米実質金利上昇は本物か ドル安・株高の継続を左右 コラム 2月22日 物価と比較した金利の水準である実質金利が米国で上昇してきた。19日時点の10年金利はマイナス0.8%となり、約3カ月ぶりの高い水準になった。マイナスの実質金利はドル安の流れをつくり、世界的な株高を支えてきた。今後も上昇が続けば、相場の転換点になる可能性がある。 実質金利は見かけの金利(名目金利)から物価変動の影響を除いて算出する。物価上昇率が名目金利を上回るとマイナスになる。銀行に預金として預け 米実質金利上昇は本物か ドル安・株高の継続を左右
原油、コロナ後先取り 「インフレヘッジ」の買いじわり 商品ニュース 商品 コラム 2月19日 原油価格の高値が続いている。足元の需要環境は厳しさが続くにもかかわらず、新型コロナウイルス禍からの経済回復を先取りした「インフレヘッジ」の買いがじわりと厚みを増している。株式など他のリスク資産と比べた割安感が意識されている。産油国の協調減産が順調なことも買い安心感につながっている。 ニューヨーク先物の18日終値は1バレル60.52ドル。年初比で2割超高く、コロナ前の昨年1月上旬以来の水準。日本時 原油、コロナ後先取り 「インフレヘッジ」の買いじわり
「リフレトレード」が招く円独歩安 経済 為替・金利 コラム 2月17日 円が独歩安だ。17日の東京外国為替市場で円相場は対ドルで5カ月ぶり、対ユーロでも2年2カ月ぶりの円安水準をつけた。世界的な景気回復を見込む「リフレトレード」の活況で、米国をはじめ海外で金利が上昇したことが円安を招いている。円高を警戒する政府・日銀にとっては安心材料だが、日本の物価上昇の勢いが弱いままでは円高リスクはくすぶったままだ。 17日の外国為替市場で、円は対ドルで一時1ドル=106円台前半 「リフレトレード」が招く円独歩安
「ワクチン調達」円安の思惑 年数千億円、貿易黒字圧縮 経済 為替・金利 コラム 2月16日 国内で始まる新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、外国為替市場で思惑が浮上している。海外の製薬会社から約3億回分のワクチンを輸入・調達するため、年間で数千億円規模の円売りが生じるとの見立てだ。日本の貿易黒字の縮小を通じて、需給面から中長期的な円安要因になる可能性が意識されつつある。 厚生労働省は14日、安全性と有効性が確認されたとして米製薬大手ファイザー製の新型コロナワクチンを日本で初めて承認 「ワクチン調達」円安の思惑 年数千億円、貿易黒字圧縮
劣後債に発行ラッシュ 投資家、運用難で「苦渋」の買い コラム 2月12日 負債でありながら資本性も持つ劣後債の発行が大幅に増えている。2月の事業会社による劣後債発行額は12日時点で3320億円に達し、前年同月を既に7割上回る。近く丸紅やNTNなど「新顔」の劣後債も相次ぎ登場する見通しだ。ただ、劣後債には償還期間が確定しないという潜在リスクがあり、運用難の中でそのリスクをのまざるを得ない投資家の「苦渋」も映している。 「社債のスプレッド(上乗せ金利)も縮小が続いている。 劣後債に発行ラッシュ 投資家、運用難で「苦渋」の買い
円高生まぬ長期金利じり高 日銀の政策修正に追い風 清水 功哉 コラム 2月10日 米国の長期金利上昇や日銀の政策修正をめぐる思惑などを背景に日本の長期金利がジリジリと上がっているが、円高圧力はあまりかかっていない。米金利の上昇幅の方が大きく、日米金利差はむしろ拡大傾向のためだ。この状況が続けば、日銀は3月以降、金利変動を従来より柔軟に認める政策修正を円滑に進めやすくなるかもしれない。ただ円高への警戒は維持するのが日銀の姿勢だ。 日本の長期金利上昇は10日の市場でも見られた。指 円高生まぬ長期金利じり高 日銀の政策修正に追い風
通貨揺らすワクチン戦略 英米先行でポンド・ドルが上昇 為替・金利 コラム 2月9日 新型コロナウイルスのワクチン接種の進捗が通貨の選別を促しつつある。先行する英米では経済がいち早く回復するとの期待感から通貨に上昇圧力がかかり、出遅れ感のあるユーロ圏では通貨高が一服している。「国力」を映す側面もあるワクチンの調達・普及に向けた各国の取り組みを投資家も重視する。 足元の外国為替市場では、対主要通貨でみたポンドの強さが際立つ。9日の東京市場では対ドルで1ポンド=1.37ドル台後半と約 通貨揺らすワクチン戦略 英米先行でポンド・ドルが上昇
米「レディット」投資家、商品も標的に 商品ニュース コラム 商品 2月5日 米SNS(交流サイト)掲示板「レディット」を通じて結束した米個人投資家が商品市場を標的にした。掲示板への投稿をきっかけに銀先物は一時急騰。実需を無視した投機マネーによる価格つり上げは持続せず、銀は短期間のうちに反落した。市場には、幅広いモノの原材料となる商品に個人の投機マネーが流入する傾向が今後も強まると、企業や個人に悪影響が及びかねないと指摘する声がある。 銀相場の指標となるニューヨーク銀先物 米「レディット」投資家、商品も標的に
欧州、ユーロ高に広がる警戒 口先介入の裏にデフレ懸念 為替・金利 コラム 2月3日 欧州当局者の間で通貨ユーロの上昇を懸念する声が増えている。物価や輸出に影響を及ぼすとして、マイナス金利の深掘りを示唆する発言まで飛び出した。口先介入が相次ぐ背景には欧州中央銀行(ECB)のデフレへの強い警戒感がある。 外国為替市場でユーロは対ドルで2020年に9%上昇した。21年1月には約2年10カ月ぶりとなる1ユーロ=1.23ドル台の高値をつけた。 足元は米国の長期金利の上昇に加え、欧州の当局 欧州、ユーロ高に広がる警戒 口先介入の裏にデフレ懸念
長期金利、上昇力鈍く 「変動幅拡大」の観測響かず 経済 金融機関 為替・金利 コラム 2月1日 長期金利はどこまで上がる(債券価格は下がる)のか。国内債券市場の参加者が現在、最も関心を寄せる論点だ。長期金利を誘導する日銀が3月の政策点検で変動幅を広げるとの観測が浮上し、1日には約10カ月ぶりの高水準を付けた。だが、金利上昇の勢いは鈍いままで、日銀の目指す市場機能の回復は見通せない。 1日は長期金利の指標になる新発10年物国債利回りが一時、前週末比0.005%高い0.060%を付けた。202 長期金利、上昇力鈍く 「変動幅拡大」の観測響かず