三菱自、北米最高益に潜む課題 ASEAN特化の本気度は 企業業績・財務 自動車・機械 3月24日 三菱自動車の安定成長が見通しにくくなっている。2023年3月期は最高益を見込むが、販売関連費用の低さや円安による北米好調という一過性の面があるからだ。北米では現地工場を持たない同社に法律面の逆風も吹く。持続的に利益を伸ばすには全方位戦略を改め、ASEAN(東南アジア)特化を一段と強められるかがカギになる。 今期の連結営業利益は前期の約2倍の1700億円と7期ぶりに最高を更新する。原動力は北米だ。 三菱自、北米最高益に潜む課題 ASEAN特化の本気度は
オークマ、横ばい続きの資産効率「脱炭素」で変われるか 企業業績・財務 中部 自動車・機械 3月22日 大手工作機械メーカー、オークマの採算性と資産効率が株式市場の焦点になりそうだ。国内メーカーの受注が落ち込んでいる中でオークマはいたって好調。電気自動車(EV)の生産に使われる機械や、独自の省電力技術といった商品力が武器になっており株価の値動きも悪くない。一段の評価を得るための宿題が、いずれも長らく横ばいが続く売上高利益率と資産効率を示す指標だ。 日本工作機械工業会がまとめている国内メーカー全体の オークマ、横ばい続きの資産効率「脱炭素」で変われるか
NTTデータ、見えぬグループ再編効果 海外インフラ苦戦 業績ニュース 企業業績・財務 ネット・IT モバイル・5G 3月20日 NTTデータがNTTから譲り受けた海外のIT(情報技術)インフラ事業が苦戦している。不採算事業の整理などで構造改革費用がかさんでいるほか資産が急増し、全体の資本効率を押し下げている。同事業の移管はNTTグループの再編の目玉だった。高付加価値サービスの提案強化などの取り組みを急ぐ必要がある。 NTTデータは昨年10月、NTTの子会社で海外のITインフラ事業などを統括するNTTリミテッドを約5500 NTTデータ、見えぬグループ再編効果 海外インフラ苦戦
ANAHD、日本貨物航空買収 問われる「貨物の谷」の耐性 新型コロナ サプライチェーン Think! 企業業績・財務 サービス・食品 3月17日 ANAホールディングスが新型コロナウイルス禍後の成長戦略を具体化し始めた。日本郵船傘下の日本貨物航空(NCA)の買収を決めた。これまで手薄だった高単価な欧米路線の輸送能力が増やせる期待はあるが、コロナ禍で上昇した航空貨物需要と市況は一服傾向にあり、谷間にさしかかっている。足元で日本航空(JAL)を上回るANAHDの航空貨物事業の稼ぐ力を、買収後に一段と磨けるかが成否を握る。 ANAHDは10月に ANAHD、日本貨物航空買収 問われる「貨物の谷」の耐性
川崎重工、遠い「複合プレミアム」 ROIC改革機運消え 企業業績・財務 自動車・機械 環境エネ・素材 3月15日 川崎重工業がグループビジョンに掲げる「コングロマリット(複合企業)・プレミアム」は夢物語ではないか。2023年3月期に最高益を更新する見通しにもかかわらずPBR(株価純資産倍率)1倍割れの水準でもたつく同社の株価は、投資家のこんな懐疑を映し出している。造船業界再編をめぐる社長解任劇から10年。ROIC(投下資本利益率)による事業ポートフォリオ改革の機運も消えつつある。 川重の4輪バギー「テリック 川崎重工、遠い「複合プレミアム」 ROIC改革機運消え
DeNA、「脱ゲーム依存」の難路 PBRは1倍割れ 業績ニュース 企業業績・財務 ネット・IT 3月13日 ディー・エヌ・エー(DeNA)がゲーム事業依存からの脱却を急いでいる。スポーツ事業やヘルスケア・メディカル事業を成長領域と位置づけ、2025年3月期以降にゲーム事業などのエンターテインメント領域並みの利益に育てる方針だ。関連分野でM&A(合併・買収)を積極化している。戦略の実現期待はまだ株式市場で織り込まれておらず、PBR(株価純資産倍率)は解散価値である1倍を割れている。 「ビジネスと DeNA、「脱ゲーム依存」の難路 PBRは1倍割れ
ディスコ、逆風下で最高値 「脱炭素」支えに利益率首位 企業業績・財務 エレクトロニクス 3月10日 半導体製造装置大手で唯一、ディスコの株価が上場来高値を更新した。調整局面を迎え、他社が1年前から下落する中、約2割高と独走する。スマートフォン向けなどのデジタル投資に左右されにくい、パワー半導体向け取引の多さが理由だ。旺盛な脱炭素投資を背景に需要を取り込み、売上高純利益率は3割弱と装置大手でトップだ。 2022年は半導体需要の潮目が変わった。新型コロナウイルス禍で拡大したスマホやパソコン消費減で ディスコ、逆風下で最高値 「脱炭素」支えに利益率首位
騒動続くスシロー、値上げで苦心も海外好調で株価回復 企業決算 業績ニュース Think! 企業業績・財務 関西 小売り・外食 3月8日 FOOD&LIFE COMPANIES(F&LC)が回転ずし「スシロー」で2022年10月に値上げしてから客数の減少に苦しんでいる。税抜き「1皿100円」に慣れ親しんだ消費者が多いため、価格を据え置いた同業他社に顧客が流れている格好だ。「おとり広告」の不祥事や迷惑動画などの問題も足を引っ張っている。ただ、各社とも魚介類を中心とした原材料価格の高騰などで国内の事業環境は厳しい。F& 騒動続くスシロー、値上げで苦心も海外好調で株価回復
三越伊勢丹、富裕層特化で迫る最高益 残る資本の非効率 Think! 企業業績・財務 コラム 株式 3月6日 三越伊勢丹ホールディングスの収益が急回復している。「外商」部門の強化など富裕層向けを重視する路線への切り替えが進み、市場では営業最高益の更新を1年前倒しで達成できるとの見方も出てきた。ただ、実力を測るものさしの「付加価値分析」ではなお再生の途上にある。一段の成長に向け、伝統的な高コスト体質の見直しや資本効率の低さなど課題が残っている。 市場予想の平均を示すQUICKコンセンサスでは、2024年3 三越伊勢丹、富裕層特化で迫る最高益 残る資本の非効率
花王、背水のEVA経営 低迷打破へ「味の素流」も 業績ニュース 企業業績・財務 3月3日 花王が苦境に立たされている。2022年12月期(国際会計基準)の連結純利益は860億円と前の期に比べて22%減り、期初の増益予想を4年連続で達成できなかった。原材料高の価格転嫁が遅れた。看板だったEVA(経済的付加価値)の経営指標の運用を見直しROIC(投下資本利益率)との併用型にするなど聖域を設けず改革に乗り出すが、成長軌道を取り戻せるか見通しにくい。 「(4期連続の計画未達に対して)責任を深 花王、背水のEVA経営 低迷打破へ「味の素流」も