そして3極に割れた世界 協調嫌がる「中立パワー」台頭 秋田 浩之 バイデン政権 岸田政権 ウクライナ侵攻 Think! Deep Insight 本社コメンテーター 6月27日 世界秩序の変化に、日本は最も鈍い主要国の1つだろう。侵略されたら米国に守ってもらえるという、際だった「特権」に包まれているからだ。日本政府も米国主導の秩序が続く前提に立ち、国家戦略を組み立てる。 この路線は決して間違っていない。ただ、米国主導の秩序がいつまで持続できるのか、冷静に分析することも急務になってきた。 壊れる米主導の秩序 ロシアのウクライナ侵略が2月24日に始まってから、約4カ月。この そして3極に割れた世界 協調嫌がる「中立パワー」台頭
USTR代表、対中関税「重要な交渉材料」 引き下げ慎重 バイデン政権 中国・台湾 北米 6月23日 【ワシントン=鳳山太成】米通商代表部(USTR)のタイ代表は22日、中国製品に課している制裁関税について「重要なレバレッジ(てこ)の一部だ」と述べ、中国に譲歩を促すための交渉カードだとの認識を示した。バイデン政権が検討している対中関税の引き下げに改めて慎重な姿勢をみせた。 議会上院の公聴会で証言した。タイ氏は「貿易交渉の担当者は決してレバレッジを手放さない」と指摘し、中国に不公正な貿易慣行をやめ USTR代表、対中関税「重要な交渉材料」 引き下げ慎重
ダボスが問う「政高経低」の解 企業はしたたかに変身を 西村 博之 ダボス会議 ウクライナ侵攻 Think! Deep Insight 本社コメンテーター 6月15日 5月下旬、約2年ぶりの対面開催となった世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で参加者の表情を曇らせた言葉がある。「自由は自由貿易よりも貴い」。北大西洋条約機構(NATO)のイェンス・ストルテンベルグ事務総長の発言だ。 ウクライナでのロシアの蛮行を前にした危機感の表れだろう。自由や安全保障のため自由貿易を捨てよともとれる発言は、経済より政治や地政学が重みを増す「政高経低」の世界を浮き ダボスが問う「政高経低」の解 企業はしたたかに変身を
日本狙う中ロ両軍の結託、長引くウクライナ戦闘で転機 習政権ウオッチ 中沢 克二 ウクライナ侵攻 Think! コラム 中国・台湾 編集委員 6月15日 中国の国家主席の習近平(シー・ジンピン)とロシア大統領のプーチンが結託して日本に海と空から露骨に軍事的圧力をかける中ロ両軍の共同軍事行動。防衛相の岸信夫がシンガポールで中国側に重大な懸念を直接伝えた裏には、かつての常識を超えてエスカレートする極東地域での中ロ軍事連携がある。だが、そのロシアとの空前の軍事協力があだになって中国は今、深刻なジレンマに陥りつつある。 注目すべきは5月24日、中ロの戦略 日本狙う中ロ両軍の結託、長引くウクライナ戦闘で転機
米、対中投資に事前審査論 経済安保政策総仕上げ バイデン政権 中国・台湾 北米 6月11日 中国での工場建設やM&A(合併・買収)に異議あり――。企業による外国での投資・経済活動を監視する制度導入の議論が米国で熱を帯びている。これまで米政府は外国からの対内投資を審査してきたが、対外投資にも事前審査の仕組みを設けようとしている。米経済安全保障政策は総仕上げの段階に入ってきた。 バイデン政権と与野党が今夏の成立をめざし、上下院が5月に一本化の作業を始めた「中国対抗法案」。半導体に5 米、対中投資に事前審査論 経済安保政策総仕上げ
岸田首相「5年以内に防衛費増」 インド太平洋支援強化 岸田政権 Think! 政治 6月10日 【シンガポール=根本涼】岸田文雄首相は10日、シンガポールで開催中のアジア安全保障会議(シャングリラ会合)で講演した。日本の防衛力について「5年以内に抜本的に強化し、裏付けとなる防衛費の相当な増額を確保する決意だ」と言明した。「自由で開かれたインド太平洋」の行動計画を2023年春までに策定すると表明した。 5本柱で構成する「平和のための岸田ビジョン」を打ち出した。自由で開かれたインド太平洋の新た 岸田首相「5年以内に防衛費増」 インド太平洋支援強化
中国、カンボジア海軍基地の拡張支援 南シナ海問題に影 中国・台湾 東南アジア 北米 6月8日 【ハノイ=大西智也、シンガポール=中村亮】カンボジア政府は8日、南シナ海に近いカンボジア南西部のリアム海軍基地の拡張に向けた着工式を開いた。中国が拡張工事を支援しており、米国は将来的に南シナ海の実効支配を目指す中国軍が基地を利用すると懸念する。米中が週内にも開く方向で調整する国防相会談で議題にのぼる可能性がある。 着工式はタイ湾に面する同基地(シアヌークビル)で開かれた。カンボジア政府の発表によ 中国、カンボジア海軍基地の拡張支援 南シナ海問題に影
米軍横田基地が管制塔公開 無人機グローバルホーク離陸 東京 関東 北米 政治 6月6日 米空軍は横田基地(東京都福生市など)の航空管制塔とレーダー進入管制業務を報道陣に公開した。同基地では輸送機や戦闘機などの軍用機のほか、民間チャーター機や小型機なども含めると月平均約3000回の離着陸があるという。管理する「横田空域」は多くの旅客機が離着陸する羽田空港に隣接するため、担当者は「太平洋地域にある米軍基地の管制では最も忙しい」と説明した 米軍横田基地が管制塔公開 無人機グローバルホーク離陸
[FT]米国の信頼回復目指す台湾・国民党 政権奪回目指す Think! 中国・台湾 北米 FT 6月3日 台湾の最大野党である国民党が、米国のパートナーとして信頼たりうる存在であることを米政府に証明しようと躍起になっている。同党は与党・民主進歩党(民進党)が勢力を伸ばす中、苦戦している。国民党はかつて党首の蒋介石が中国本土を支配していたころは米国の同盟相手だった。 国民党トップの朱立倫主席は2日から12日間に及ぶ米国訪問で、台湾にとって最も重要な安全保障上のパートナーとの関係修復を目指す。選挙で相次 [FT]米国の信頼回復目指す台湾・国民党 政権奪回目指す
広がる「通商武装論」 ルール通じぬ世界、日本は動かず 太田 泰彦 トランプ前政権 カーボンゼロ ウクライナ侵攻 Nikkei Views 編集委員 6月2日 ロシアに対する経済制裁には、日米欧を中心に世界から約30カ国が加わった。輸出の制限、ドル決済の停止、金融資産の凍結、ロシア産原油の禁輸など、その内容は多岐にわたる。 だが、そもそも経済制裁とは各国が独自の判断で実行する一方的な措置だ。多国間の取り決めや国際ルールがあるわけではない。今が戦争という有事であるからこそ正当化されるが、平時であれば自由貿易の柱である世界貿易機関(WTO)協定に背く行為と 広がる「通商武装論」 ルール通じぬ世界、日本は動かず