危機ストーリーは突然に 銀行不安が暴く不都合な真実 シリコンバレー銀行破綻 Think! コラム 株式 為替・金利 商品 海外 3月26日 金融危機の物語が始まるのは、いつも突然だ。中銀が利上げに転じても政策金利がインフレ率に追いつくまでには時間がかかり、その間、実質的には金融緩和が続くためだ。だが、米国の実質緩和の時も終わりが近づいている。 米シリコンバレーバンク(SVB)などの銀行危機は、図らずも「短期調達・長期運用」という金融が抱える宿命的なリスクをあぶり出した。世界経済の「パンドラの箱」が開き、不都合な真実という名の不幸があ 危機ストーリーは突然に 銀行不安が暴く不都合な真実
クレディ・スイスの漂流 試される「ポスト・リーマン」 グローバルマーケット 小平 龍四郎 クレディ・スイス救済 コラム 3月18日 米シリコンバレーバンク(SVB)が破綻し、経営不安が飛び火したスイス大手銀クレディ・スイス・グループは同国最大手銀UBSによる救済が検討されているもようだ。グローバル金融市場の動乱が試しているのは、2008年のリーマン・ショック後に築かれた危機再発防止の枠組みが機能するかどうかだ。 リーマン後の金融規制の基本的な考え方は①大手金融機関を厳しい資本・業務規制で縛る②局所的な経営破綻が生じても大手金 クレディ・スイスの漂流 試される「ポスト・リーマン」
需給ギャッププラスお預け? 植田日銀「緩和継続」の訳 グローバルマーケット 清水 功哉 Think! コラム 為替・金利 編集委員 3月5日 日銀内で気になる話を耳にした。植田和男氏率いる新体制がスタートしそうな日の数日前に発表される重要データが、予想外の内容になる可能性も出てきたというのだ。 そのデータは日銀が推計する2022年10〜12月期の需給ギャップである。需給ギャップとは、景気による変動をならした日本経済の平均的な供給力と実際の総需要との差を示す。後者が上回るプラス状態なら物価は上がりやすく、下回るマイナスなら物価は下がりや 需給ギャッププラスお預け? 植田日銀「緩和継続」の訳
「歴史的な金買い」が語る局面の変化 透ける中国の深謀 志田 富雄 金 コラム 商品 編集委員 2月26日 金市場への資金シフトが止まらない。中央銀行による昨年の金準備の積み増し量は約1136トンと過去最大を記録した。欧米の個人投資家による地金、金貨といった現物投資も2008年の金融危機から高い水準が続く。金先物、上場投資信託(ETF)といった短期売買の多い投資と異なり、こうした買いは一過性のものではない。なぜ、いま金なのか。 中銀の金買いは規模の大きさもさることながら、すでに10年以上も継続している 「歴史的な金買い」が語る局面の変化 透ける中国の深謀
植田日銀が醸す安心感の先 試される政治との距離感 小栗 太 コラム 株式 為替・金利 編集委員 2月19日 わずか数時間の混乱だった。政府が日銀の次期総裁に元審議委員の植田和男氏を起用する方針だと報じられた10日夕、現行の大規模金融緩和が修正されるとの思惑から、円相場が急騰。円は一時、1ドル=130円の節目を突き抜けた。だがその後、一転して円売り・ドル買いが徐々に強まり、同日の米国市場に入ったころには、まるで何事もなかったかのように報道前の水準へと舞い戻った。 ヘッジファンドなどによる投機的な円買いを 植田日銀が醸す安心感の先 試される政治との距離感
近づく不況の交差点 米GDP名実差700兆円の後先 コラム 株式 為替・金利 海外 2月5日 市場の大方の予想を裏切り、米国を中心に1月の世界の株式相場は大きく上昇した。見込み違いはいくつかあるが、「魔法」のようなインフレ効果がまだ続いているということだ。魔法が解けるとき、市場は再び悲嘆に包まれる。 想定外のひとつは底堅い企業業績だ。QUICK・ファクトセットによれば構成企業の利益予想から算出した米S&P500種株価指数ベースの1株利益(EPS)は1月末時点で225ドル。2022 近づく不況の交差点 米GDP名実差700兆円の後先
ゴールドマンvs.モルガンS 株価が示すそれぞれの道 小平 龍四郎 株式 海外 1月29日 「私たちはトレンドに逆行している」 2023年に入ってから最も印象に残った金融機関トップの言葉のひとつは、これだ。 発言の主はスイス金融大手UBSグループのラルフ・ハマーズ最高経営責任者(CEO)。1月中旬、世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)の会場で、米ブルームバーグの取材に答えたもの。業績不振に苦しむ米欧大手銀行が人員削減を進めるのとは対照的に、UBSは資産運用やウェルスマネジ ゴールドマンvs.モルガンS 株価が示すそれぞれの道
長期金利操作撤廃へ妙案 期間短期化、日銀総裁も含み 清水 功哉 Think! コラム 為替・金利 編集委員 1月22日 「一切いかなる変更も検討しないということではないが」。黒田東彦日銀総裁は18日の記者会見でそう語った。 長短金利操作政策の対象を、今の10年物国債利回りから5年物や2年物に短期化する対応はあるかという質問への答えだ。 総裁は「一番短期の政策金利と、それから最も代表的な長期金利である10 年債の金利、この2つをターゲットにしてイールドカーブ(利回り曲線)全体を適切な形に維持するということが、最も適 長期金利操作撤廃へ妙案 期間短期化、日銀総裁も含み
長期化する食料供給不安 複合危機、新興国揺さぶる マーケットニュース グローバルマーケット 志田 富雄 コラム 編集委員 1月15日 食料の供給不安が長期化しそうだ。人口増加に新興国の成長が加わり、世界の食料需要は拡大を続ける。その中で、干ばつなどの異常気象が頻発するようになった。ウクライナ危機は小麦などの食料だけでなく、農業生産を左右する肥料の供給も危うくした。さまざまな要素がからみあう複合危機は食品価格の上昇を長引かせ、新興国経済の不安を高める。 シカゴ市場の小麦相場はロシアによるウクライナ侵攻直後の3月に記録した1ブッシ 長期化する食料供給不安 複合危機、新興国揺さぶる
「悪い円安」終幕にじわり接近 巨額の貿易赤字に変化も 小栗 太 コラム 編集委員 1月8日 年明けの外国為替市場では、円相場の方向感が定まらない状況が続いている。2022年12月の日銀による予想外の金融緩和修正で円が急騰し、1ドル=150円の節目は遠のいたものの、その後も円高の勢いがなかなか強まらない。円高進行に需給面からブレーキをかけているのは、過去最大規模に膨らんだ貿易赤字。だが、そんな需給構造にも変化の兆しが表れ始めている。 「23年後半には円安悪玉論が聞かれなくなっているのでは 「悪い円安」終幕にじわり接近 巨額の貿易赤字に変化も