野球選手の辞め時 引き際は潔くか、気が済むまでか 11月22日 プロ野球シーズンが終わりに近づくと、引退、退団、自由契約といったニュースを連日耳にするようになる。少し寂しい季節の風物詩である。内川聖一選手は層の厚いソフトバンクの来季構想から外れ、新天地で現役を続けるという。余力があるように見えても引退を選ぶ阪神・藤川球児投手のような選手もいる。何度もピンチがありながら、50歳まで現役を続けた私としては、どちらの思いも理解できる。 若い頃は毎年、戦力外通告にお 野球選手の辞め時 引き際は潔くか、気が済むまでか
海外と日本の長所を融合 捕手マルティネスの可能性 7月19日 中日のアリエル・マルティネス捕手が注目されている。キューバ出身の24歳。7月、育成から支配下登録されると1軍でもマスクをかぶり、有力な正捕手候補に名乗りを上げている。コミュニケーションが大事な捕手に外国人を使うことには慎重論もあるだろうが、彼のプレーを見れば見るほど、やれそうだという思いを強くしている。 私は若い頃、米国に野球留学していた。海外で捕手に求められるのはワンバウンドのブロックと強肩だ 海外と日本の長所を融合 捕手マルティネスの可能性
開幕延期のプロ野球 一致団結で苦境乗り切れ 3月22日 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、3月20日の予定だったプロ野球開幕が遅れている。関係者は4月10日以降の開幕を目指して努力しているが、現状は先行き不透明で予断を許さない。憂いなく野球に打ち込める平穏な日常の幸せを改めて感じている。 現役時代の2011年、東日本大震災の影響で開幕延期を経験した。当時の私はテレビで被災者の様子を見るたびに「これは野球どころじゃない」と思った。状況は違うが、今回も 開幕延期のプロ野球 一致団結で苦境乗り切れ
沢村賞、全投手の憧れに 時代に合わせた見直しも 10月27日 今年の沢村賞は19年ぶりに該当者なしということになった。最終候補に残った2人は巨人の山口俊投手が投球回数170で完投なし、日本ハムの有原航平投手が同164回1/3で1完投だった。7項目ある選考基準のなかでも重要視される200回、10完投以上に遠く及ばず、賞の権威を落とさないための苦渋の決断だったようだ。 ■タイトルにはない重みのある賞 沢村賞は先発投手にとって最高の栄誉だ。該当者なしもあり得るとい 沢村賞、全投手の憧れに 時代に合わせた見直しも
避けられないスランプ 脱出の一歩は意識から 7月14日 今年のペナントレースも折り返し地点を過ぎた。予想を上回る活躍をしている選手がいる半面、本調子からほど遠く、苦しんでいる選手もいる。スランプはどうして起こり、いかに脱出すればいいのだろうか。 野球に限らず、プロスポーツにはスランプがつきものだ。昨季まで2年連続沢村賞の菅野智之投手(巨人)は精彩を欠いているし、女子テニスの大坂なおみ選手も四大大会2連覇を達成した半年前とは別人のような不調に陥っている 避けられないスランプ 脱出の一歩は意識から
良いコーチはビデオカメラになり、明るくどっしり 4月7日 プロ野球の新しいシーズンが開幕した。ほとんどのチームでは多かれ少なかれ、首脳陣も入れ替わった。監督に比べると目立たないが、選手と監督の橋渡し役でもあり、チームの運営に重要な役割を果たすのがコーチ陣だ。私自身が未経験であることをお断りしたうえで、選手時代の経験から良いコーチの資質や条件を考えてみたい。 選手と違い、コーチは1軍が格上、2軍が格下というわけではない。役割が違うため、求められる資質もお 良いコーチはビデオカメラになり、明るくどっしり
監督だけの責任じゃない 巨人や阪神、中日の低迷 11月11日 今年のプロ野球はソフトバンクの日本シリーズ連覇で幕を閉じた。セ・パ両リーグとも打高投低のシーズンだった。西武打線は圧倒的な破壊力でパを制し、セを3連覇した広島打線も相変わらずよく打った。 打者の技術は投手よりも伸ばしやすい。体が資本の投手は好きなだけ投げ込めるわけではないが、打撃マシンを使えば打者は納得のいくまで打ち込むことができる。練習量は必然的に差がつく。「飛ばないボール」といわれた統一球が 監督だけの責任じゃない 巨人や阪神、中日の低迷
得意もあれば苦手も 「球場との相性」の不思議 9月2日 8月12日、巨人がマツダスタジアムでの連敗を13で止めた。その前に勝ったのが昨年の8月11日なので、実に1年ぶりの勝利となった。一方、24日にヤフオクドームで先発した西武の菊池雄星は3失点で完投しながら負け投手になった。あれほどの投手がプロ9年目の今季まで、ソフトバンクには13連敗と1つも勝てていない。特にヤフオクドームでは昨年も初球に2段モーションを注意されて崩れるなど、苦い経験をしている。 得意もあれば苦手も 「球場との相性」の不思議
「コーチ」で迎える高校野球100回目の夏 7月1日 この春から高校野球の指導を始めた。3日間の研修を受けてアマチュアの指導資格を回復し、弟が監督をしている母校の日大藤沢高(神奈川)で月3~4回、投手を中心に教えている。今年の夏の甲子園は節目の100回目。地方予選からいつにも増して注目している。 32年間のプロ生活を通じ、才能に恵まれ、実力がありながらけがに泣かされた選手をたくさん見てきた。私は幸い、肘にも肩にもメスを入れずに50歳まで投げられた。 「コーチ」で迎える高校野球100回目の夏
ペナントレース、今年はセ・リーグが面白い 4月8日 ペナントレースが幕を開けた。セ・リーグ出身の私は近年になくワクワクしている。セにこれだけ話題が多いシーズンは久しぶりだ。大リーグから上原浩治(巨人)、青木宣親(ヤクルト)が復帰し、「平成の怪物」こと松坂大輔も新天地の中日で先発ローテーションの座をつかもうとしている。 「人気のセ、実力のパ」といわれたのもいまや昔。1999年に松坂が西武に入ってからというもの、ダルビッシュ有(現カブス)、田中将大( ペナントレース、今年はセ・リーグが面白い