止まらぬインドルピー安 限られる介入効果 日本に教訓 コラム 6月30日 【NQNシンガポール=秋山文人】外国為替市場でインドルピーの下落が止まらない。ドルに対し過去最安値を探る展開が続いている。大きな節目として市場関係者が意識する1ドル=80ルピーはもはや通過点となりそうだ。通貨当局は為替介入を繰り返すが、効果は小さい。人為的な介入への過度な期待は禁物という教訓を与えてくれている。 貿易赤字と外国人の株売りでルピー安に インドルピーの対ドル相場は足元で最安値圏である 止まらぬインドルピー安 限られる介入効果 日本に教訓
反転見えぬ台湾・韓国株 下落際立つ6月 コラム 6月29日 【NQN香港=須永太一朗】6月は台湾と韓国の株式相場が調整一色となった。世界的な金融引き締め加速で世界景気の先行き不安が強まり、輸出依存度が高い同国・地域に打撃となった。主力ハイテク株が振るわず、主要株価指数の台湾加権指数と韓国総合指数(KOSPI)は年初来安値を相次ぎ更新した。地政学リスクも重荷で、反転には時間がかかりそうだ。 月間下落率、台湾加権は20年春以来の大きさ 加権指数は5月末から6 反転見えぬ台湾・韓国株 下落際立つ6月
香港返還25年「株式市場拡大、ドルペッグが独自性維持」 コラム 6月28日 香港は7月1日に中国返還25周年を迎える。香港株式市場はその間拡大を続け、時価総額は1997年当時の3兆香港ドル程度から2021年には40兆香港ドル超とおよそ13倍に増えた。上場銘柄数も97年当時の約600銘柄から22年3月末時点で2500銘柄余りに増加。主要株価指数であるハンセン指数の構成銘柄に占める中国本土系銘柄の比重は7割近くに高まり、市場全体の中国色が強まった25年間でもあった。今後はど 香港返還25年「株式市場拡大、ドルペッグが独自性維持」
アジア、メタバースで世界の中心目指す コラム 6月25日 シンガポールの中心部、「リトル・インディア」と呼ばれるインド人街の一角で5月から「メタジャム・アジア(MetaJam Asia)2022」と名付けられたイベントが開かれている。 アジア発の普及活動 社会科見学も 「シンガポールで初めての本格的なメタバース(仮想空間)のイベントです」。オーガナイザーを務めるケント・テオ(Kent Teo)氏はこう話しながら案内してくれた。5月6日から7月31日まで アジア、メタバースで世界の中心目指す
香港「買い物天国」今は昔 小売業に迫る再編・淘汰 コラム 6月24日 【NQN香港=須永太一朗】香港で小売業の苦境が続いている。新型コロナウイルス対応の規制で域外との人の往来はまだ難しい。しかも、米国に連動した金融・通貨政策の影響で香港ドルが対主要通貨で上昇し、香港への観光・ビジネス客の足は一段と遠のいている。「買い物天国」として世界の消費需要を集めてきた香港の姿は、今や昔。域外客への依存度が大きい企業は経営が傾き、再編・淘汰の足音が迫る。 アパレルのジョルダーノ 香港「買い物天国」今は昔 小売業に迫る再編・淘汰
海外勢、国内債に過去最大の売り 日銀との攻防長期化へ コラム 6月23日 海外勢が日本国債に大量の売りを浴びせたことが鮮明になった。財務省が23日発表した統計で、海外投資家による先週の国内中長期債の売越額は過去最大に膨らんでいたことが判明。世界の主要中央銀行がこぞって利上げに踏み切るなか、日銀もいずれ政策修正に動くとの思惑から投機的な売りが増えたもよう。日銀は金利上昇の抑制に躍起だが、海外金利の先高観もあって市場との攻防戦は長期化の様相を呈している。 売り越し4.8兆 海外勢、国内債に過去最大の売り 日銀との攻防長期化へ
超長期債、流動性低下の余波 生保は取引コスト増で慎重 コラム 6月23日 日銀による金利抑制のための市場操作が、債券市場を揺さぶっている。債券先物市場を起点とした最近の金利急変動で、残存期間が10年を超す超長期債の売買の厚み(流動性)が薄くなっているためだ。取引を仲介する証券会社がリスクを回避している影響で、超長期債で運用する国内生命保険会社などの投資家は取引に二の足を踏んでいる。7月上旬に30年物国債入札という鬼門も控え、超長期債相場が弱含み(利回りは上昇)となる展 超長期債、流動性低下の余波 生保は取引コスト増で慎重
円相場、40年目の大転換 揺らぐ「一物一価」の世界 コラム 6月23日 1ドル=136円台と約24年ぶりの水準に下落した円相場。その長期トレンドが歴史的な転換点を迎えている。今月、30年移動平均が2010年以降で初めて円安・ドル高に転じる。戦争や疫病、格差拡大に伴うグローバル化の見直しで相場形成のメカニズムが変質しつつあることも、長期的な円安を促す。 1980年に資本取引が原則自由化されてから40年余。この間、日銀によれば円の直物取引(月中平均)は82年10月の1ド 円相場、40年目の大転換 揺らぐ「一物一価」の世界
「割安株投資、言うは易し行うは難し」オービスの時国氏 コラム 6月22日 金融・資本市場の先行き不透明感が強まるなかでバリュー(割安)株の運用成績が相対的に良くなっている。今年に入り、21日時点でTOPIXグロース指数が16%下げたのに対し、バリュー指数が3%高となった。割安株への長期投資で知られる英領バミューダのオービス・インベストメンツの時国司・日本法人社長は「運用会社にとって、割安株投資は『言うは易し行うは難し』だ」と話す。 ――世界的な株安の結果、日本でも魅力 「割安株投資、言うは易し行うは難し」オービスの時国氏
ヘッジ機能不全が脅かす国債の安定消化 コラム 6月20日 国内債券市場で先物を活用した価格変動リスクの回避(ヘッジ)が難しくなるとの懸念が強まっている。日銀は先物と連動性の高い残存期間7年程度の国債を当面買い続ける方針だ。前週末には債券先物の流動性向上を図る措置を公表したが、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YCC)を堅持し続ける限り根本的な解決にならず、「国債の安定消化に悪影響を及ぼしかねない」との声も出ている。 日銀が流動性対策、現物・先 ヘッジ機能不全が脅かす国債の安定消化