策による米国事業の拡大や金融規制の緩和への期待に加え、円安による円建て海外収益のかさ上げが背景にある。だが気になる点もある。それは米長期金利の歴史的な上昇だ。 米10年債の利回りは大統領選の トランプ相場で目減りするメガ銀の「隠れ資産」
全銀協会長、米トランプ政権で「ゲームチェンジも」 金融最前線 コラム(経済・政治) 11月18日 「従来の金融経済環境が全く変わる『ゲームチェンジ』につながる可能性がある」。全国銀行協会の国部毅会長(三井住友銀行頭取)は17日の記者会見で、こんなフレーズを口にした。トランプ次期米大統領のもと、経済政策の重点が金融緩和から財政出動にシフトするのを意識した発言だが、国部氏の見据える変化はそれだけにとどまらない。 銀行界にとって大きな「チェンジ」の芽は米金融規制の行方だ。トランプ氏と米議会与党の共 全銀協会長、米トランプ政権で「ゲームチェンジも」
消費者ローン底打ちの裏にメガ銀あり 金融最前線 コラム(経済・政治) 10月27日 規制強化などで長らく低迷していた消費者ローン市場の底打ちが鮮明になってきた。けん引役は消費者金融大手。一方、キャッシングで競合するクレジットカード会社の調子は今ひとつ。この差を生んでいるのが、消費者金融の背後に控えるメガバンクだ。 「広告予算が一ケタ違う」。あるカード大手幹部は嘆息する。 2010年完全施行の改正貸金業法をきっかけに、消費者金融大手の中身は様変わりした。昔と同じ看板を掲げているが 消費者ローン底打ちの裏にメガ銀あり
「顧客本位の業務運営」 いかに築くか 金融最前線 コラム(経済・政治) 10月24日 金融庁は「フィデューシャリー・デューティー(顧客本位の業務運営)」を新たな行政方針として打ち出した。日本を代表する大手金融グループは顧客本位の経営体制を構築できているか。顧客ごとにグループを分割する「カンパニー制」を導入したみずほフィナンシャルグループ、社外取締役が人事を決める指名委員会設置会社に移行した三菱UFJフィナンシャル・グループ、金融庁が信託と銀行の兼営問題で揺さぶる信託銀行トップの三 「顧客本位の業務運営」 いかに築くか
相乗効果か利益相反か 「信託+銀行」70年論争再び 金融最前線 コラム(経済・政治) 10月24日 信託と銀行は兼営すべきか、分離すべきか。金融当局と民間の対立構図は信託銀行の誕生以来、70年余り続く哲学論争だ。不用意に制度を変えれば、経営の健全性を損ねかねない。ただ日銀のマイナス金利政策で経営が厳しくなった銀行業務は従来ほど稼げない。信託銀行は生き残るためにどんな道を選ぶのか。 ■「利益相反」に傾く金融庁 兼営と分離の対立構図を巡る大論争が起きたのは、今から70年以上前の1940年代だ。43年 相乗効果か利益相反か 「信託+銀行」70年論争再び
銀行の接客、調査員はここを見た リテール力調査から 金融最前線 コラム(経済・政治) 10月11日 「何でうちは評価が低いの?」。日経ヴェリタスと日経リサーチが今月初旬、全国117銀行を対象にした銀行リテール力調査を公表したところ、こんな問い合わせが相次いだ。何がポイントだったのか。調査員の声を紹介する。 「ニーズの聞き取りが投資金額のみで、顧客の要望に合った商品を紹介しているという実感がなかった」 総合最下位は筑邦銀行(福岡県)。調査員はこんな行員の姿勢を厳しくチェックした。別の支店では「ヒ 銀行の接客、調査員はここを見た リテール力調査から
みずほ、再生は本物か 顧客本位で積極姿勢 金融最前線 コラム(経済・政治) 10月3日 「真のフィデューシャリー・デューティー(FD)の考え方で、アジア、世界ナンバーワンを目指す」。3日、みずほフィナンシャルグループなどが系列の資産運用会社を統合した新会社「アセットマネジメントOne」の発足式で、みずほの佐藤康博社長は力説した。この耳慣れない「フィデューシャリー・デューティー」という言葉は、資産を預けた人の利益を最大化する「顧客本位」の業務運営を求める考え方だ。かつて「顧客不在の経 みずほ、再生は本物か 顧客本位で積極姿勢
プロも「理解不能」 銀行間取引金利、低下の怪 金融最前線 コラム(経済・政治) 9月30日 日銀が21日の金融政策決定会合でマイナス金利の深掘りを見送ったにもかかわらず、銀行が大企業に融資する際の基準金利である東京銀行間取引金利(TIBOR)がなぜか下がっている。金融機関が手持ち資金を融通し合うコール市場と呼ばれる短期金融市場の流れとも逆行。市場のプロが「理解不能」とさじを投げる怪現象が起きている。 3カ月物のTIBORはこの2カ月間0.06%で動いていなかったが、決定会合の翌営業日の プロも「理解不能」 銀行間取引金利、低下の怪
信託銀「顧客本位」充実へ専門チーム 他社商品販売も 金融最前線 コラム(経済・政治) 9月30日 信託銀行が顧客本位の業務運営「フィデューシャリー・デューティー(FD、受託者責任)」の充実に向けた対策を打ち出している。みずほフィナンシャルグループと第一生命保険の資産運用事業を統合した「アセットマネジメントOne」が10月1日発足するのに合わせ、みずほ信託銀行は顧客対応の専門チームを立ち上げた。三井住友トラスト・ホールディングスやりそなホールディングスなども社内体制の整備に動き始めている。 み 信託銀「顧客本位」充実へ専門チーム 他社商品販売も